昔から駄菓子屋さんで見かけていた『梅ミンツ』。その独特な酸っぱさとほんのり甘い後味を覚えている人も多いのではないでしょうか。ところが最近、「どこに行っても売ってない」「もう製造していないの？」という声がSNSでも増えています。この記事では、そんな梅ミンツが販売終了になった背景や、今後の再販情報を詳しく追っていきます。
梅ミンツとは？懐かしの“あの味”の正体
『梅ミンツ』は、大阪のオリオン株式会社が1973年（昭和48年）に発売したロングセラーの駄菓子。小さなケースに入ったピンク色の粒ミンツは、梅ピューレの酸味と砂糖の甘みが絶妙なバランスで、子どもから大人まで幅広く親しまれてきました。
当時は同社の人気商品『ココアシガレット』に続き、ライターをモチーフにしたユニークなデザインで登場。さらに「当たり付き」という遊び心のある仕掛けもあり、当たるともう1個もらえるというワクワク感が駄菓子好きの心をつかんでいました。
昭和から平成、そして令和にかけて、スーパーや駄菓子屋の定番として並んでいた梅ミンツ。そんな長寿商品が、なぜ今「売ってない」と言われるようになったのでしょうか。
本当に販売終了した？オリオン公式サイトの記載を確認
結論から言うと、オリオン社の公式サイトには『梅ミンツ』が「廃盤商品」として掲載されています。
「長年愛された梅ミンツは惜しまれつつも生産終了」と明記されており、現在は通常ラインナップから外れています。
つまり、オリオンが製造していた“本家”の梅ミンツはすでに市場から姿を消しており、全国的に流通が終了している状態です。ネット通販サイトや駄菓子問屋でも在庫がほぼなく、「売ってない」と感じる人が増えているのは当然と言えます。
一部のブログでは「2025年8月末で完全販売終了予定」との情報も見られますが、公式発表として日付が明記されているわけではありません。ただ、オリオン自身が「廃盤」と明示しているため、少なくとも再生産の予定は現時点でないと考えられます。
販売終了の背景にある理由とは？
メーカーから具体的な説明はありませんが、いくつかの要因が重なっていると考えられます。
1. 需要の減少と時代の変化
1970年代に登場した梅ミンツは、昭和の駄菓子文化を代表する商品でした。しかし、令和の今、子どもたちの間ではグミやチョコ、スナックなど多様な菓子が主流。砂糖ミンツというカテゴリー自体の需要が減少していることは否めません。
2. 原材料とコストの高騰
梅ピューレや糖衣の原材料価格、包装資材、人件費の上昇など、製造コスト全体が年々上がっています。駄菓子という低価格帯の製品で採算を取るのが難しくなったことも、終売の一因でしょう。
3. 商品ラインナップの整理
オリオン社は多くの定番駄菓子を抱えており、ヒット商品を中心にブランドを再構築している最中と見られます。長年販売してきた梅ミンツを“一区切り”とし、時代に合わせた新商品開発にリソースを振り分けた可能性があります。
4. 法規制や景品表示の影響
当たり付き菓子は「景品表示法」などのルールに抵触しないよう注意が必要です。遊び心が魅力だった反面、制度や安全基準の見直しに伴い、従来の仕組みを維持しづらくなったとも考えられます。
これらの要素が複合的に重なり、梅ミンツは惜しまれながらも販売終了に至ったと推測されます。
「無印良品の梅ミンツ」との違いに注意
ここで注意したいのが、現在SNSなどで話題になっている「無印良品の梅ミンツ」。
無印良品でも同名の『梅ミンツ（25g）』という商品が販売されていますが、これはオリオン社製ではなく、別の製造ルートで作られた“別商品”です。
無印良品版は紀州産の梅を使用したナチュラルテイストで、「あの味が帰ってきた！」と話題になっています。ただし、ネットストアでは一時的に在庫切れや販売停止になっており、店舗でも売り切れが続出。こちらも“限定的な販売”で、常時買える状態ではありません。
つまり、
- オリオン版：1973年発売、廃盤済み
- 無印良品版：別ブランドによる再解釈商品
という関係です。どちらも「梅ミンツ」という名前ですが、ルーツも味の方向性も微妙に異なります。
SNSでは「再販してほしい」の声が続出
Twitter（X）やInstagramでは、「また食べたい」「再販希望」の声が多数上がっています。
「駄菓子屋でよく買ってた梅ミンツ、いつの間にか消えてた…」
「無印で復活してて泣いた」
「あの小さいケース、懐かしすぎる！」
こうした投稿を見る限り、梅ミンツは“味覚の記憶”として強く残っている商品であり、再販を望むファンが根強いことがわかります。懐かしの駄菓子ブームやレトロ食文化への関心が高まる中で、再び日の目を見る可能性もゼロではありません。
梅ミンツ風のコラボ商品も登場
2022年には、オリオンが監修した『マイルーティーン 梅ミンツ風味プロテイン』という意外なコラボ商品も登場しました。
これは梅ミンツの風味を再現したプロテインで、梅の酸味とクエン酸の爽やかさを活かした新ジャンルのフレーバー。駄菓子の世界観をスポーツ栄養食品に応用するというユニークな試みでした。
この例からも分かる通り、「梅ミンツ」というブランドや味のイメージは、完全に消えたわけではなく、形を変えて再利用されているのです。もしかすると今後、期間限定の復刻やコラボ再販の可能性もあるかもしれません。
今どこで買える？入手の可能性を探る
現在、オリオン版の梅ミンツは一般流通では入手困難です。大手通販サイトでも在庫が切れていることが多く、見かけてもプレミア価格がついているケースもあります。
ただし、以下のような方法で見つかる場合があります。
- 駄菓子専門店や地域の問屋に残っている在庫
- イベントや祭りのレトロ菓子ブース
- 無印良品の一部店舗（再入荷時）
SNSでは「無印で偶然見つけた」「懐かしすぎて即買いした」といった投稿があり、タイミング次第では購入できるチャンスがありそうです。
もし梅ミンツを探している人は、無印良品の店頭を定期的にチェックしておくのがおすすめです。
懐かしの駄菓子が再び注目される理由
ここ数年、昭和レトロブームの流れで昔懐かしいお菓子が再評価されています。
『ココアシガレット』や『ボンタンアメ』、『都こんぶ』など、かつての定番が再びSNSで人気を集め、若い世代にも広がっています。
梅ミンツもその一つで、「懐かしい味をもう一度」という感情を呼び起こす象徴的な存在。
レトロカルチャーと共に“昭和の甘味”が再び脚光を浴びる中、メーカーが限定復刻やコラボ展開を行う可能性は十分にあります。消費者の熱意が高まれば、企業が動くことも珍しくありません。
『梅ミンツ』が売ってない？販売終了の背景と今後の再販情報まとめ
以上のように、オリオンの『梅ミンツ』は公式に廃盤が確認されており、現時点では再販予定がない状況です。ただし、無印良品などで別形態の商品が登場しており、「あの味」を懐かしむ動きは続いています。
昭和の駄菓子として半世紀近く愛された梅ミンツ。販売終了という区切りを迎えた今も、その記憶と味わいは多くの人の心に残っています。
そして、レトロ菓子の人気再燃とともに、いつか再び店頭でその小さなピンクのケースに出会える日が来るかもしれません。
