特許出願や登録の手続きを行う際、「特許印紙」が必要になることがあります。でも、いざ準備しようとすると「どこで売ってるの?」「収入印紙とは違うの?」と迷う方も多いはず。今回は、特許印紙の販売場所や購入方法、注意点をわかりやすく解説します。
特許印紙とは?収入印紙との違いを確認しよう
まずは「特許印紙って何?」という基本から。
特許印紙とは、特許庁に手数料を納付するために使う専用の印紙のことです。特許出願、実用新案、意匠登録、商標登録など、知的財産関連の手続きにはこの特許印紙が必要です。
ここで注意したいのが「収入印紙との違い」。
収入印紙は、契約書や領収書などに貼って税金(印紙税)を納めるためのものですが、特許庁関連の手数料支払いでは収入印紙は使えません。もし誤って収入印紙を貼ってしまうと、手続きが無効になる可能性があります。
つまり、特許庁へ提出する書類には「特許印紙」を貼る必要があるということです。
特許印紙はどこで買える?
郵便局(集配郵便局)
最も一般的な購入先は全国の集配郵便局です。
ただし、すべての郵便局で取り扱っているわけではなく、**特許印紙を販売しているのは主に「集配業務を行っている大きな郵便局」**に限られます。
小さな町の簡易郵便局などでは扱っていないことが多いため、出向く前に電話で確認しておくのがおすすめです。
郵便局の窓口で「特許印紙をください」と伝えれば、職員の方が対応してくれます。棚に並んでいることはほとんどないので、声をかけるのが確実です。
特許庁1階の印紙売りさばき所
東京・霞が関にある特許庁本庁舎1階には「印紙売りさばき所」が設けられています。
ここでは特許印紙を常時販売しており、手続きを行う際にすぐ購入できる点が便利です。必要な額面も揃っているため、直接出願や登録手続きに訪れる方にとっては最も安心な購入場所といえます。
所在地:東京都千代田区霞が関3丁目4番3号(特許庁庁舎内)
営業時間は平日の日中(午前9時~午後5時頃)が目安です。
発明推進協会などの関連機関
もう一つの購入先として挙げられるのが、一般社団法人 発明推進協会などの関連団体です。
特許手続き支援を行っている団体の窓口では、特許印紙を販売している場合があります。特許庁や郵便局での購入が難しい方は、こうした機関に問い合わせてみるとよいでしょう。
特許印紙の額面と種類
特許印紙には複数の額面があり、手続き内容によって必要な金額が異なります。
代表的な額面は以下の通りです。
- 10円
- 100円
- 300円
- 500円
- 1,000円
- 3,000円
- 5,000円
- 10,000円
- 30,000円
- 50,000円
- 100,000円
手続きによっては、これらを組み合わせて必要額を揃えることになります。
例えば特許出願料や登録料の金額に合わせて、複数の額面を貼り合わせて納付するのが一般的です。郵便局によっては高額な額面を常備していない場合もあるので、必要な金額をあらかじめ計算し、在庫を確認してから購入するとスムーズです。
郵便局で購入する際の注意点
郵便局で特許印紙を買うときは、いくつか注意すべきポイントがあります。
- 取り扱いの有無を事前に確認すること
すべての郵便局で売っているわけではありません。特に地方の小規模局では在庫がないことが多いです。 - 営業時間に注意すること
窓口業務は平日のみの場合が多く、土日祝日は閉まっていることがあります。
また、昼休みを設けている局もあるため、訪問時間を確認しておきましょう。 - 金額の内訳を明確にしておくこと
例えば「1万円分ください」と伝えると、1万円の印紙が1枚で出てくるとは限りません。
必要な額面を具体的に指定すると間違いが防げます。 - 現金支払いが基本
特許印紙の購入には現金のみ対応している郵便局が多いため、キャッシュレス決済が使えない可能性があります。事前に用意しておくと安心です。
特許庁で購入するメリットと注意点
特許庁で購入する場合、必要な額面が揃っていることがほとんどで、確実に入手できるのがメリットです。
その場で出願や登録の手続きも行えるため、時間のロスが少なく効率的です。
ただし、東京・霞が関の特許庁まで行く必要があるため、地方在住者にとっては交通費や移動時間の負担が大きい点はデメリットといえます。
そのため、地方の方は郵便局での購入を選ぶケースが多くなっています。
オンライン購入はできる?
現時点で、特許印紙をオンラインで購入する方法はありません。
日本郵便や特許庁の公式サイトでも、ネット通販や郵送販売の案内は行われていません。
したがって、特許印紙は必ず対面での購入が必要になります。
一部の金券ショップや通販サイトで「特許印紙」を扱っている例も見られますが、これは正式な販売ルートではありません。特許庁への手続きで使用する場合は、公的に認められた販売所(郵便局・特許庁・発明推進協会など)で購入したものを使用するのが安全です。
よくある疑問:収入印紙や登記印紙で代用できる?
結論から言えば、代用はできません。
特許庁での手数料納付には、特許印紙のみが有効です。
収入印紙や登記印紙など、他の種類の印紙を貼っても手続きは受理されません。誤って他の印紙を購入してしまうと、手数料が支払われたことにならず、再提出が必要になる場合があります。
そのため、購入の際には「特許印紙であること」を必ず確認してください。
郵便局で購入する際も「収入印紙ではなく、特許印紙です」と明確に伝えると確実です。
特許印紙が必要な主な手続き
特許印紙は、特許庁へのさまざまな手続きで使用します。主なものは次の通りです。
- 特許出願
- 実用新案登録出願
- 意匠登録出願
- 商標登録出願
- 登録料の納付
- 延長登録申請 など
それぞれの手続きに必要な金額は特許庁の公式サイトに記載されています。
納付額を誤ると手続きが受理されない場合があるため、事前に確認しておくことが重要です。
特許印紙の保管と貼付のコツ
特許印紙は紙製で破れやすいため、購入後は折り曲げたり濡らしたりしないよう注意しましょう。
貼付する際は、書類の指定位置にきれいに貼り付け、消印(押印)を忘れないことが大切です。
印紙がはがれたり破損したりすると無効になることもあるため、慎重に扱いましょう。
特許印紙を確実に入手するためのポイント
- まず最寄りの集配郵便局に電話で確認する
- 必要な金額を計算し、額面の組み合わせを決めておく
- 現金を持って訪問する
- 収入印紙や登記印紙と混同しないよう注意する
この4点を押さえておけば、スムーズに購入できます。特に、手続き期限が迫っている場合は余裕をもって準備するのが安心です。
まとめ|特許印紙はどこで買える?確実に手に入れるなら郵便局か特許庁へ
特許印紙は、特許庁の手続き専用の印紙です。
購入できるのは「集配郵便局」「特許庁1階の印紙売りさばき所」「発明推進協会などの窓口」に限られます。
オンラインでは購入できないため、実際に窓口で現物を受け取る必要があります。
収入印紙とは用途も異なるため、混同しないよう注意してください。
事前に販売場所と在庫を確認しておけば、手続き当日に慌てることもありません。
特許印紙はどこで買えるのかをしっかり理解しておくことで、スムーズに特許手続きが進められます。これから出願や登録を予定している方は、早めの準備を心がけましょう。
