「ビットコインETFって、どこで買えるの?」
仮想通貨への関心が高まる中、こう疑問を持つ人が急増しています。
この記事では、ビットコインETFの基本から、日本での購入可否、今できる代替手段、そして将来の見通しまでをわかりやすく解説します。
ビットコインETFとは?仕組みをやさしく解説
まず、ビットコインETFの「ETF」とは「上場投資信託」のこと。
株や金のETFと同じく、証券取引所で売買できる投資信託の一種です。
ビットコインETFは、ビットコインの価格に連動して動くよう設計されており、仮想通貨を直接保有せずに投資できるのが最大の特徴です。
投資家がETFを選ぶ理由は明確です。
ウォレット管理や秘密鍵の紛失リスクを避けられ、セキュリティや税務面の負担も少ない。
つまり、仮想通貨の世界に“株式投資のような安心感”でアクセスできるわけです。
現状:日本ではビットコインETFを「買えない」
結論から言うと、2025年現在、日本国内の証券会社ではビットコインETFを購入できません。
その背景には、法制度上の制約があります。
日本では「投資信託法」により、ETFの対象資産として暗号資産(仮想通貨)は認められていません。
つまり、現行のルールでは、ビットコインを組み込んだETFを国内で運用・販売することができないのです。
たとえば米国では、2024年1月に「現物ビットコインETF」が承認され、iShares Bitcoin Trust(IBIT)やFidelity Wise Origin Bitcoin Fund(FBTC)、ARK 21Shares Bitcoin ETF(ARKB)など大手が参入しました。
一方で日本では、金融庁の認可がないため、国内証券会社の口座からは購入不可。
楽天証券、SBI証券、松井証券、マネックス証券など、いずれも取り扱っていません。
海外では買える?米国上場ETFの動き
米国では、以下のような有名なビットコインETFが上場しています。
- iShares Bitcoin Trust(IBIT):ブラックロック運用
- Fidelity Wise Origin Bitcoin Fund(FBTC):フィデリティ運用
- ARK 21Shares Bitcoin ETF(ARKB):ARKインベスト運用
これらはすべて、米国証券取引委員会(SEC)の承認を受けた「現物型ビットコインETF」で、NASDAQなどに上場中。
個人投資家も株式と同じように取引でき、2024年の承認直後から莫大な資金が流入しました。
ただし、日本からこれらを購入するには、海外の証券会社で口座を開設する必要があります。
日本国内の証券口座(SBI、楽天など)では直接取り扱いがありません。
また、海外口座の開設には英語書類、送金、税務申告などのハードルがあり、初心者には難易度が高いのが実情です。
今できる代替手段:日本でビットコインに投資する方法
「じゃあ、今は何もできないの?」
そんなことはありません。ビットコインETFが日本で未上場でも、ビットコインへの投資自体は可能です。
1. 仮想通貨取引所でビットコインを購入
日本では金融庁が認可した取引所を通じて、誰でもビットコインを購入できます。
代表的な取引所は以下の通りです。
これらの取引所では、口座開設 → 日本円入金 → ビットコイン購入、という流れで簡単に始められます。
購入したビットコインは取引所内で保管できますが、安全のため自分のウォレットに移すのが一般的です。
2. 暗号資産CFDやETNなどの金融商品を利用
ETFではないものの、CFD(差金決済取引) や ETN(上場投資証券) を通じてビットコインに間接的に投資する方法もあります。
これらは実際のビットコインを保有しないため、税制やリスクが異なりますが、値動きへの投資という点ではETFに近い手法です。
たとえばIG証券やサクソバンク証券では、ビットコイン価格連動のCFD取引を提供しています。
ただし、レバレッジ取引であるためリスクは高く、初心者には注意が必要です。
日本でビットコインETFが承認されない理由
なぜ日本はこれほど遅れているのか。
主な理由は3つあります。
- 投資信託法の制約
ETFの対象資産に「暗号資産」が含まれていないため、法律上組み入れられない。 - 金融庁の慎重姿勢
ボラティリティ(価格変動)の大きさや投資家保護の観点から、規制緩和に慎重。 - 税制・監査体制の未整備
暗号資産の評価や会計処理のルールが複雑で、金融商品化が難しい。
この3つの壁があるため、たとえ海外で承認されても、国内ではすぐに同様の商品を提供できないのが現状です。
日本でも導入の動きが進む?今後の展望
ただし、完全に閉ざされたわけではありません。
2024年以降、日本でも「ビットコインETF解禁」に向けた議論が動き始めています。
たとえば、三井住友トラスト・ホールディングスが2024年秋に、暗号資産ETFの組成を検討していることを公表。
これは国内初の本格的な提案として注目されました。
また、金融庁も2025年度以降の法改正で「暗号資産を投資信託の対象に追加する」方向を模索していると報じられています。
海外勢の動きも後押しになっています。
アメリカだけでなく、カナダ・香港・ブラジルなども相次いで現物ビットコインETFを承認。
この流れが日本に波及するのは時間の問題と見る専門家も少なくありません。
早ければ2026〜2027年ごろに日本初のビットコインETFが登場する可能性もあると予測されています。
投資前に知っておきたいリスクと注意点
ビットコインETFが承認されたとしても、投資である以上、リスクはゼロではありません。
特に注意したいのは次の3点です。
- 価格変動リスク
ビットコイン価格は非常に不安定で、短期間で30%以上変動することもあります。 - 為替・流動性リスク
海外ETFを利用する場合、為替レートの変動が損益に影響する可能性があります。 - 税金の扱い
仮想通貨の利益は「雑所得」として総合課税されますが、ETFとして承認された場合は「譲渡所得」扱いになる可能性もあり、税制が変わるかもしれません。
これらの点を理解したうえで、過度なレバレッジや短期投機を避けることが大切です。
将来に備えて今できること
ビットコインETFがまだ買えない今、できる準備は2つあります。
- 国内の仮想通貨取引所で少額から始める
実際にビットコインを少し保有してみることで、値動きや取引の感覚をつかむことができます。 - 制度改正の動向をチェックする
金融庁や大手証券会社、信託銀行のニュースリリースを定期的に確認しておくと、解禁時にスムーズに対応できます。
まとめ:ビットコインETFはどこで買える?
現時点では、日本国内の証券会社でビットコインETFを買うことはできません。
しかし、アメリカを中心に世界では現物型ETFが次々に登場し、日本でも制度改正の機運が高まっています。
今すぐ投資を始めたい人は、Coincheck(コインチェック)やbitFlyer(ビットフライヤー)などの国内の仮想通貨取引所を利用するのが現実的。
将来、ETFが承認された際にスムーズに投資できるよう、今のうちに基礎知識と環境を整えておくことが重要です。
ビットコインETFが日本で解禁される日――その時、どこの証券会社で、どんな手順で買えるのか。
その瞬間を迎える準備を、今から始めておきましょう。
