1990年代から2000年代にかけて、チョコレート菓子の定番として多くの人に愛されてきた「フラン」。ふんわりとしたチョコムースの口どけと、ほどよいサクサク食感のスティックが特徴で、「ちょっと贅沢なお菓子」として人気を集めていました。
そんなフランがいつの間にか店頭から姿を消し、「販売終了したらしい」という声が広がっています。なぜ明治のフランは生産終了になったのでしょうか。その背景と、再発売の可能性について詳しく見ていきましょう。
フランとはどんなお菓子だったのか
フランは、明治が1999年に全国発売したチョコレート菓子です。
ビスケットスティックにふんわりとしたムース状のチョコレートを厚くコーティングした独特の構造が人気を集めました。
「ミルクチョコ」「ホワイトチョコ」といった定番に加え、季節限定で「ストロベリー」や「抹茶」なども登場し、パッケージデザインも上品で、特に20〜40代の女性層を中心に支持されていました。
一時期はテレビCMも放送され、「ポッキー」や「トッポ」と並ぶスティックタイプのチョコレート菓子として定着していました。
それだけに、販売終了を惜しむ声が今も後を絶ちません。
フランが販売終了したのはいつ?
明治公式サイトの「製造終了商品」リストには、チョコレートやグミなど多くの商品名が掲載されています。
その中でフランも2023年9月頃をもって全国販売を終了したと見られています。
SNS上では同年夏ごろから「店頭で見かけなくなった」「コンビニから消えた」といった投稿が相次ぎ、秋以降には「販売終了」とする情報サイトの記事が増えました。
つまり、2023年を境に流通が止まり、現在では公式には生産・販売ともに終了している状態です。
明治フランが販売終了した理由
明治から公式な説明は出されていませんが、業界動向や市場分析から、いくつかの要因が推測されています。
1. 消費者の嗜好の変化
チョコレート市場では、ここ数年「軽め」「糖質オフ」「一口サイズ」などのニーズが強まっています。
フランは厚みのあるチョコレートと濃厚な味わいが魅力でしたが、その“ゆったり味わう”スタイルが、現代の“手軽に・すぐに”消費したい生活リズムとはややズレが生じた可能性があります。
また、「罪悪感の少ないお菓子」「低カロリー」といったキーワードが重視されるなか、フランのように濃厚で甘みの強いタイプは敬遠されやすくなっていたとも言われています。
2. 競合商品の台頭とブランドの重複
スティックチョコ市場には、グリコの「ポッキー」シリーズやロッテの「トッポ」など、強力なライバルが多数存在します。
さらに、明治自身も「ガルボ」「メルティーキッス」「アーモンドチョコ」といった人気ブランドを抱えており、ラインナップがやや重複していました。
このため、生産効率の観点からも、販売実績の伸び悩むブランドを整理する判断がなされた可能性があります。
3. 原材料・製造コストの上昇
チョコレート製品全般において、カカオ豆や乳製品、包装資材、物流コストの高騰が続いています。
特にフランはムース状チョコの二重構造を採用していたため、一般的なスティック菓子に比べ製造工程が複雑でコストが高かったとみられます。
このため、利益率が低下し、安定供給を維持するのが難しくなった可能性があります。
4. 商品ポートフォリオ再編による整理
明治は、既存ブランドの中でも特に成長余地のある商品にリソースを集中させる戦略を取っています。
定番の「きのこの山」「たけのこの里」や新ライン「チョコレート効果」「THE Chocolate」など、話題性の高いブランド強化が進む一方で、売上が横ばいの製品は整理対象となる傾向があります。
フランもこの「戦略的整理」の流れの一環として、生産終了になったと考えられます。
消費者からの反応と現在の入手状況
販売終了後、SNSでは「ショック」「また食べたい」という声が相次ぎました。
長年親しんできたファンからは、「あの口どけが忘れられない」「ポッキーよりも濃厚で好きだった」という投稿も目立ちます。
現在、スーパーやコンビニなどの一般流通では入手できません。
通販サイトでは一部の在庫や転売品が出品されていますが、賞味期限が近いものや価格が高騰しているケースもあります。
そのため、公式な再販がない限り、正規ルートでの購入はほぼ不可能な状況です。
フランの代わりになるお菓子は?
味や食感が似ているお菓子としては、次のような商品が挙げられています。
- グリコ「ポッキー 冬のくちどけ」:チョコが厚く、なめらかな食感が近い
- ロッテ「トッポ」:スティックにチョコが詰まっていて、甘さのバランスが似ている
- 明治「ガルボ シリーズ」:チョコの厚みやコクの方向性がフランに近い
完全な代替とは言えませんが、「濃厚チョコ×サクサク食感」を求める人には満足度が高い組み合わせです。
フランの名残を感じたい方は、こうした類似商品を試してみるのも良いでしょう。
フラン再発売の可能性はあるのか?
2025年現在、明治から「フラン再発売」に関する公式発表は出ていません。
ただし、過去に他メーカーが人気商品の“限定復刻”を行った例は多く、完全に望みがないわけではありません。
特に明治では、かつて販売終了した「カール」などが地域限定で継続販売されているように、販売エリアや期間を絞った形で再登場する可能性も考えられます。
また、SNSやファンサイトでの反響が大きければ、話題性を活かして限定復刻を検討する余地もあるでしょう。
現時点では未定ですが、「明治公式サイト」や「公式X(旧Twitter)」などで情報をチェックしておくと、再発売が発表された際にいち早く知ることができます。
フランのお菓子がなぜ販売終了したのかを振り返って
フランが販売終了した背景には、消費者の嗜好変化、競合の激化、原材料費の高騰、そして明治のブランド再編という複数の要因が絡んでいました。
人気があっても、時代の流れや企業戦略の転換によって、長年親しまれたお菓子が姿を消すことは少なくありません。
それでも、フランが残した印象は今も多くのファンの記憶に残っています。
「またあの味に出会いたい」という声がある限り、いつか限定復刻として帰ってくる日が訪れるかもしれません。
フランのお菓子がなぜ販売終了したのか――その理由を知ることは、私たちが日々何気なく食べているお菓子の背景を考えるきっかけにもなるでしょう。
