「アソビカメラ」として知られるキヤノンのiNSPiC REC。発売当初は「遊び心満載の新しいカメラ」として注目を集めましたが、気づけば公式サイトでは“販売終了”の文字が。いったいなぜ、人気だったアソビカメラが販売終了になってしまったのでしょうか?今回はその背景や再販の可能性、中古での入手方法について、最新情報をもとに詳しくまとめていきます。
アソビカメラとは?気軽に「遊べる」カメラとして話題に
まず「アソビカメラ」とは、キヤノンが2019年12月に発売した「iNSPiC REC(インスピック・レック)」という小型デジタルカメラの愛称です。
このカメラの最大の特徴は、“気軽に持ち歩ける”こと。カラビナ型のボディでバッグやベルトに取り付けられ、防水・耐衝撃仕様というタフさを持ちつつ、シンプルな操作性が魅力でした。
液晶モニターもズーム機能もなく、「構えず、思い立ったら撮る」というコンセプトが新鮮で、スマホ全盛の時代に“遊び感覚”で写真を楽しめるツールとして注目されたのです。
当時、クラウドファンディングサイト「Makuake」で先行販売された際には、目標を大きく上回る支援を集め、短期間で完売したほどの人気でした。
アソビカメラが販売終了したのはなぜ?
しかし、そんな話題性のあったアソビカメラも、公式オンラインショップではすでに「販売終了」と表示されています。
販売終了の理由について、キヤノンから公式な説明は出ていません。けれども、市場の動向や当時のレビューから推測される“背景”はいくつか考えられます。
1. スマートフォンカメラの進化による影響
アソビカメラが登場した2019年以降、スマートフォンのカメラ性能は急速に進化しました。
特にiPhoneやGalaxyなどは超広角・ポートレート・ナイトモードなど多彩な撮影機能を搭載し、もはや「スマホで十分」と感じる人が増えたのです。
その結果、「あえて別に小型カメラを持つ必要性」が薄れたことが、販売終了の一因と考えられます。
2. 市場でのポジションが難しかった
アソビカメラは「アクションカメラ」と「トイカメラ」の中間のような位置づけでした。
GoProなど本格派のアクションカメラほど高性能ではなく、かといっておもちゃ的に割り切るには価格がやや高め。
“気軽に楽しむカメラ”としての魅力はありましたが、どの層に強く刺さるかが曖昧だった点も販売面で不利に働いたようです。
3. シリーズ展開が続かなかった
キヤノンはiNSPiCシリーズとして、スマホプリンター型の「iNSPiC P」なども展開していますが、RECの後継機は発表されませんでした。
2021年頃にはアニメやキャラクターとのコラボモデル(ポケモン、ラブライブ!など)も発売されましたが、それ以降新製品の情報は途絶えています。
つまり、メーカーとして“このシリーズを継続する方針”を取らなかった可能性が高いのです。
4. 採算面・需要の減少
家電量販店やオンラインショップでは2022年ごろから「在庫限り」「取り扱い終了」の文字が目立ち始めました。
販売数の減少やコスト面の問題から、生産ラインを縮小し、自然な形で販売終了に移行したと考えられます。
特に小型カメラ市場は競争が激しく、メーカーとしても採算を取りにくいカテゴリでした。
公式に再販の予定はある?
現在のところ、アソビカメラ(iNSPiC REC)の再販や後継機に関する公式発表はありません。
キヤノンの公式ストアでも「販売終了」と明記されており、今後の入荷予定も記載されていません。
そのため、少なくとも現時点では再販の可能性は低いと見てよいでしょう。
ただし、ユーザーの間では「またこういう遊び心のあるカメラが出てほしい」との声も多く、SNS上では後継機を期待するコメントも見られます。
キヤノンがこのシリーズを完全に終了したと断定する情報はないため、将来的に新コンセプトで復活する可能性はゼロではありません。
中古での入手方法と注意点
新品の入手が難しい今、現実的な選択肢は「中古での購入」です。
中古市場では、メルカリ・ヤフオク・Amazonマーケットプレイスなどで出品されており、状態の良いものもまだ見つかります。
中古で買うときのチェックポイント
- 付属品の有無:純正ケーブル、説明書、外箱、フェイスジャケットなどが欠けていないか。
- 動作確認:ボタンの反応、防水シーリング、microSDスロットの動作などを確認する。
- 保証の有無:販売終了品のため、メーカー保証が切れている可能性が高い。購入店の独自保証があるか確認する。
- 価格相場:新品時の定価は約1万8,000円前後でしたが、現在は状態によって1万〜2万円台後半で取引されることもあります。
また、販売終了後は一部でプレミア価格化することもあるため、相場より高すぎる出品には注意が必要です。
アソビカメラの代わりになるおすすめアイテム
アソビカメラのように「気軽に撮れて持ち歩ける」製品は、現在もいくつか存在します。
たとえば以下のようなアイテムは、似た感覚で使うことができます。
- スマートフォン用クリップレンズ:スマホのカメラ性能を拡張できる簡易レンズ。
- アクションカメラ(GoPro・Insta360など):防水・耐衝撃で、より高画質。
- トイカメラ・デジタル玩具系:子ども用や初心者向けの軽量カメラで、見た目もかわいいモデルが多い。
特に最近では、スマホアプリで撮影した映像を加工したり、ウェアラブル型で自動撮影するタイプも登場しています。
こうした代替アイテムを活用することで、アソビカメラのような「日常を気軽に記録する体験」は今でも十分楽しめます。
購入を検討する際のポイントまとめ
販売終了品を探すときは、価格・状態・保証の3点をしっかり確認するのが基本です。
さらに、実際に使うシーンをイメージしておくことも大切。
「防水カメラが欲しいのか」「日常のスナップを撮りたいのか」など、用途を明確にすると選びやすくなります。
また、すでにメーカーの修理サポートが終了している可能性もあるため、壊れた場合にどうするかも事前に考えておきましょう。
一方で、限定カラーやコラボモデルは今でもコレクター人気があり、探す価値のあるアイテムです。
アソビカメラが販売終了の理由はなぜ?今後の展開に期待
まとめると、アソビカメラが販売終了となった主な理由は「スマホの進化」「市場規模の縮小」「シリーズ継続の見送り」が重なったためと考えられます。
再販の予定はないものの、中古市場ではまだ入手可能で、似た体験ができる代替商品も豊富です。
アソビカメラは“日常をもっと気軽に楽しむ”という発想から生まれたユニークなカメラでした。
そのコンセプト自体は今も魅力的であり、いつか再び、あの遊び心を受け継いだ新モデルが登場することを期待したいところです。
