音楽好きの間で根強い人気を誇るオーディオテクニカの「ATH-CKS770X」。
発売から年月が経った今でも、検索すると「重低音がすごい」「音質がいい」というレビューが多く見つかります。
けれど実際のところ、その評判は本当なのか？ 本記事では、ユーザーの口コミや実機の特長をもとに、ATH-CKS770Xの実力を徹底的に掘り下げていきます。
ATH-CKS770Xとは？オーディオテクニカの定番SOLID BASSシリーズ
ATH-CKS770Xは、オーディオテクニカの人気シリーズ「SOLID BASS（ソリッドベース）」に属する有線カナル型イヤホン。
“SOLID BASS”の名の通り、迫力のある低音を特徴としたサウンドが持ち味です。
搭載されているのは、φ11mm SOLID BASS HDドライバー。
従来モデルから改良され、低音域の厚みを維持しながらも中高域の解像度を高めています。
さらに切削無垢アルミニウムのハウジングによって不要な共振を抑制し、重低音が濁らずクリアに響くよう設計されています。
スペックは以下の通り。
- ドライバー径：11mm
- 再生周波数帯域：5～42,000Hz
- 出力音圧レベル：105dB/mW
- インピーダンス：13Ω
- 最大入力：100mW
- ハイレゾ音源対応
価格はおよそ7,000～1万円前後。
ハイレゾ対応ながらも比較的手頃な価格で購入できる点が、多くのリスナーから支持を集めています。
重低音の迫力とキレが魅力：低音域の実力
ATH-CKS770Xの真骨頂は、やはり「低音」です。
11mmの大型ドライバーが生み出す重低音は、量感だけでなく深さと締まりを両立しています。
多くのレビューで「ズンズン響くのにこもらない」「ベースラインが立体的に聴こえる」と高評価。
EDMやヒップホップ、ロックなど低域が中心の音楽ジャンルでは特に相性が良く、ドラムのアタック感やベースのうねりがしっかり感じられます。
ただし、単に“低音が強い”だけではなく、音の層がしっかり分かれて聴こえるバランス感もポイント。
ボリュームを上げても他の帯域を圧迫しにくく、長時間のリスニングでも疲れにくいという声も多いです。
高音・中音の表現力：低音機だけじゃない万能型サウンド
低音に注目されがちなATH-CKS770Xですが、実際には中高域も十分に練られています。
アルミハウジングの恩恵で音の抜けが良く、ボーカルがクリアに浮かび上がる印象。
特に女性ボーカルやアコースティック系の音源では、繊細なニュアンスまでしっかり再現してくれます。
高音域はやや抑え気味ながらも伸びがあり、耳に刺さるような刺激は控えめ。
レビューでも「高音がきつくない」「バランスが取れていて聴きやすい」との意見が多く見られます。
一方で、「高音の透明感をもっと欲しい」と感じる人も一定数おり、解像度重視派には少し物足りなさを覚えるかもしれません。
とはいえ、全体的には中域の厚みと高域の抜けが自然にまとまっており、**“低音重視ながらもフラット寄りの万能機”**という表現がぴったりでしょう。
解像感と音場：ハイレゾ対応の恩恵を実感
ATH-CKS770Xはハイレゾ音源にも対応しており、情報量の多い音源でもしっかり描写できるのが強みです。
音場は比較的広く、特にライブ音源ではステージの奥行きを感じられるような立体的な鳴り方をします。
解像度に関しても「この価格でこのクオリティは驚き」とのレビューが多く、
1万円以下の価格帯ではトップクラスの表現力を持つといえるでしょう。
細かな楽器の定位やボーカルのブレス音など、ハイレゾ音源を再生すればそのポテンシャルを実感できます。
一方で、圧縮音源では音の厚みがやや過剰に感じられる場合もあるため、ソースによってはEQでの調整が効果的です。
装着感と使い心地：密着するフィット感と軽快な使い勝手
ATH-CKS770Xはカナル型イヤホンらしく、耳にしっかりフィットする形状です。
イヤーピースはXSからLまで4サイズが付属しており、自分の耳に合わせて最適な装着感を得られます。
レビューでは「密着して低音が逃げない」「長時間でも疲れにくい」という声が多く、遮音性もまずまず良好。
屋外での使用でも音漏れが少なく、通勤・通学用としても人気があります。
一方、ケーブルが耳や服に触れると“タッチノイズ”が出る点はデメリット。
ケーブルクリップを使うか、静かな環境では注意して使うのがおすすめです。
ケーブルは一般的なY字タイプで、取り回しは良好。
リモコンやマイクは非搭載ですが、その分シンプルで音質重視の構造になっています。
コスパ評価：1万円以下クラスでトップ級の完成度
ATH-CKS770Xが支持される理由の一つが、圧倒的なコストパフォーマンスです。
7,000円前後という価格帯ながら、アルミ筐体、ハイレゾ対応、SOLID BASSドライバーといった本格的な仕様を備えています。
口コミでは
「この価格でここまで鳴るのはすごい」
「安物っぽさがまったくない」
といった高評価が多く、初めてのハイレゾ対応イヤホンとして選ぶ人も少なくありません。
また、近年はワイヤレスイヤホンが主流ですが、有線ならではの音のダイレクト感や安定性を求める層にも人気があります。
電池切れを気にせず、いつでも最高の音で聴けるという点も有線派には大きな魅力です。
向いている人・おすすめの使い方
ATH-CKS770Xは、以下のような人に特におすすめです。
- 低音の迫力をしっかり楽しみたい
- ハイレゾ音源で細かい音まで聴き取りたい
- コスパの良い高音質イヤホンを探している
- シンプルで長く使える有線モデルが欲しい
逆に、完全ワイヤレスやリモコン機能を重視する人にはやや不向き。
また、音の抜けよりも繊細さ・軽快さを求める人には他モデルの方が合う場合もあります。
ATH-CKS770Xの評判は本当？結論
結論から言えば、ATH-CKS770Xの評判は本当です。
「重低音が強い」「音がクリア」「価格以上の音質」といった口コミの多くは、実際に聴いても納得できる内容。
特に低音のキレと深みは、この価格帯の中でも頭一つ抜けています。
もちろん完璧ではなく、ケーブルノイズや高域の伸びなど課題もあります。
しかし、それを差し引いても「音楽を楽しく聴かせる力」があるイヤホンです。
ハイレゾ音源を手軽に楽しみたい人、低音重視で音楽に没入したい人には、今でも十分おすすめできる一台。
長年愛されている理由がわかる、まさに“名機”と呼ぶにふさわしいモデルです。
ATH-CKS770Xは、派手さではなく“聴いていて心地よい音”を目指したイヤホン。
有線イヤホンの良さを改めて感じさせてくれる存在です。
これからイヤホンを選ぶなら、ぜひ一度その音を体感してみてください。
