ヤマハのNMAX155は、通勤からツーリングまで万能に使える人気のスクーターです。今回の記事では、実際の走行体験を交えながら「走行性能」と「使い勝手」を中心にレビューします。街乗り・長距離・燃費・収納性など、リアルな使用感を知りたい人に向けた内容です。
NMAX155の基本性能とエンジン特性
NMAX155は155ccの水冷単気筒エンジンを搭載。最大出力は約15PS、最大トルクは約14Nmと、125ccクラスよりも一段階上の余裕があります。ヤマハ独自の「BLUE CORE」技術を採用し、燃費とパワーの両立を実現。さらに「VVA（可変バルブ機構）」により、低速から高速までスムーズにトルクを引き出すことができます。
アクセルを開けた瞬間の反応は軽快で、信号スタートでもストレスなくスッと加速。街中の流れに乗るのはもちろん、二人乗りや坂道発進でもパワー不足を感じません。CVT特有のスムーズな変速感も心地よく、ヤマハらしい自然な加速フィールが印象的です。
街乗りで感じる扱いやすさ
NMAX155の魅力のひとつが、街乗りでの安定感です。車体重量は約127kgと少し重めですが、重心が低く設計されているため、低速でもフラつきにくく、取り回しがしやすいです。車体剛性も高く、段差や路面の荒れをしっかり吸収してくれます。
サスペンションはやや硬めの設定ですが、それが逆にシャキッとした乗り味を生み出しています。スポーティな感覚が好きな人にはこの「硬さ」が心地よいでしょう。ステアリング操作も素直で、狭い路地やUターンでも安定して曲がれます。
また、前後ディスクブレーキにABSを標準装備しており、雨の日や滑りやすい路面でも安心してブレーキング可能です。実際の走行では制動力がしっかりしていて、コントロールもしやすい印象でした。
高速道路での走行安定性
NMAX155のもうひとつの強みが、高速道路走行に対応していること。125ccクラスでは法的に高速道路を走れませんが、155ccという排気量のおかげでETCゲートを通過しての長距離移動も可能です。
実際に高速を走ってみると、時速80〜100kmの巡航も難なくこなせます。エンジンが唸るようなストレスも少なく、加速にも余裕があります。車体の安定性が高く、横風やトラックの風圧でもブレにくい。小排気量ながら、しっかりとした「安定したバイク感」を味わえるのが特徴です。
長時間走行してもハンドルや足元の振動が少なく、疲労感が抑えられています。防風性能も十分で、フロントカウルが体への風を適度にカットしてくれます。
使い勝手の良さと装備面
シート下収納と実用性
スクーターの命ともいえる収納性。NMAX155のシート下にはフルフェイスヘルメット1個が収まるほどのスペースがあります。日常的な買い物や通勤荷物なら十分。ただし、ヘルメットの形状によってはやや収まりにくいこともあるので、リアボックスを追加して使う人も多いです。
給油口はシート前方にあり、荷物を出さずに給油できる設計。これは毎日の使用で地味に助かるポイントです。
スマートキー・メーター機能
NMAX155はスマートキーを採用しており、キーをポケットに入れたままエンジン始動が可能。盗難防止機能も備わっています。メーターはデジタル表示で視認性が高く、燃費や走行距離、時計など必要な情報が一目で分かります。スマホ連携機能もあり、専用アプリと接続すれば走行履歴などをチェックすることも可能です。
燃費とコストパフォーマンス
実際の燃費は走行環境によって変わりますが、平均してリッター40km前後を記録する人が多いです。通勤などで毎日乗っても燃料代は抑えられ、燃費性能の高さは維持費の安さにつながっています。
タンク容量は約7.1Lと余裕があり、満タンで250km以上は走行可能。給油の頻度が少なく済むのは長距離通勤者にもうれしい点です。
価格は新車でおよそ46万円前後。ABSやスマートキーといった装備を考えると、コストパフォーマンスは非常に優れています。
乗り心地と快適性
NMAX155のシートはやや硬めの仕上がり。短距離では快適ですが、長時間乗ると腰が疲れやすいと感じる人もいます。その一方で、しっかりとしたホールド感があり、走行中に体がずれにくいのがメリット。長距離ツーリングをする場合は、ゲルシートやシートクッションを追加するのがおすすめです。
ポジションは自然で、ハンドルまでの距離もちょうど良く、背筋を伸ばした姿勢で走れます。足元のスペースも広く、体格が大きい人でも窮屈さを感じにくいです。サスペンションが硬めとはいえ、リアに荷重をかけると路面追従性が増し、安定感がアップします。
NMAX155とライバルモデルの比較
このクラスの代表的ライバルはホンダのPCX160です。両車を比較すると、PCXはより快適性と滑らかな走りに振ったモデル、NMAX155はスポーティでダイレクトな操作感を重視したモデルといえます。
街乗り中心ならPCXの柔らかいサスと静粛性が魅力ですが、走る楽しさを求めるならNMAX155のほうが応答性に優れています。また、ABSやスマートキーなどの装備面ではNMAX155が一歩リード。価格帯も近いため、どちらを選ぶかは走行シーンの好みによるでしょう。
実際に乗って感じたメリットと気になる点
メリット
- 加速が軽快で街乗りも快適
- 高速道路でも安定感があり、余裕をもって走れる
- ABSやスマートキーなど安全・便利装備が充実
- デザインがスタイリッシュで飽きがこない
- 燃費が良く維持費が安い
気になる点
- シートが硬く長時間は疲れやすい
- 収納スペースがもう少し広いと便利
- サスペンションがやや硬めで好みが分かれる
それでも、総合的な完成度は非常に高く、通勤からツーリングまでオールマイティに使える一台です。
NMAX155を選ぶべき人
- 毎日の通勤を快適にしたい人
- 高速道路を使う機会がある人
- コンパクトでも走行性能にこだわりたい人
- スポーティなデザインと操作感を求める人
逆に「ふんわり乗り心地重視」や「収納力を最優先する」タイプの人にはPCX160の方が合うかもしれません。
まとめ：NMAX155の走行性能と使い勝手は抜群のバランス
ヤマハ NMAX155は、走行性能・安定感・燃費・デザインのバランスが非常に高い完成度を誇るスクーターです。街中では軽快に、高速では安定して走れる。しかも装備が充実していて日常生活にぴったり寄り添ってくれる。
使う人を選ばない万能さがあり、通勤にもツーリングにもおすすめできます。走りを楽しみつつ、快適に移動したい人にとって、NMAX155は長く付き合える相棒になるでしょう。
