暗号資産の世界では、価格の安定を重視した「ステーブルコイン」が注目を集めています。その中でも話題なのが、リップル社が発行する**RLUSD(Ripple USD)**。
「ドルと1対1で連動する」という安定性と、リップルの技術基盤を活かした信頼性の高さで、利用を検討する人が増えています。
この記事では、RLUSDの特徴から、どこで買えるのか、実際の購入手順、そして注意点までをわかりやすく解説します。
RLUSDとは?リップルが発行するドル連動型ステーブルコイン
まずは、RLUSDがどんな通貨なのかを整理しておきましょう。
RLUSDは、リップル社が発行する米ドル連動型ステーブルコインで、「1RLUSD=1USD」を基本とした価値を維持するよう設計されています。裏付け資産として米ドル預金や短期米国債、その他の現金同等物が保有されており、発行量に応じた準備金が確保されています。
この仕組みにより、RLUSDは暗号資産のように大きな値動きがなく、ドルの価値をブロックチェーン上でそのまま扱えるのが特徴です。
さらに、リップルの基盤技術である**XRP Ledger**に加え、Ethereum上でも発行されており、他の暗号資産やサービスとの互換性が高い点も注目されています。
リップル社はRLUSDを「次世代のデジタルドル」と位置づけ、個人投資家だけでなく、金融機関や企業間決済などのビジネス用途での活用も想定しています。
RLUSDが買える場所:対応している取引所一覧
RLUSDは2024年末に発行が始まり、2025年には世界中の複数の取引所で取り扱いが拡大しています。以下では、代表的な対応取引所を紹介します。
Kraken(クラーケン)
アメリカを拠点とする大手暗号資産取引所。
RLUSDを正式にサポートしており、銀行振込(ACH・ワイヤー送金)、クレジットカード、Apple Payなどさまざまな支払い方法に対応しています。
最低購入額も低く、暗号資産初心者でも始めやすいのが特徴です。
Phemex(フィーメックス)
シンガポール拠点のグローバル取引所。
クレジットカードや銀行振込、P2P取引、サードパーティ決済など、幅広い手段でRLUSDを購入できます。
現物取引だけでなく、他の暗号資産(BTC・ETH・USDTなど)との交換でも入手可能です。
MoonPay(ムーンペイ)
暗号資産の購入をサポートする決済プラットフォーム。
アカウントを作成し、クレジットカードやデビットカードで簡単にRLUSDを購入できます。
ウォレットを接続すれば、直接RLUSDを受け取ることも可能です。
Uphold(アップホールド)
ステーブルコインの取り扱いが豊富な取引所で、RLUSDもラインナップに含まれています。
アプリから即時に取引が可能で、初心者でもわかりやすいインターフェースが魅力です。
このほか、BullishやBiconomyなどでも取扱いが確認されていますが、取引所によっては日本からのアクセスや登録が制限されている場合があります。
日本からRLUSDを購入するには
現時点(2025年12月)では、日本国内の暗号資産取引所でRLUSDを直接購入することはできません。
ただし、SBIグループの「SBI VCトレード」が今後RLUSDを取り扱う可能性があると報じられており、日本市場でも導入の動きが進んでいます。
日本からRLUSDを購入したい場合は、以下のようなステップを踏むのが一般的です。
- 海外取引所の口座を開設する
例:Kraken、Phemex、Upholdなど。
メール登録、本人確認(KYC)、居住国の申告を行い、アカウントを有効化します。 - 日本円を入金またはUSDT・USDCを用意する
銀行振込やクレジットカード入金のほか、日本国内の取引所で購入したUSDTを送金してRLUSDに交換する方法もあります。 - RLUSDを購入する
取引画面でRLUSDを選択し、購入額を指定。
他の暗号資産とのトレード(例:USDT → RLUSD)も可能です。 - ウォレットに送金して保管する
RLUSDはEthereumまたはXRP Ledger上のトークンとして動作するため、対応ウォレット(MetaMaskやXUMMなど)で管理できます。
このように海外取引所を利用すれば日本からでも購入は可能ですが、手数料やKYC審査、送金リスクなどを十分理解したうえで進めることが大切です。
RLUSDの価格と市場動向
RLUSDは「1ドル=1RLUSD」を目指して設計されているため、大きな価格変動はありません。
2025年12月時点でも、ほぼ1.00ドル前後を維持しています。
一方で市場規模は急拡大しており、ローンチから1年未満で時価総額10億ドルを突破しました。
これは、ステーブルコイン市場で圧倒的シェアを持つUSDCやUSDTに次ぐ成長スピードです。
背景には、リップル社が長年培ってきた国際送金ネットワークと、金融機関との強固な関係があります。
特に法人決済やクロスボーダー取引の分野でRLUSDが採用されつつあり、ビジネス用途の需要が急増しています。
また、アブダビの金融当局(ADGM)が2025年11月にRLUSDを「法定通貨参照トークン」として認定したことで、国際的な信頼性がさらに高まりました。
これにより、ステーブルコイン市場の新たな主力候補として注目されています。
RLUSDを利用するメリット
RLUSDが人気を集めている理由はいくつかあります。
- 価格が安定している:ドルと1対1で連動しているため、他の暗号資産のような急変動がない。
- 送金スピードが速い:リップルのXRP Ledgerネットワークを活用しており、国際送金が即時完了。
- 手数料が安い:従来の銀行送金よりも低コストで資金を移動できる。
- 企業利用にも対応:透明性や監査体制が整備されており、規制当局の認可を受けている。
これらの特徴から、個人の投資・運用目的だけでなく、企業の送金や海外決済にも適しています。
RLUSDを購入・保有する際の注意点
一方で、RLUSDを扱う際にはいくつか注意点もあります。
- 国内取引所ではまだ未対応
日本では公式に扱っている取引所がないため、購入には海外サービスを利用する必要があります。
その際は、本人確認や税務上の申告など、法令に従った管理が求められます。 - 送金時のチェーン選択に注意
RLUSDはEthereumとXRP Ledgerの両方で流通しているため、送金先ウォレットの対応チェーンを間違えると資産を失うリスクがあります。 - 発行元リスクもゼロではない
裏付け資産がドルで保有されているとはいえ、発行体の運営状況や規制の変化が影響する可能性があります。 - 為替リスク
RLUSD自体はドルと連動していますが、円換算すると為替変動の影響を受けます。
円高・円安により評価額が変動する点も考慮しておく必要があります。
これからの展望:なぜ今、RLUSDが注目されているのか
RLUSDの登場は、暗号資産市場における「安定性と実用性の両立」を象徴する動きです。
リップル社はこれまで国際送金ネットワークを軸に事業を展開してきましたが、その延長線上で登場したRLUSDは、金融インフラとブロックチェーンを結ぶ“橋”としての役割を担っています。
USDTやUSDCが個人投資家中心に広がったのに対し、RLUSDは金融機関や企業向けの導入を重視しており、より「実用的なステーブルコイン」としての地位を狙っています。
今後、日本国内の取引所でも取り扱いが始まれば、より身近な存在になるでしょう。
RLUSDはどこで買える?まとめとこれからの動き
RLUSDは、リップルが発行する信頼性の高いドル連動型ステーブルコインです。
現在はKraken、Phemex、MoonPay、Upholdなどの海外取引所で購入可能で、日本では導入準備が進行中です。
購入手順としては、海外取引所で口座開設→入金→RLUSD購入→ウォレット保管、という流れが基本。
送金先のチェーンや規制対応には注意しつつ、安全に管理することが大切です。
ステーブルコインの中でもRLUSDは、安定性・信頼性・実用性のバランスが取れた注目銘柄です。
今後の取扱拡大に向けて、今からその仕組みや購入方法を理解しておくことで、新しいデジタル通貨時代をスムーズに迎えられるでしょう。
