お盆の季節になると、スーパーやホームセンターの店頭にずらりと並ぶ「おがら」。けれど、いざ必要な時に探すと「どこで買えるの?」と迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。
ここでは、おがらの意味や使い方から、実際に購入できる場所、時期ごとの入手方法までをわかりやすくまとめます。
おがらとは?麻の茎から作られる伝統素材
おがらとは、麻の茎(茎の芯部分)を乾燥させたもの。細長く軽く、中が空洞になっているため燃えやすいのが特徴です。
古くから日本では「迎え火」や「送り火」に使われ、お盆の始まりと終わりに先祖の霊を迎え送るための炎として大切に扱われてきました。
燃やすと煙がまっすぐ立ちのぼることから、「まっすぐ天に帰る」「清らかな炎」とも言われ、宗教的な意味を超えて日本人の心に深く根づいています。
最近では、仏具やお盆用品としてだけでなく、インテリア素材や手作り工芸の材料としても注目されることがあります。
おがらはどこで買える?主な入手先を紹介
「おがら」は季節商品というイメージがありますが、実は年間を通して購入する方法もあります。以下では、時期や用途に合わせた購入場所を紹介します。
ホームセンター・スーパー
お盆前の7月〜8月になると、ホームセンターやスーパーの仏具コーナーにおがらが並びます。
たとえばカインズ、コーナン、DCM、コメリなどでは、迎え火・送り火用として10本入りや20本入りのパックが販売されています。
ただし、これらは期間限定での入荷が多く、9月以降は棚から消えることも。必要な時期を逃さないよう、7月初旬ごろから店頭をチェックしておくのがおすすめです。
仏具店・お盆用品専門店
仏壇店やお盆用品を扱う専門店では、季節を問わずおがらを販売していることがあります。
たとえば、「お盆飾りセット」「焙烙皿(ほうろく)とおがらのセット」として販売されていることも多く、他の祭具と一緒に揃えることができます。
地域密着の仏具店なら、「まこも」や「ほおずき」などのお盆飾りも同時に揃えられるので、初めて準備する人にも安心です。
花屋・仏花取扱店
意外と見落とされがちなのが、近所の花屋さん。
特にお盆前の時期は、仏花と一緒に「おがら」や「迎え火セット」を販売している場合があります。
スーパー併設の花売り場などでも取り扱われることがあるので、覗いてみる価値はあります。
通販サイト(Amazon・楽天・仏具通販)
近年はオンラインでおがらを購入する人も増えています。
Amazonや楽天市場では、「おがら 迎え火」「おがら 送り火」と検索すると、10本〜50本入りなどさまざまなサイズの商品が見つかります。
仏具専門のオンラインショップでは、長さを揃えた「お手軽カットタイプ」など、初心者でも使いやすい仕様が人気です。
通販なら時期に関係なく購入できるため、地方や離島に住んでいる人にも便利です。
麻素材・工芸材料店
おがらは麻の茎の芯部分、つまり「麻幹(おがら)」です。
そのため、麻製品を扱う専門店やクラフト素材店で、インテリアや工作用として販売されている場合もあります。
国産の麻を使ったおがらは、質感が柔らかく、燃やすときの香りも自然で人気があります。
ただし、工芸用は仏事用と異なり、燃焼目的で作られていない場合もあるため、用途に合わせて選びましょう。
価格の目安と選び方のコツ
おがらの価格は内容量によって異なりますが、10本入りで150〜200円、20本入りで200〜300円ほどが一般的な相場です。
「迎え火・送り火セット」など付属品が付く場合は、500円〜1,000円前後になることもあります。
選ぶ際のポイントは以下の通りです。
- 長さや太さをチェックする:焙烙皿や火皿のサイズに合わせる
- カット済みタイプを選ぶ:すぐに使える短めのものは初心者向け
- 保管性を重視:湿気に弱いため、ジップ付き袋などで保存できるものが便利
また、海外産の安価な商品もありますが、伝統行事に使う場合は国産麻使用のおがらを選ぶと安心です。
おがらを使うタイミングと扱い方
おがらがもっとも使われるのは、お盆(新盆・旧盆)の「迎え火」と「送り火」です。
- 迎え火:8月13日(地域によっては7月13日)
玄関先や庭でおがらを焙烙皿に置き、火を灯してご先祖さまをお迎えします。 - 送り火:8月16日(または15日)
お盆の終わりに、おがらの火でご先祖さまをお見送りします。
集合住宅などで火を焚けない場合は、「おがら型ローソク」や「LED迎え火ライト」といった代用品も登場しています。
火を扱うのが難しい環境でも、雰囲気を損なわずに行事を取り入れることができます。
いつ買うのがベスト?購入時期の目安
おがらはお盆の1〜2週間前から店頭に並び始め、8月中旬には品薄になります。
確実に入手したい場合は、7月初旬〜中旬のうちに購入しておくと安心です。
もしその時期を逃した場合は、通販での購入が頼りになります。
特に仏具通販サイトやAmazonでは、通年で取り扱いがあるため、季節を問わず入手可能です。
こんな時にも使える?おがらの意外な用途
実は、おがらは火を灯す以外にもさまざまな使い道があります。
- お正月の迎え火:年神様を迎える行事で使用する地域もある
- お焚き上げや神棚供養:感謝を込めて焚く際の着火材として
- 工作やクラフト素材:ナチュラルな質感でインテリア素材にも人気
古来から清浄の象徴とされてきた麻。その芯であるおがらは、日常の中でも「祈り」や「感謝」を形にする道具として生き続けています。
「おがら」はどこで買える?まとめとおすすめの入手方法
ここまで見てきたように、おがらは以下の場所で購入できます。
- ホームセンター・スーパー(7〜8月限定)
- 仏具店・お盆用品専門店(通年対応あり)
- 花屋(お盆前限定で取り扱い)
- 通販サイト(Amazon・楽天などで通年購入可)
- 麻素材・工芸素材店(インテリア・手作り用)
お盆や正月の行事で必要になるおがらは、実店舗よりも通販の方が安定して入手できます。
特に、時期を問わず準備しておきたい人や、近くに仏具店がない人はネット購入が便利です。
おがらは、ただの麻の茎ではなく、「ご先祖を迎え、感謝を伝える」ための大切な道具。
今年のお盆やお正月には、ぜひあたたかい気持ちでおがらを灯してみてください。
