ガンプラの中でも“最高峰”と呼ばれるPG(パーフェクトグレード)シリーズ。その中でも圧倒的な存在感を放つのが、**PGバンシィ**です。ユニコーンガンダム2号機として知られるこの機体は、ただの派生機ではなく、まるで闇の中に光を宿したような美しさを持っています。今回は、そんなPGバンシィを実際に手に取り、組み立てながら感じた魅力をじっくりお伝えします。
圧倒的スケールと存在感
PGシリーズといえば、1/60スケールの超大型ガンプラ。完成後の高さは約38cmにもなり、飾るだけで部屋の空気を変えるほどの存在感を放ちます。
PGバンシィはそのボリュームに加え、漆黒の装甲と金色のサイコフレームが織りなすコントラストが実に見事。ユニコーンガンダムの白とはまったく異なる“静かな威圧感”を感じさせます。
細部のディテールも驚異的。装甲のエッジライン、関節部のメカ構造、マーキングシールの密度など、見れば見るほど惚れ込む作り込みです。特に頭部アンテナの造形はシャープで、マグネットによる開閉機構も自然。PGならではの精密感を堪能できます。
ユニコーンモードとデストロイモードの変形美
PGバンシィ最大の見せ場といえば、やはり“変形機構”でしょう。ユニコーンモードの静かな佇まいから、デストロイモードへの変化は圧巻。内部のサイコフレームが展開し、まるで機体が覚醒するかのような迫力があります。
この変形は手動で行いますが、PG特有のパーツ精度の高さがあってこそ成立しています。装甲を引き出すときの“カチッ”という感触や、展開後に見える内部構造は、まさに大人のための組立体験。
ただし注意点もあります。関節や可動部分には負荷がかかりやすいため、力任せに動かすと破損のリスクがあります。ゆっくり丁寧に扱うことが、完成後の満足度を左右します。
組み立ての難易度と作りごたえ
PGバンシィの組み立ては、間違いなく“骨太”です。ランナー数もパーツ数も膨大で、すべてを完成させるには相応の時間と集中力が必要になります。
しかし、それだけに組み立て過程が楽しい。フレームを一つずつ組み上げていくと、内部構造が少しずつ立ち上がっていく感覚がクセになります。
成形色は深いメタリックネイビーとゴールドを基調としており、無塗装でも高級感は十分。ただし濃色パーツはゲート跡が目立ちやすいため、丁寧な処理が求められます。ニッパーは切れ味の良いものを使い、刃を入れる位置を意識するだけで仕上がりが格段に変わります。
LEDユニット(別売)を組み込めば、内部のサイコフレームが発光し、夜間のディスプレイでも圧倒的な存在感を放ちます。これぞPGシリーズの真価。組み立ての手間を超える満足感が待っています。
アームドアーマーVNと装備の迫力
PGバンシィのもうひとつの見どころが、**アームドアーマーVNとアームドアーマーBS**を中心とした武装群です。巨大なクローとビーム兵装を両腕に装備した姿は、まさに“獣の咆哮”という言葉がふさわしい。
アームドアーマーVNは開閉ギミックも再現されており、デストロイモード時には展開状態で飾ると迫力満点です。さらに背面のアームドアーマーDE(シールド)は分割ギミックを備え、ポージング次第で劇中さながらのダイナミックなシーンを再現できます。
また、ビーム・マグナムに装着するリボルビング・ランチャーは、細かなモールドと銃身のメカ感が絶妙で、PGクラスならではのリアリティ。シールドやスタンドとの組み合わせで、飾り方の幅も広がります。
可動性とポージングの自由度
大型モデルでありながら、PGバンシィの可動性能は非常に高水準です。膝や肘は二重関節構造で大きく曲げられ、肩の引き出し機構により両手でビーム・マグナムを構えるポーズも可能。
腰回りも適度に動き、立ちポーズからアクションポーズまで安定して保持できます。
ただし、重量があるため、脚部やスタンドの安定感は必須。付属の専用ディスプレイベースを使用すれば、空中ポーズでもしっかり固定できます。スタンドの角度を微調整して展示するだけで、印象が大きく変わるのも楽しいポイントです。
組み立て中に感じた注意点
PGバンシィを作ってみて実感したのは、「焦らないこと」が何より大切ということ。
特に可動部や変形機構まわりは複雑な構造のため、ランナー番号の確認を怠ると組み違えるリスクがあります。
また、フレーム組立時にはパーツ同士のはめ込みがタイトな箇所があり、力を入れすぎると破損することも。
プラモデル用の精密工具やピンセットを使いながら、少しずつ慎重に進めると良いでしょう。
もし初心者の方が挑戦する場合は、組立工程を複数日に分けて行うのがおすすめです。部分ごとに完成させていくと、達成感を積み重ねながら楽しめます。
完成後の迫力と飾り映え
完成したPGバンシィを前にすると、思わず息をのむほどの迫力があります。
その巨体と美しい発光ギミック、漆黒の装甲に反射する金色のフレーム――どこを切り取っても絵になる一体です。
飾る際は、白系の背景やLED照明を使うとゴールドのサイコフレームがより映えます。特に夜間にライトアップすると、静かな闇の中で光が浮かび上がるような神秘的な雰囲気を演出できます。
ポーズを変えながら角度を探す時間もまた、このキットの醍醐味です。
PGバンシィをおすすめできる人
PGバンシィは、すべてのガンプラファンにおすすめできるわけではありません。
その理由は、サイズ・価格・組立ボリューム、どれも“本気のガンプラ”だからです。
初心者がいきなり手を出すには少しハードルが高いですが、MGなどの組立経験がある人なら十分に挑戦可能です。
特に以下のような方には強くおすすめできます。
- 精密で重厚なガンプラをじっくり作りたい人
- 変形ギミックを自分の手で再現してみたい人
- 組み立ての過程そのものを楽しみたい人
- 完成後に飾って映える大型モデルを求めている人
これらに当てはまるなら、PGバンシィは間違いなく“最高の相棒”になります。
PGシリーズの中で見たときの位置づけ
PGシリーズには、PGストライクフリーダムやユニコーンガンダムなど名作が多く存在します。その中でPGバンシィは、ダークな色合いと力強いフォルムで異彩を放つ存在です。
ユニコーンガンダムと並べて飾ると、まさに光と闇の対比が完成。PGを2体並べると、ガンプラの世界観が一気に広がります。
また、近年はLEDユニットの改良や塗装カスタムを楽しむファンも増えており、PGバンシィはそのベースとしても人気。自分だけの“覚醒状態”を表現するために、内部パーツを塗り分けたり、発光ギミックを強化する作例も数多く見られます。
まとめ:PGバンシィの魅力と組み立て感を徹底レビュー解説
PGバンシィは、ガンプラという枠を超えた“作品”です。
緻密な構造、変形ギミック、重厚なデザイン――そのすべてが組み立てる人の情熱を試し、完成した瞬間に最高の達成感を与えてくれます。
確かに手間も時間もかかりますが、その分だけ得られる満足度は圧倒的。
静かな存在感と力強い造形は、まさにPGシリーズの中でも頂点クラスです。
ガンプラにじっくり向き合いたい。そんな思いを持つ人にこそ、このPGバンシィを手に取ってほしい。
あなたの手で組み上げた瞬間、きっと“覚醒”するのはガンダムだけではなく、自分の中のガンプラ魂そのものです。
