最近よく耳にする「SCHD(シュワブ米国配当株式ETF)」という言葉。米国の高配当ETFの中でも特に人気が高く、SNSや投資系YouTubeでも話題になっていますよね。
では、このSCHDは日本からどうやって買えるのか? 実際にどの証券会社で扱っているのか?
この記事では、その疑問をひとつずつ分かりやすく整理していきます。
SCHDとは?まずは特徴をおさらい
SCHDの正式名称は「Schwab U.S. Dividend Equity ETF(シュワブ米国配当株式ETF)」。
米国の大手金融会社チャールズ・シュワブが運用しており、**「ダウ・ジョーンズ米国配当100指数」**に連動するETFです。
この指数は、10年以上連続で増配している米国企業100銘柄で構成されており、まさに「安定した配当と成長の両立」を狙うETF。
構成銘柄にはコカ・コーラやペプシコ、マイクロソフトなどおなじみの優良企業が並びます。
人気の理由は以下の通りです。
- 年4回の分配金(配当)がある
- 高配当でありながら株価の成長性も期待できる
- 経費率が低く、長期保有に向く
つまり「インカムもキャピタルも狙える万能ETF」として、米国投資家の間では定番になっています。
日本ではSCHDを直接買えないの?
ここが最も多くの人がつまずくポイントです。
2025年現在、日本の主要ネット証券(SBI証券、楽天証券、マネックス証券など)では、SCHDをそのまま米国ETFとして購入することはできません。
SBI証券で「SCHD」と検索してもヒットしない、楽天証券でも取扱いなし。
その理由は、日本の金融庁に届出がされていない外国籍ETFだからです。
つまり、金融商品取引法上の手続きが整っておらず、国内では販売できないということですね。
では、「SCHDに投資できないのか?」というと、実はそうでもありません。
SCHDに“間接的に投資する方法”がある
近年、国内証券会社がSCHDを主要投資対象とする投資信託を次々と登場させています。
これにより、日本の投資家も「間接的にSCHDへ投資」できるようになりました。
代表的なのが次の2つです。
楽天・シュワブ・高配当株式・米国ファンド(通称:楽天SCHD)
楽天証券が2024年9月に発売した投資信託。
中身の運用先は米国ETFのSCHDそのもので、実質的にSCHDの値動きや分配金を再現しています。
購入は円建てでOK。為替口座を用意する必要もなく、NISA口座でも買えます。
信託報酬は年率約0.192%。
本家SCHDの経費率0.06%に比べると少し高いものの、為替管理や税務処理の手間を考えれば十分低コストです。
SBI・S・米国高配当株式ファンド(通称:SBI・SCHD)
SBI証券グループが2024年末にリリースしたファンド。
こちらも運用対象はSCHDで、同様に円建てで購入できます。
楽天・シュワブ・高配当株式・米国ファンドと同様、為替ヘッジはなし。
ただし、配当金が自動で再投資されるタイプもあり、分配金を受け取らず複利運用したい人には向いています。
楽天証券・SBI証券での購入方法
実際に購入する流れは、どちらの証券会社でもシンプルです。
楽天証券の場合
- 楽天証券にログイン
- 「投資信託」タブを開く
- 検索欄に「楽天・シュワブ・高配当株式・米国ファンド」または「楽天SCHD」と入力
- 口座区分(特定・NISAなど)を選び、金額を入力して購入
最低100円から買えるので、NISAのつみたて枠にもぴったりです。
SBI証券の場合
- SBI証券にログイン
- 投資信託検索で「SBI・S・米国高配当株式ファンド」または「SBI・SCHD」と入力
- ファンド詳細ページから「購入」ボタンをクリック
- 円建てで購入金額を指定
どちらもスマホアプリから購入可能で、初心者でも数分で完結します。
海外証券を使えば本家SCHDも購入可能
もし「どうしても本家ETFのSCHDを直接買いたい」という場合、海外証券を利用するという選択肢もあります。
例えば、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)やティーダメリトレードなどの米国ブローカーを通じれば、米ドル建てでSCHDをそのまま購入できます。
ただし、以下の点には注意が必要です。
- 英語での取引や税務対応が必要
- 為替送金や海外口座開設の手間がかかる
- 為替レート次第で円換算の資産価値が変動する
また、確定申告や外国税額控除なども自分で行う必要があります。
そのため、一般の個人投資家には国内証券を通じた投資信託ルートのほうが現実的といえるでしょう。
為替リスクと配当課税にも注意
SCHD関連ファンドはいずれも為替ヘッジなしで運用されています。
つまり、ドル高円安のときは評価額が上がりやすい一方、円高になると逆に下がることも。
為替レートの変動が収益に影響することは頭に入れておきましょう。
また、米国ETFを通じて得られる配当金には米国源泉徴収(10%)がかかります。
日本の課税口座の場合は国内課税(20.315%)もあるため、二重課税の形になりますが、確定申告時に「外国税額控除」を申請すれば一部を取り戻せます。
どの証券会社で買うのがおすすめ?
現在(2025年12月)時点で、確実にSCHD関連ファンドを扱っているのは「楽天証券」と「SBI証券」の2社。
どちらを選ぶかは次の基準で判断するとよいでしょう。
- 楽天ポイントで投資したい人 → 楽天証券
- Tポイント・Vポイントを活用したい人 → SBI証券
- つみたてNISAでコツコツ積みたい人 → どちらも可
どちらのファンドも仕組みはほぼ同じなので、使いやすい証券会社を選ぶのが正解です。
今後SCHDは国内で直接買えるようになる?
2024年以降の動きを見ると、米国ETFを国内で直接扱う証券会社が増えてきています。
ただし、SCHD自体は外国籍ETFのため、日本での正式な取り扱いには金融庁の承認が必要。
すぐに直接購入できるようになる可能性は高くありません。
しかし、楽天やSBIが投資信託という形で道を開いたように、今後も「間接的に投資できる商品」が増えていく流れは続くでしょう。
SCHDはどこで買える?まとめ
現時点でSCHDを日本で買う方法は、
- 楽天証券の「楽天・シュワブ・高配当株式・米国ファンド」
- SBI証券の「SBI・S・米国高配当株式ファンド」
この2つが現実的な選択肢です。
どちらも円建てで少額から投資でき、実質的にSCHDに連動した成果を得られます。
本家SCHDを米国証券で直接買うことも可能ですが、手間とリスクを考えると、まずは国内ルートから始めるのが安心。
安定した配当と米国企業の成長を享受できるこのETFに、あなたも一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。
