POCO F7は、2025年のスマートフォン市場で注目を集めているコスパ重視の1台だ。
Snapdragon 8s Gen 4を搭載しながら価格は5万円台という、まさに「ミドルハイレンジの破壊者」とも言える存在。
この記事では、実際に使って感じた操作感やカメラ、ディスプレイ、バッテリーなどを正直にレビューしていく。
POCO F7とは?高コスパ路線の最新モデル
POCO F7は、Xiaomiのサブブランド「POCO」が手がける最新モデル。
“価格以上の性能”をモットーにしたブランドらしく、今回も例外ではない。
搭載チップはSnapdragon 8s Gen 4。
ハイエンドモデルに迫るパフォーマンスを誇りながら、価格は約5万円台前半。
メモリ12GB、ストレージ256GB、そして大容量の6500mAhバッテリーを備え、充電も90Wの急速対応だ。
この価格帯でこの構成は、もはや反則に近い。
実際に使ってみても、日常用途からゲームまでほとんど不満を感じない。
ディスプレイの美しさと操作感の良さ
6.83インチのAMOLEDディスプレイは、解像度1.5K(2772×1280)で120Hzリフレッシュレート対応。
この価格帯でHDR10やDolby Visionまでサポートしている点は驚きだ。
発色は非常に鮮やかで、ピーク輝度も高いため屋外でも視認性が良い。
SNSや動画視聴では明るくコントラストの強い表示が印象的で、NetflixやYouTubeのHDR動画も高精細に楽しめる。
スクロールもヌルヌルと滑らか。リフレッシュレートの高さが、操作全体を軽快に感じさせてくれる。
一方で、6.8インチというサイズゆえに本体重量は約200gとやや重め。
片手操作には少し慣れが必要だが、大画面の没入感を重視する人にとってはむしろ魅力になる。
Snapdragon 8s Gen 4の実力と体感パフォーマンス
POCO F7の心臓部となるのがSnapdragon 8s Gen 4。
実際の使用感として、日常的な動作は非常にスムーズで、アプリの切り替えやマルチタスクでも引っかかりは感じない。
原神やゼンレスゾーンゼロといった3Dゲームも高画質設定でプレイ可能。
長時間プレイすると多少の発熱はあるが、パフォーマンスが極端に落ち込むことはない。
Antutuベンチマークのスコアは約200万前後。
これは、ミドルレンジどころか一部のハイエンド機にも肩を並べるレベルだ。
体感としては「動作が軽く、安定している」という印象。
動画編集や高負荷なSNSアプリの使用でもストレスを感じない。
カメラ性能は“価格なり”だが、使い勝手は良好
POCO F7のカメラは、メインが約5000万画素のSony IMX882(OIS対応)。
日中の明るい環境ではシャープで色味も自然。SNS投稿には十分すぎる画質だ。
ただし、夜間撮影ではややノイズが出やすく、ダイナミックレンジの狭さも感じる。
暗所での再現性や超広角カメラの画質は、やはり上位機種に比べて劣る。
ズームやポートレート撮影の演算も悪くないが、細部を拡大すると粗さが目立つ場面もある。
とはいえ、スマホカメラに「作品レベル」を求めない限り、普段使いにはまったく問題ない。
特に被写体の色味が派手すぎず、自然なトーンで写る点は好印象だ。
バッテリー持ちは非常に優秀。90W充電が便利すぎる
POCO F7のバッテリーは6500mAhという大容量。
1日使っても残量に余裕があり、ライトユーザーなら2日間持つことも珍しくない。
そして特筆すべきは90Wの急速充電。
約40分でフル充電でき、朝の支度中に満タンになるスピード感が頼もしい。
ゲームや動画視聴など、バッテリーを多く消費する場面でも電池切れの不安は少ない。
このクラスのスマホとしてはトップレベルの電池持ちだ。
デザインと質感 ― “安っぽくないPOCO”
POCOと聞くと、カジュアルで若者向けの印象を持つ人も多いが、F7は落ち着いた高級感がある。
背面はガラスパネル仕上げで、光の反射が美しい。金属フレームも剛性感があり、全体的にしっかりした作りだ。
指紋が付きやすいという声もあるが、質感は価格以上。
特にブラックとシルバーのカラーは、上品でビジネスシーンでも違和感がない。
ただし、防水・防塵性能は日常生活防水レベル。
そしてFeliCa(おサイフケータイ)には非対応なので、電子マネー決済をよく使う人は注意したい。
ソフトウェア体験:HyperOS 2のクセと魅力
POCO F7には、Xiaomi独自の「HyperOS 2」が搭載されている。
Androidベースながら、独自のデザインや設定項目が多く、カスタマイズ性は高い。
テーマ変更やアニメーション設定など、自分好みに仕上げられるのが楽しい。
一方で、初期状態ではプリインストールアプリがやや多く、シンプル派の人は整理が必要だ。
通知や権限管理も細かく設定でき、使いこなすほど便利に感じるUI。
特にゲームターボ機能は、ゲーム中の通知ブロックや温度管理を自動で行ってくれるなど実用的だ。
音質・通信・その他のポイント
スピーカーはステレオ仕様で、音の広がりがしっかりしている。
動画視聴やゲームプレイ時の臨場感も十分。
Bluetoothの接続安定性も良好で、LDAC対応イヤホンなどを使えば高音質再生が楽しめる。
5G・Wi-Fi 6Eにも対応し、通信速度や安定性の面でも問題なし。
また、指紋センサーは画面内蔵タイプで反応が速く、顔認証との併用も可能だ。
このあたりの使い勝手は非常に洗練されている。
実際に使って感じた魅力と注意点
POCO F7を数週間使ってみて感じたのは、「総合力の高さ」。
特定の機能だけが突出しているわけではなく、全体が非常にバランス良くまとまっている。
とくに印象的だったのは以下のポイント。
- 動作が圧倒的に快適
- バッテリーが長持ち
- ディスプレイが美しい
- 充電がとにかく速い
一方で、弱点もある。
- カメラ性能は平均的
- 本体サイズが大きく重い
- おサイフケータイ非対応
- プリインアプリが多い
それでも、この価格でここまで仕上げてきた点は評価せざるを得ない。
日常用途からゲームまで幅広く使える万能型スマホだ。
POCO F7レビューの総評|カメラ・性能・価格のバランスが光る
POCO F7は、「価格」「性能」「使いやすさ」のバランスが取れた一台だ。
Snapdragon 8s Gen 4による快適な操作、明るく滑らかなディスプレイ、そして6500mAhの大容量バッテリー。
どれを取っても実用性が高く、まさに“価格以上”の体験ができる。
カメラだけは上位モデルに及ばないものの、それを補って余りあるパフォーマンスがある。
日常的な撮影やSNS投稿中心なら十分満足できるレベルだ。
ミドルレンジ価格でハイエンドに迫る性能を求める人にとって、POCO F7は間違いなく有力な選択肢。
「できるだけコスパの良いスマホを探している」「ゲームも快適に動かしたい」「電池持ちがいい機種がいい」
――そんな人には、今もっともおすすめできる1台だ。
