冬になると、庭先や玄関に真っ赤な実をつけた「南天（なんてん）」を見かけることがありますよね。古くから「難を転ずる」として縁起が良い植物とされてきた南天ですが、いざ買おうと思うと「売っていない」「どこにも置いていない」と感じる方も多いのではないでしょうか。この記事では、南天がなぜ手に入りにくいのか、そして南天の実や苗木を購入できる場所を詳しく紹介していきます。
南天とは？冬に人気の「難を転ずる」縁起木
南天（Nandina domestica）はメギ科の常緑低木で、日本では古くから庭木として愛されてきました。特に冬場に赤く色づく実は、お正月の飾りや生け花にもよく使われ、冬の風物詩としてもおなじみです。
名前の由来は「難を転ずる（なんをてんずる）」の語呂合わせから。災難を避け、福を呼ぶ縁起木として、玄関先や鬼門の方角に植える風習もあります。白い花が初夏に咲き、秋から冬にかけて赤い実をたわわにつける姿は、見る人の心を温かくしてくれます。
南天が売ってない？その理由と季節の関係
「南天が売っていない」という声が多く聞かれるのは、主に季節のタイミングが関係しています。南天は1年を通して販売されているわけではなく、実付きの枝ものや苗木には流通のピークがあります。
- **実付き南天（切り枝）**は、11月～12月頃に出荷の最盛期を迎えます。お正月の花材として人気が集中するため、12月中旬以降には品切れになることも。
- 南天の苗木は、植え付けやすい春（3〜5月）や秋（9〜11月）が流通の中心。冬は寒さの影響で入荷が少なくなる傾向があります。
つまり、季節の波を少し外して探すと見つかりにくく、「どこにも売ってない」と感じるわけです。特に人気の「実付き苗」は数量限定で販売されることが多いため、秋頃からの早めのチェックがポイントです。
南天の実が買える場所
冬に赤い実を楽しみたい場合は、生花や園芸ルートで「南天の実」や「枝もの」を探すのがおすすめです。購入できる主な場所を紹介します。
1. 花屋・フラワーショップ
12月〜1月の時期、正月用の生け花コーナーに南天の枝が並ぶことがあります。特に個人経営の花屋では、注文や予約を受け付けているところも多いので、事前に問い合わせておくと安心です。花材としての南天は、短い枝から立派な株付きまで幅があります。
2. スーパーやホームセンターの花売り場
年末になると、スーパーやホームセンターの生花コーナーでも南天の枝が並ぶことがあります。松や千両、梅などとセットになった正月飾り用の花材として販売されることが多いです。
3. ネット通販（楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングなど）
「南天 実」「南天 枝もの」などで検索すると、通販サイトでも多くのショップが出品しています。切り枝や実付き苗、アレンジ用の花材など、形態もさまざま。配送時期を指定できるショップもあるため、年末の混雑を避けて早めに注文するのがコツです。
4. 直売所・道の駅
地方の道の駅や農産物直売所でも、地元の農家が育てた南天の枝を販売していることがあります。特に関西・九州地方では、南天を庭木として育てている家庭が多く、地元流通が盛んです。
南天の苗木を購入できる場所
「庭に南天を植えたい」「毎年実を楽しみたい」という方は、苗木を購入するのが一番です。南天の苗は寒さに強く、初心者でも育てやすい植物です。以下のような場所で購入できます。
1. 園芸店・ホームセンター
全国のホームセンター（コーナン、カインズ、ジョイフル本田など）では、春や秋に南天の苗が並びます。植え付け適期の時期に合わせて入荷するため、冬場は在庫が少ない場合もありますが、年明け以降に入荷する地域もあるため、店舗ごとに確認しましょう。
2. 通販サイト
通販は季節を問わず購入できるのが最大のメリットです。楽天市場やYahoo!ショッピングでは、実付き・実なし、白実南天などの珍しい品種まで揃っています。特に以下のようなキーワードで検索すると探しやすいです。
また、園芸専門の通販サイト（花ひろばオンライン、ガーデンストーリーなど）では、苗のサイズや育て方の詳細が丁寧に掲載されており、品質にも定評があります。
3. 地元の植木市・園芸イベント
春や秋に開催される植木市や園芸フェアでは、南天の苗木が手頃な価格で出品されることも。実際に葉の色づきや枝ぶりを確認できるため、好みの株を選びたい人におすすめです。
南天の種類と選び方のポイント
南天にはいくつかの種類があります。購入時にどの品種を選ぶかで、庭の印象も大きく変わります。
- 赤実南天：最も一般的で、冬に鮮やかな赤い実をつける定番品種。
- 白実南天：白い実をつける希少種。上品で静かな印象。
- オタフクナンテン：背丈が低く、葉が丸くて可愛らしい。紅葉が美しい観賞用タイプ。
- 実なし南天：実はつかないが、葉の形や色を楽しむ品種。
実付きの南天を育てたい場合は、「雄株と雌株」がある点にも注意が必要です。実を楽しみたいなら雌株を選び、近くに雄株があると結実しやすくなります。
南天の育て方と管理のコツ
せっかく購入するなら、毎年赤い実を楽しみたいですよね。南天は比較的丈夫ですが、育て方のポイントを押さえることで元気に育てられます。
- 日当たりと風通しの良い場所に植える
半日陰でも育ちますが、日照時間が長いほど実付きが良くなります。 - 水はけの良い土を選ぶ
湿気が苦手なので、鉢植えの場合は底に軽石を敷くなど工夫を。 - 肥料は春と秋に少量
与えすぎは枝葉ばかりが伸びて実付きが悪くなるので注意。 - 剪定は2〜3月が適期
古い枝を切ることで、春に新しい枝が伸び、翌年の実付きが良くなります。 - 鳥害対策も忘れずに
赤い実は鳥が好むため、ネットや防鳥テープで守ると長く楽しめます。
縁起物としての南天と飾り方
南天は「難を転ずる」という言葉遊びから、古くからお守りの木とされています。風水では「鬼門（北東）」や「裏鬼門（南西）」に植えると邪気を払うとされ、玄関先に置くと運気アップにもつながるといわれています。
また、南天の実はお正月飾りやおせち料理の飾りにもよく使われます。白い皿に赤い実が映えるため、料理や花飾りに彩りを添えるのにぴったりです。生け花に使う場合は、松や千両、万両などと組み合わせると華やかな印象になります。
南天の実や苗木を探すときのポイント
南天を探す際のコツをまとめると以下の通りです。
- 実付きの枝を買うなら12月初旬〜中旬が狙い目
- 苗木を買うなら秋または春がベストシーズン
- オンラインショップは在庫切れ前に早めの注文
- ホームセンター・園芸店では地域差があるため要問い合わせ
特に年末は人気が集中するため、早めの購入がおすすめです。ネットでは予約販売を行っているショップも多く、時期を逃さず入手できます。
南天の代わりになる縁起植物もチェック
もし南天が手に入らない場合は、代わりに千両や万両などの赤い実をつける植物もおすすめです。これらも正月飾りや縁起木として人気があり、ホームセンターでも比較的見つけやすいです。赤い実を飾ることで空間が華やぎ、冬の寂しさを和らげてくれます。
まとめ：南天が売ってないときは通販と時期をチェック！
「南天が売ってない」と感じるのは、多くの場合、季節と流通のタイミングが合っていないからです。実付きの枝を探すなら冬の初め、苗木を植えるなら春か秋。近くに見つからないときは、通販サイトを活用して探すのが一番確実です。
冬の赤い実は、見た目だけでなく「難を転ずる」という願いも込められています。縁起の良い南天を暮らしに取り入れて、明るい新年を迎えてみてはいかがでしょうか。
