映画館って、どこで観ても同じ──そう思っていた私の常識を覆したのが「109シネマズプレミアム新宿」だった。
“プレミアム”と名のつく映画館はいくつかあるけれど、ここは別格。座席、音響、空間すべてが「映画を観る」という行為を新しい次元に引き上げてくれる。今回はその体験を余すことなくレビューしたい。
新宿の中心にある特別な映画館
場所は東急歌舞伎町タワーの9〜10階。
新宿駅東口から歩いて数分の立地で、アクセスは抜群だ。
館内に一歩入ると、一般的なシネコンとは明らかに違う“静けさと上質さ”が漂う。照明のトーン、スタッフの対応、香りまで落ち着いていて、まるでホテルのラウンジのような空気感。映画を観る前から特別な気分に浸れる。
この映画館のコンセプトは「日常から離れた上質な映画体験」。
8スクリーン・全752席と決して大規模ではないが、全席がプレミアム仕様という贅沢さが際立っている。
全席プレミアム!2種類の極上シート
この劇場の最大の特徴は、全席プレミアムシートであること。
どのスクリーンでも「快適さ」が保証されているのが他と違うポイントだ。
CLASS A:バランスの取れた上質シート
手動リクライニングとサイドテーブル付き。
クッション性が高く、背中から腰にかけて自然に支えてくれる。座面はしっかりしているが柔らかく、長時間座っても疲れない。
シート間隔が広く、隣の人との距離感もちょうどいい。前の人の頭が視界に入らず、スクリーンがすっきり見えるのも心地いい。
CLASS S:まるでビジネスクラスのような空間
一方で最上位のCLASS Sは、電動リクライニング付きで、さらに仕切りがある半個室のような作り。
シート幅もゆったりしていて、サイドテーブルには充電ポートも完備。座ってスイッチを押すと、静かにリクライニングが倒れていく。
「自分だけの映画空間」が完成する瞬間だ。まさに特等席。
音の世界に包まれる──坂本龍一監修のSAION-SR EDITION
座席と並んで感動したのが音響。
「SAION-SR EDITION」という特別なシステムが導入されており、なんと坂本龍一氏が監修している。
音が単に“鳴る”のではなく、スクリーンの奥から立体的に“流れてくる”ような感覚。
小さな音や環境音の質感まで繊細に再現され、映画の世界に完全に没入できる。
アクション映画なら迫力が倍増し、音楽映画ならまるでライブ会場にいるような臨場感。
音に包まれる体験という表現がぴったりだ。
「音で泣ける映画館」と言っても大げさではない。
映像フォーマットも充実、ScreenX体験がすごい
109シネマズプレミアム新宿には、通常スクリーンに加えてScreenXという特殊フォーマットもある。
これは正面だけでなく左右の壁面にも映像を投影し、視界全体を包み込む仕組み。
まるでスクリーンの中に入り込んだような没入感で、アクションやSF作品との相性が抜群だ。
中央席のCLASS Sで体験すると、映像と音響の一体感が圧倒的。
「映画を“観る”ではなく、“体験する”場所」だと強く感じた。
映画前から楽しめる!ラウンジとウェルカムコンセッション
プレミアム新宿が他と決定的に違うのは、映画を観る前の時間まで演出されていること。
チケットを見せると、上映1時間前から専用ラウンジが利用できる。
静かな照明のもと、ソファでくつろぎながらドリンクや軽食を楽しめるのが嬉しい。
さらに驚くのがウェルカムコンセッション。
ポップコーンやソフトドリンクがフリーで提供され、まるで空港ラウンジのような感覚。
ちょっとした高級ホテルのティータイムのようで、映画館に来たというよりも「特別な体験に招かれた」気分になる。
料金と価値のバランス
気になる料金は次の通り。
- CLASS A:4,500円(会員4,000円)
- CLASS S:6,500円(会員6,000円)
一般的な映画館の約2〜3倍の価格だが、体験内容を考えると決して高いとは感じない。
座席の快適さ、音響の圧倒的クオリティ、ラウンジサービス──これらすべてを含めた“映画体験のトータル価格”として納得できる。
一度ここで観てしまうと、普通の映画館では物足りなくなる。そんな感想が多いのも納得だ。
実際の利用者が語るリアルな感想
SNSや口コミを見ても、評価は軒並み高い。
「座席がふかふかで極楽」「音がクリアすぎて鳥肌」「もう他の映画館には戻れない」といった声が多数。
特にCLASS S利用者からは「映画に集中できる静けさ」「視界に人が入らない快感」といった意見が多く、リピーターになる人も多いようだ。
一方で「スクリーンサイズはやや小さめ」「価格が高め」といった指摘もあり、気軽に行ける場所ではないのも事実。
ただ、日常を離れて映画を“贅沢に味わいたい”ときには、この上ない場所だ。
誰と行くかで変わる楽しみ方
109シネマズプレミアム新宿は、ひとりでも、誰かとでも、それぞれ違う良さがある。
- ひとりで映画に没頭したい人
仕切り付きのシートで周囲が気にならない。心地よい静寂の中で、作品と向き合える。 - カップルで特別な時間を過ごしたい人
シートの間隔が広く、隣の会話も聞こえにくいので、ゆったりと過ごせる。
上映後にラウンジで余韻を語り合うのも素敵だ。 - 映画好きの友人と体験を共有したい人
音響や映像の違いを語り合うには最高の舞台。映画談義が盛り上がること間違いなし。
どんなシーンでも「ここを選んでよかった」と思える場所である。
今後のシネマ体験を変える存在
これまでの映画館は、どちらかといえば“安く・気軽に”が主流だった。
だが109シネマズプレミアム新宿は、映画を“体験価値”として再定義している。
鑑賞環境のクオリティを上げることで、作品そのものの魅力を最大限に引き出しているのだ。
ここで観た映画は、単なる作品ではなく「記憶に残る時間」になる。
シートに体を預け、音に包まれながら、気づけば現実を忘れている。
そんな瞬間を味わえる場所は、まだ日本でも数えるほどしかない。
109シネマズプレミアム新宿レビューのまとめ
改めて言おう。
「109シネマズプレミアム新宿」は、映画を“観る場所”ではなく、“体験する空間”だ。
・全席プレミアムシートの快適さ
・坂本龍一監修の立体音響
・ラウンジとウェルカムサービスの特別感
これらすべてが組み合わさり、映画というエンターテインメントを最高の形で味わえる。
価格は確かに高い。でも、映画を愛する人なら一度は訪れる価値がある。
最後に一言。
もしあなたが「映画をもっと深く味わいたい」と思うなら、ぜひ体験してほしい。
きっと、“映画を観る”という行為の意味が変わるはずだ。
