子どものころに飲んだあの懐かしい「ウルトラサイダー」。ウルトラマンのデザイン缶が印象的で、自販機で見つけるとつい手に取ってしまった人も多いはず。
しかし近年、「どこにも売っていない」「販売終了したの?」という声が相次いでいます。
今回は、そんなウルトラサイダーがなぜ姿を消したのか、そして再販の可能性があるのかを詳しく探ってみました。
ウルトラサイダーとは?復刻堂シリーズの人気商品だった
ウルトラサイダーは、ダイドードリンコが2009年に発売した炭酸飲料。
同社の「復刻堂」シリーズの一つとして登場し、昭和の懐かしい味わいを現代に蘇らせるコンセプトで展開されました。
デザインはもちろん、円谷プロダクション監修のウルトラマンシリーズ。
ウルトラマン、ウルトラセブン、ゾフィーなどが描かれた缶は全6種類(後に第2弾でさらに7種追加)で、コレクション目的で購入するファンも多くいました。
味は「ラムネ風の透明炭酸」。
駄菓子屋のサイダーを思わせる甘くてスッキリした味わいで、大人には懐かしく、子どもには新しい。まさに「世代を超えて楽しめる炭酸飲料」として人気を集めたのです。
当時の価格は350mlで100円前後。自動販売機で気軽に買える手頃さも人気の理由でした。
いつ販売終了した?「復刻堂」ブランドの一時終了が転機に
では、なぜウルトラサイダーは姿を消してしまったのでしょうか。
明確な「終売日」は発表されていませんが、背景には“ブランド休止”が関係しています。
実はウルトラサイダーを展開していた「復刻堂」シリーズ自体が、2013年4月をもって一度販売を終了しています。
この時点でウルトラサイダーも同時に市場から姿を消したと考えられます。
当時、ダイドードリンコは季節限定・コラボ系の飲料を数多く出していました。
しかし、短期間で入れ替わる市場環境や販売コストの高騰などもあり、復刻堂ブランドの継続が難しくなったのです。
その後、ウルトラサイダーが再びラインアップに戻ることはなく、気づけば自販機やスーパーの棚から完全に姿を消してしまいました。
販売終了の理由は?限定企画・コスト・トレンド変化の三重苦
販売終了の理由は公式には発表されていませんが、複数の要因が考えられます。
① 限定コラボ企画としての性格
ウルトラサイダーは、もともとウルトラマンシリーズとのコラボ商品。
「第1弾」「第2弾」と明記されており、もともと長期販売を前提としない限定企画だった可能性が高いです。
そのため、ある程度の販売期間を終えると自然に販売終了となる流れは想定内だったと言えます。
② 復刻堂ブランドの戦略見直し
2000年代後半から2010年代初頭にかけて、飲料市場では新しいフレーバーや機能性飲料が次々登場しました。
一方、復刻堂シリーズは「懐かしさ」を売りにしていたため、若年層にとっては“地味”に見える側面も。
市場動向に合わせてブランドを整理した結果、ウルトラサイダーもその波に巻き込まれたと考えられます。
③ 流通とコストの問題
コラボ缶はデザイン種類が多く、製造ラインや在庫管理のコストが上がりがちです。
加えて、販売経路が主に自動販売機中心だったこともあり、効率的な流通が難しかったことも理由のひとつとされています。
これらを総合すると、ウルトラサイダーは「期間限定」「ブランド休止」「市場変化」という三つの要因が重なり、自然消滅的に販売終了となったと見るのが妥当です。
現在の入手方法は?中古市場で高値取引も
現在、ウルトラサイダーを新品で購入するのは非常に難しい状況です。
ダイドーの公式サイトや一般流通では取り扱いがなく、自販機やスーパーでも販売していません。
しかし、フリマアプリやオークションサイトでは、空き缶や未開封品がコレクターズアイテムとして出回っています。
特にウルトラマンやウルトラセブンなど人気デザインは高額で取引されることも。
中には空き缶だけで数千円の値がつくケースもあるようです。
ただし、未開封品を購入する場合は「賞味期限切れ」「内容物の劣化」などに注意が必要。
飲用目的ではなく、あくまでコレクションとして扱うのが安全です。
復刻の可能性は?ダイドー「復刻堂」ブランドが再始動している
希望の光がまったくないわけではありません。
2021年、ダイドードリンコは復刻堂ブランドを再始動させ、「復刻堂 メロンソーダ」や「復刻堂 いちごオ・レ」を新発売しました。
これは「レトロブーム」と「懐かしの味を求める若年層の増加」に対応した動きです。
つまり、ウルトラサイダーも再登場する余地があると考えられます。
ウルトラマンシリーズ自体もテレビ放送や映画、イベントを通じて常に注目されているコンテンツ。
記念イヤーや新作映画公開などのタイミングで、再コラボが実現する可能性は十分あるでしょう。
実際、過去には「ウルトラマン×ウルトラセブンコラボ缶コーヒー」なども期間限定で復活した例があります。
こうした動きを見る限り、「復刻堂×ウルトラマン= ウルトラサイダー復活」は決して夢物語ではないのです。
ウルトラサイダーの代わりに楽しめる“懐かし系サイダー”たち
「もう飲めないの?」と残念に思う方も多いでしょう。
しかし、ウルトラサイダーのような“昔ながらのサイダー”は今も多く存在します。
例えば、
- ダイドー「復刻堂 メロンソーダ」
- 富士山麓の天然水を使った「三ツ矢サイダー」
- 昭和レトロな瓶タイプの「木村飲料シリーズ」
など、レトロな味わいやデザインを再現した商品が各地で販売中です。
味わいこそ違いますが、「懐かしい炭酸の爽快感」を求めるなら、これらも十分に楽しめます。
SNSでも再販希望の声が続々
SNSを覗くと、「また飲みたい」「あの缶を集めたい」といった投稿がいまでも見られます。
特にウルトラマンファンの間では、記念イベントのたびに「ウルトラサイダー復活しないかな」という声が上がるほど。
再販の声が多ければ、企業側が動く可能性もあります。
最近ではSNSの反響がきっかけで復刻された飲料やお菓子も少なくありません。
ファンとしては、公式へのリクエストやSNS発信が“再販を後押しする力”になるかもしれませんね。
まとめ:ウルトラサイダーは実質販売終了、でも再販のチャンスはある
ウルトラサイダーは、2009年に登場したダイドードリンコのコラボ炭酸飲料であり、現在は公式販売が終了しています。
明確な終売発表はないものの、復刻堂ブランドの一時終了を機に流通が止まり、事実上の販売終了状態となりました。
しかし、2021年に復刻堂が再始動したことで、ウルトラサイダー再販の可能性は再び浮上しています。
ウルトラマンシリーズという強力なコンテンツとの親和性を考えると、記念企画などで復活するチャンスは十分にあるでしょう。
現時点では中古市場でしか手に入りませんが、再販を願うファンの声は今も根強い。
もし再びあの“ラムネ風の爽やかさ”を味わえる日が来たら、当時を思い出しながら、懐かしい気持ちで缶を開けたいですね。
