「GLB200dが販売終了したって本当？」
そんな声が最近SNSや車好きの間でよく聞かれます。
ディーゼルエンジン搭載で人気を集めたメルセデス・ベンツのコンパクトSUV、GLB200d。街乗りでもロングドライブでも使いやすく、7人乗りの利便性も魅力でした。そんなモデルがなぜ販売終了と言われているのか、気になりますよね。
今回は、販売終了の背景や理由、後継モデルの動き、再販や中古車の情報まで、徹底的に解説します。
GLB200dとはどんな車だったのか
GLB200dは、メルセデス・ベンツが2020年に日本へ導入したコンパクトSUV「GLBクラス」のディーゼルモデルです。
2.0L直列4気筒ディーゼルターボエンジンを搭載し、最大トルク320Nmという力強い走りが特徴。高速道路での安定性や燃費性能の高さが好評で、街乗り燃費は13km/L前後、高速では20km/L近くを記録するオーナーも多くいました。
さらに、GLBは同社SUVの中でも珍しい「3列シート・7人乗り」。コンパクトサイズながら家族旅行やアウトドアにも対応でき、特に子育て世代から支持を集めたモデルでした。
「GLAでは小さいけど、GLEは大きすぎる」という層にピッタリの存在。実用性とデザイン性を両立した、ちょうどいいSUVとしての立ち位置を築いていました。
GLB200dの販売終了は本当？現状を確認
「販売終了」といっても、その意味は一様ではありません。
実際にGLB200dが“完全に生産終了”したのか、それとも“受注を止めているだけ”なのかを整理してみましょう。
ヤナセなどの正規ディーラーでは、2023年以降のカタログに「GLB200d販売終了」との記載が見られます。
また、中古車情報サイトでも「2023年4月発売開始〜2023年11月発売終了」と表記されるケースがあり、現行ラインナップから外れたのは確実です。
一方で、2024年1月には特別仕様車「GLB200d 4MATIC Night Edition」が限定発売されており、ディーゼルエンジン自体が即座に廃止されたわけではありません。つまり、通常ラインは終了したが、在庫や限定モデルで一部継続したという状態と考えられます。
販売終了に至った主な理由
1. ディーゼル車の縮小と電動化への移行
ここ数年、世界的にディーゼルエンジンの新規投入が減少しています。
背景には、環境規制の強化と電動化へのシフトがあります。ヨーロッパでは排ガス規制が年々厳しくなり、日本でも都市部を中心にディーゼル車への逆風が強まっています。
メルセデス・ベンツも例外ではなく、今後はハイブリッドやEV（電気自動車）への切り替えを進めているため、GLB200dのようなディーゼルモデルは整理対象となった可能性が高いです。
2. モデル改良による仕様整理
GLBクラスは2023年11月にマイナーチェンジを受けています。
この際、デザインの刷新と内装のアップデートが行われ、エンジンラインナップの見直しも実施されました。改良後モデルではガソリンエンジンや軽度ハイブリッド化された仕様が中心となり、ディーゼルモデルが一時的にラインナップから外れたとみられます。
メーカーとしても、排ガス基準や生産効率を考慮した結果、ディーゼルの継続よりも電動化対応を優先したといえるでしょう。
3. 販売面での採算と需要の変化
GLB200dは高トルクで人気があった一方、販売価格や維持コストを考えると、購入層が限定されていました。
燃料高騰の影響もあり、「ガソリンで十分」「EVへの乗り換えを検討」という消費者が増加。販売台数が落ち着いたことも、モデル整理の一因と考えられます。
また、中古市場ではGLBシリーズ全体の相場が1年で100万円以上下落したというデータもあり、値崩れの早さがディーラー側の在庫リスクにつながったと推測されます。
GLB200dの後継・代替モデルはある？
現時点では「GLB200d」の直接的な後継車は発表されていませんが、実質的な代替モデルとしていくつかの選択肢があります。
GLB改良モデル（2023年以降）
最新モデルのGLBでは、ガソリン仕様の「GLB180」や「GLB250 4MATIC」が引き続き販売されています。
内外装デザインが刷新され、MBUXインフォテインメントシステムも進化。安全装備や運転支援機能も最新化されており、実用面での不満はほぼありません。
燃費面でディーゼルに劣る部分はあるものの、静粛性や乗り心地の面ではガソリン車の方が快適という声もあります。
EQB（電動SUV）
メルセデス・ベンツの電動SUV「EQB」は、GLBをベースに開発されたEVモデルです。
見た目やサイズ感はGLBとほぼ同等で、室内空間もほとんど変わりません。
EVならではの静粛性と滑らかな加速が魅力で、都市部での使用や短距離移動が多い人には相性が良いモデルです。
メーカーとしても、GLBからEQBへの移行を促す狙いがあると見られます。
再販や復活の可能性は？
一度ラインナップから外れたGLB200dですが、「ディーゼル仕様の再販」自体は現時点で公式発表がありません。
ただし、欧州市場ではディーゼル車の需要がまだ一定数あり、メルセデスも完全撤退しているわけではありません。
日本市場での復活には、環境基準や販売体制の再調整が必要なため、短期的な再登場は難しいでしょう。
一方、今後は「軽度ハイブリッド付きのディーゼル」や「PHEV（プラグインハイブリッド）」として再投入される可能性もあります。すでに他モデルではそうした動きが始まっており、GLBクラスでも同様の流れが来るかもしれません。
中古車市場の動向と購入時の注意点
販売終了後のGLB200dは、中古車市場での流通が活発になっています。
2024年以降、初期モデル（2020〜2021年式）の中古車が増加しており、価格帯は400万〜550万円前後が中心。
ただし、人気の「GLB200d 4MATIC」や「AMGライン」付きは依然として高値で推移しています。
購入を検討する場合は、以下のポイントに注意しましょう。
- DPF（ディーゼル微粒子フィルター）など排気系のメンテ履歴を確認する
- 低走行・ワンオーナー車を選ぶことでトラブルリスクを減らす
- 保証や延長サービスの有無を確認する
また、今後の排ガス規制次第では、ディーゼル車の課税や車検基準が変わる可能性もあるため、長期保有を考えるならリスクを踏まえた上で判断するのが安心です。
GLB200dが愛された理由
販売終了となった今でも、GLB200dが多くのファンに支持されている理由があります。
それは「ちょうどいいサイズ感」と「走りのバランスの良さ」。
取り回しやすいボディサイズでありながら、3列シートを備える実用性。
ディーゼル特有のトルクフルな加速と、ロングドライブでも疲れにくい静粛性。
SUVでありながら上品で落ち着いたデザイン。
これらのバランスが他車にはない魅力として、多くのオーナーの心をつかみました。
そのため、中古市場では今も指名買いする人が少なくありません。
「最後のディーゼルGLB」として、希少価値を感じる人も増えています。
GLB200d販売終了まとめ：今後の選択肢をどう考えるか
改めて整理すると、GLB200dは
- 国内の新車販売が終了している
- ディーゼル縮小と電動化移行が主な理由
- 後継はガソリン仕様GLBや電動SUVEQBが担う
という流れになっています。
今後、GLB200dそのものが再販される見込みは薄いものの、メルセデス・ベンツの電動化戦略が進む中で「次世代GLB」への期待は高まります。
もしディーゼルの走りに惹かれているなら、今のうちに中古市場で状態の良い個体を探しておくのが賢い選択です。
GLB200dは確かに販売終了となりましたが、その完成度と存在感は色あせません。
これから登場する新しいGLBシリーズやEQBに、彼のDNAはしっかり受け継がれていくはずです。
