Appleが2025年に発表した「MacBook Pro M5」。前世代のM4モデルから着実に進化を遂げ、AI処理能力やグラフィック性能が大幅にアップしたと話題になっています。しかし、その性能を十分に理解せずに購入すると「思っていたのと違う」と感じる人も少なくありません。この記事では、実際の使用感や性能、そして購入前に知っておきたい注意点を、リアルなレビューを交えてわかりやすく紹介します。
M5チップの進化と性能の実際
今回のMacBook Proに搭載されたM5チップは、Apple独自開発の次世代SoC。CPUは10コア、GPUも10コア構成で、AI処理専用のNeural Engineもさらに強化されています。公式発表では、M1チップ比で最大7倍近いAI処理性能を発揮するとのこと。これは単なる数字ではなく、実際の操作でも体感できるレベルです。
例えば、動画編集や画像生成AIの利用、または複数アプリを同時に動かすといったシーンでのレスポンスが格段に速くなっています。ブラウザのタブを10個以上開きつつ、Final Cut ProやPhotoshopを動かしてもストレスがほぼない。これまで「少し重い」と感じていた作業が、M5ではサクサク進みます。
CPU性能の向上幅はM4モデルと比べて10〜20％前後といわれていますが、AI処理やグラフィック性能の伸びが大きく、クリエイティブ用途には特に恩恵があります。ベンチマーク上ではGPU性能が約25％改善し、レンダリング速度も向上。動画編集者やデザイナーには魅力的なアップグレードです。
ディスプレイ・デザイン・質感の仕上がり
外観はM4モデルと大きな違いがないものの、Appleらしい高精度なアルミボディとLiquid Retina XDRディスプレイが健在です。このディスプレイは明るく、色域が広く、HDRコンテンツも美しく再現。写真や動画の色確認を行うクリエイターにとっては信頼できる表示品質です。
また、スピーカーの音質も非常に良く、低音から高音までバランスが取れています。ノートPCでこれほどの音を出せるのは、現時点ではMacBook Proだけといっても過言ではありません。映像制作や音楽鑑賞をする人にとっても満足度の高い一台です。
実際の使用感とバッテリーの持ち
バッテリーの持ちは公式値で約16時間。実際に動画編集やブラウジング、文書作成などを組み合わせた使用では、おおむね12〜14時間前後動作しました。これはノートPCの中でもトップクラスの持続力です。外出先で充電を気にせずに作業できるのは大きなメリット。
さらに、動作音が静かで熱も少ない点はApple Siliconらしさ。高負荷作業をしてもファンが静かに回る程度で、筐体が熱くなりすぎることはありません。カフェや図書館など静かな場所でも快適に使えます。
SSD・メモリ・処理速度の改善点
M5モデルではSSDの読み書き速度がM4モデル比で約2倍に向上しています。Apple公式では公称値を控えめに発表していますが、実測では6,000MB/sを超える例もあり、体感でもアプリ起動やファイル転送が明らかに速い。動画素材を扱う人や、大容量データを頻繁に移動させるユーザーにとっては大きな利点です。
また、ユニファイドメモリは標準で16GB。これを32GBにカスタマイズすれば、AIモデルの推論処理や複数のプロジェクトを同時進行する際も快適です。M5のメモリ帯域幅は約153GB/sと広く、データ処理効率が高いため、数字以上の軽快さを感じられます。
M4から買い替える価値はあるのか？
ここは多くの人が悩むポイントでしょう。結論から言うと、「M4モデルで不満がある人」「AIや動画編集など負荷の高い作業を行う人」には、M5は十分に買い替えの価値があります。
ただし、M4 Pro以上のモデルをすでに使っている場合、CPU性能の伸びはそこまで大きくないため、劇的な体感差は感じにくいかもしれません。逆にGPUやAI処理を多用するユーザーにとっては、M5の恩恵は確実にあります。
また、M5は現時点でスタンダードモデルにあたるため、今後登場が予想される「M5 Pro」や「M5 Max」モデルを待つのも一つの選択肢です。より高い性能を求めるなら、来年以降の上位チップ搭載機を見据えるのも賢い判断でしょう。
購入時の注意点と選び方
MacBook Pro M5を購入する際に注意すべきなのは、ストレージとメモリの構成です。Apple製品はカスタマイズによって価格が一気に上がる傾向があります。たとえば512GB→1TBへのアップグレードで数万円の差が生じます。後から拡張できない仕様なので、使用目的に応じて慎重に選びましょう。
また、M5モデルは14インチのみの展開（2025年末時点）です。軽さや携帯性を求めるならMacBook Air M4を検討してもよいでしょう。一方で、映像編集やAI生成など、処理性能を重視する人はMacBook Pro M5が最適です。
さらに、初期ロット特有の小さな発熱特性やOSチューニングの問題が報告されることもあるため、安定性を求める人は発売直後よりも数カ月後の購入が安心です。
実際のユーザー評価まとめ
各メディアのレビューやユーザーの声を総合すると、MacBook Pro M5は次のような評価が多く見られます。
- 動作が静かで快適、処理が速い
- ディスプレイとスピーカーの品質が非常に高い
- バッテリー持ちが長く、持ち歩きに便利
- M4モデルからの乗り換えでは性能差は中程度
- 価格が高く、カスタム構成に注意が必要
全体的に満足度は高く、「完成度の高い万能ノート」という印象です。特に、AIやクリエイティブ用途に強いMacを探している人にはぴったり。M5は派手さよりも堅実な進化を遂げたモデルといえるでしょう。
MacBook Pro M5の性能レビューと購入前の注意点（まとめ）
最後に、MacBook Pro M5を検討している人に向けてポイントを整理します。
- M5チップはCPU・GPU・AI性能がバランス良く進化
- ディスプレイと音質の完成度が非常に高い
- SSDやメモリ処理が高速化し、作業効率が向上
- バッテリーの持ちが良く、外出作業にも強い
- M4モデルユーザーの買い替えは用途次第で判断
- 構成選択と価格差には要注意
総合的に見て、MacBook Pro M5は「静かに進化したハイエンドノート」。AI対応が進む今後のワークフローを考えると、長期的に安心して使える選択肢です。もしMシリーズ初導入を考えているなら、M5は間違いなくベストなタイミングといえるでしょう。
