どうも、こんにちは。価格改定って、どんな会社でもいつかは向き合わなきゃいけないタイミングが来るもの。特にここ数年は、原材料やエネルギー、物流費の高騰が続いていますよね。「そろそろ値上げを考えないと…」でも、どうやってお客様に伝えればいいんだろう? そんな不安を抱える経営者や担当者の方も多いはず。
いきなり「値上げします」では、せっかく築いてきた信頼関係が一気に崩れてしまうかもしれない。でも実は、この「値上げのお知らせ」は、単なるネガティブな通知ではなく、お客様との絆をより深めるチャンスにだって変えられるんです。大切なのは、伝え方。
今日は、お客様の心に寄り添いながらも、事業の持続可能性を誠実に伝える「値上げのお知らせメール」の書き方と、すぐに使える実例をたっぷりお届けします。このコツさえ押さえれば、恐れることなく、前向きな一歩を踏み出せるはずですよ。
値上げを伝える前に、まずはこの3つの基本原則を守ろう
メールを書き始める前に、絶対に外せない大原則があります。これが守れていないと、どんなに丁寧な文章でも信頼を損なう結果になりかねません。まずは、この3つの心構えをしっかりと頭に入れておきましょう。
原則その1:絶対に「事前告知」を徹底する
一番やってはいけないのが、突然の値上げです。「明日から価格を変更します」なんてメールが届いたら、お客様はどう思うでしょう? 予算が立たない、計画が狂う…とにかく不信感しか残りません。ビジネスマナーとしても、実施日の1〜3ヶ月前にはお知らせすることが鉄則です。
特にBtoBのお取引先の場合、相手の会社内での稟議や予算組み替えに時間がかかります。余裕を持ったスケジュールでご連絡することが、プロフェッショナルな対応であり、お客様への最低限のリスペットなのです。
原則その2:「ステルス値上げ」は絶対にNG!
「気づかれないように少しずつ量を減らそう」「新しい価格表だけをこっそり公開しよう」…そんな「ステルス値上げ」は、近年特に大きな反発を招いています。SNSで一瞬で広がり、企業の信頼を地に落とすことにもなりかねません。
一時的に離れるお客様が出ることを恐れる気持ちはわかります。でも、正直で透明性のあるコミュニケーションを選んだ方が、長い目で見れば必ず信頼という財産を守れます。覚えておいてください。値上げは、正直さが試される時なのです。
原則その3:言葉の選択に気をつける
メールの件名や本文で、いきなり「値上げ」という言葉を使うのは、少しストレートすぎて角が立ちます。オススメは、より中立的でプロフェッショナルな表現に言い換えること。
- 価格改定
- 料金改定
- 価格の見直し
こうした言葉を使うことで、感情的な反発を和らげ、客観的な事情説明の場を設けやすくなります。ただし、わかりにくくぼかしすぎないことも重要。あくまで「何についての連絡か」が一目で伝わるようにバランスを取りましょう。
価格改定メールの虎の巻:7ステップで書く完璧な流れ
では、実際にどんな構成でメールを書けばいいのでしょうか? ここからは、1通のメールが「謝罪」から「未来への期待」へと昇華していく、具体的なステップを順に解説していきます。
ステップ1:件名は「正直さ」と「一目瞭然さ」で勝負
件名でごまかすのは、不信感の元です。受信者がメールを開く前に、内容の重要性を瞬時に判断できるようにしましょう。
オススメの件名例:
- 【重要】「◯◯サービス」料金改定のご案内(2025年◯月◯日より)
- (製品名)価格改定のお知らせ
- 弊社製品 価格改定のお知らせとご説明
【重要】などの記号は開封率を上げます。商品名と「改定」というキーワードを必ず入れるのがポイントです。逆に「お知らせ」だけでは何の用件かわからず、後回しにされるか、迷惑メールと間違えられてしまいます。
ステップ2:冒頭は心を込めた「感謝」から始める
いきなり本題に入るのはNGです。まずは、いつものご愛顧への感謝の気持ちを伝え、お客様の心に「受け皿」を作りましょう。このひと手間が、後のネガティブな情報を受け入れてもらうための大きな助けになります。
オススメの書き出し例:
- 株式会社〇〇 営業部 ●● 様。平素より格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。
- お客様 各位。いつも当店をご利用いただき、誠にありやとうございます。
ステップ3:クッション言葉で、そっと本題へ移行
感謝のあとは、本題に移りますが、ここで「クッション言葉」を使うことで、こちらの誠実な姿勢が伝わります。
オススメのフレーズ:
- さて、誠に恐縮ではございますが…
- 心苦しいお願いではございますが…
- この度、誠に不本意ではございますが…
これらの言葉があるのとないのとでは、受け取る印象が全く違います。あなたが「ただ値上げしたいわけではない」という気持ちを、言葉の上でも表現している証なのです。
ステップ4:核心部分「理由の説明」で納得感を勝ち取る
ここが、お客様が「しかたないな」と納得するか、「ふざけるな」と怒るかの分かれ道です。「原材料費が高いから」だけでは、ただのコスト転嫁にしか見えません。大切なのは、以下の2点を具体的に説明することです。
- 外部的な要因:世界的な原料高、円安による輸入コスト増、エネルギー価格の高騰など、客観的事実として動かせない背景。
- 自社の努力:「これまで生産性向上や業務効率化など、あらゆる手を尽くして価格維持に努めてまいりましたが…」といった、自社が努力した経緯。
「努力したけれど、限界にきた」という物語を語ることで、値上げが“最後の手段”であることが理解され、納得感が生まれるのです。
ステップ5:変更内容は「誤解の余地なく」明確に提示
お客様が一番知りたい具体的な情報は、ここです。以下の4点は絶対に漏れなく記載しましょう。
- 適用開始日:◯年◯月◯日(◯)より、◯月◯日受注分より。
- 対象商品・サービス:何の値段が変わるのかを特定します。
- 新旧価格の比較:現行価格(税抜き/税込み)→ 改定価格(税抜き/税込み)と、併記がベスト。
- 詳細の確認方法:対象が多い場合は、本文に全部書かず「添付資料をご覧ください」「詳細はこちらのURLから」とするとスッキリします。
箇条書きで見やすく整理するのがオススメです。あいまいさは不信感の元。徹底的に明確にしましょう。
ステップ6:未来への「約束」と「配慮」を添える
値上げを告げるだけでは一方的です。この先も一緒に歩んでいきたいというメッセージを加えましょう。
- 未来への約束:「この改定により、これまで通りの品質と安定供給を確保し、さらにより良いサービスをご提供してまいります。」
- お客様への配慮:「ご不明な点がございましたら、お気軽に下記までお問い合わせください。」
- BtoB向けの一言:「貴社での販売価格の見直しなど、ご面倒をおかけしますが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。」
ステップ7:最後は「未来への期待」を込めて締めくくる
結びの挨拶では、もう一度、今後も変わらぬお付き合いをお願いする気持ちを伝えます。
- 何卒、事情をご賢察いただき、今後とも変わらぬご高配を賜りますようお願い申し上げます。
- 引き続き、よろしくお願い申し上げます。
最後に、会社名、部署、担当者名、連絡先を忘れずに。これで、一通の誠実な価格改定メールが完成します。
このまま使える! シーン別・実例文例集3選
ここからは、実際にそのまま使えるか、少しアレンジするだけで使える実例を紹介します。自社の状況に合わせて、言葉を選んでみてください。
文例1:製造業が取引先に送るBtoB基本形
件名:【重要】「◯◯製品」価格改定のご案内
株式会社△△ 営業部 佐藤様
拝啓 貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、誠に恐縮ではございますが、この度、弊社製品「◯◯」の価格を改定させていただくこととなりました。
昨今の主要原材料である△△の国際価格高騰と、円安傾向による輸入コストの増大が続いており、弊社としましても生産工程の見直しや効率化によりコスト削減に努めてまいりましたが、もはや現行価格での供給維持が極めて困難な状況に至りました。
つきましては、2025年6月1日(日)受注分より、下記の通り新価格を適用させていただきます。
なお、貴社在庫分につきましては従前通りの価格でご対応いたしますので、ご安心ください。
【価格改定内容(税抜)】
・製品A(型番:XX-001): 15,000円 → 16,500円
・製品B(型番:XX-002): 22,000円 → 24,200円
詳細な価格表は、こちらからダウンロードいただけます。
(資料URLを記載)
今回のやむを得ない価格改定により、一時的にはご迷惑をおかけしますが、安定した品質と納期を今後も確実にご提供していくための決断であることを、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
ご不明な点がございましたら、担当の山田までお気軽にお問い合わせください。
敬具
株式会社○○ 営業本部
担当:山田 太郎
TEL: 03-XXXX-XXXX
Email: yamada@○○.co.jp
文例2:飲食店がお客様に送るBtoC通知
件名:【◯◯食堂よりお知らせ】一部メニュー価格改定について
お客様 各位
平素より、「◯◯食堂」をご利用いただき、誠にありがとうございます。
この度、誠に心苦しいお知らせではございますが、昨今の食材原価およびエネルギー料金の著しい高騰により、一部メニューの価格を改定させていただくこととなりました。
当店では、これまでメニューの見直しや仕入れ先の再検討など、あらゆる努力を重ねて価格維持に努めてまいりましたが、厳しい経営環境を乗り越え、今後も安全で美味しい料理と温かいサービスをお届けし続けるため、やむを得ずの判断となりました。
つきましては、2025年7月10日(木)より、下記メニューの価格を改定いたします。
【価格改定メニュー(税込表示)】
・とんかつ定食: 950円 → 1,000円
・海老フライ定食: 1,100円 → 1,180円
・日替わりランチ: 850円 → 900円
価格は変わりますが、食材の品質と料理への想いは変わりません。
これからも、皆様にほっとできるひとときを提供できるよう、スタッフ一同さらに精進してまいります。
何卒、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。
◯◯食堂
店主 ◯◯ ◯◯
文例3:サブスクサービスがユーザーに送る通知
件名:【大切なお知らせ】「◯◯クラウド」利用料金の改定について
◯◯ 様
いつも「◯◯クラウド」をご利用いただき、誠にありがとうございます。
さて、大切なご案内がございます。誠に心苦しいお願いとなりますが、2025年9月1日(月)より、「◯◯クラウド」の各プラン月額料金を改定させていただくこととなりました。
この判断の背景には、サービス基盤となるサーバーおよびデータセンター運用コストの世界的な高騰と、お客様により速く・安全なサービスをご提供するための大規模なセキュリティ強化投資がございます。開業以来、機能追加を重ねながらも長らく価格を据え置いてまいりましたが、持続可能な形で最高品質のサービスを発展させ続けるため、今回の改定に至りました。
【改定内容(税込/月額)】
・スタンダードプラン: 980円 → 1,080円
・ビジネスプラン: 2,980円 → 3,280円
・エンタープライズプラン: 9,800円 → 10,780円
今回の料金改定により、今後もサービス停止リスクの低減や、新機能の更なる早期実装が可能となります。これまで以上に、◯◯様のビジネスや活動を力強くサポートできるものと確信しております。
お客様にはご負担をおかけし、大変申し訳ございませんが、何卒、事情をご賢察いただき、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
ご契約内容の確認やご質問がございましたら、以下のヘルプセンターよりいつでもお問い合わせください。
(ヘルプセンターURL)
引き続き「◯◯クラウド」をよろしくお願いいたします。
◯◯クラウド 運営チーム
メール送信後が本当の勝負! 信頼を守るフォローアップ術
メールを送って終わり、ではありません。むしろ、ここからが本当のお付き合いの始まりです。価格改定後は、必ず問い合わせや懸念の声が増えます。その対応一つ一つが、信頼を回復する、あるいは深めるチャンスなのです。
- 事前にFAQ(よくある質問)を用意する:「なぜ他の会社は値上げしないの?」「割引はないの?」といった質問を想定し、回答を社内で統一しておきましょう。どんな窓口でも一貫した説明ができることが大切です。
- BtoBでは個別フォローが効果的:重要な取引先には、営業担当者が電話や訪問で直接お詫びと説明をし、理解を得られているか確認しましょう。顔が見えるコミュニケーションは、メールだけでは伝わらない誠意を伝えます。
- 「約束」を「成果」として示し続ける:「品質を維持します」「サービスを強化します」と約束したなら、それが実現されていることを、その後も定期的に発信しましょう。ホームページの更新情報やニュースレターで「セキュリティを強化しました」「新機能を追加しました」と報告することで、「約束を果たしている会社だ」という信頼が育まれます。
不安を誠実さに変える:値上げのお知らせメールの書き方と例文集|顧客に誠実に伝えるコツ
いかがでしたか? 値上げは、確かに難しいコミュニケーションです。でも、それは単に「値段が上がります」と告げる場ではなく、「これからもずっと、価値を提供し続けていくために、新たな一歩を踏み出す」という覚悟を伝える場だと捉え直してみてください。
小手先のテクニックではなく、誠実さこそが最大の武器です。今回ご紹介した「事前告知」「明確な理由」「未来への約束」という黄金の3ステップと、豊富な文例を参考に、ぜひあなたらしい誠意のこもったメールを作成してみてください。
最初は少し勇気がいるかもしれません。でも、その一歩を踏み出すことで、お客様との関係は、単なる「売り手と買い手」を超えた、本当の信頼で結ばれたパートナーシップへと進化していくはずです。今日から、誠実なコミュニケーションで、未来を切り開いていきましょう。
