北海道のお土産コーナーでおなじみだった「いも子とこぶ太郎」。見かけるたびについ手に取っていたという方も多いのではないでしょうか。そんな人気スナックが「販売終了になった」という情報が広まり、SNSでも驚きや悲しみの声が相次いでいます。
この記事では、「いも子とこぶ太郎」がなぜ販売終了になったのか、そして今後の再販や代替商品についても詳しく見ていきます。
「いも子とこぶ太郎」とは？北海道限定の人気スナック
まずは「いも子とこぶ太郎」がどんなお菓子だったのかをおさらいしましょう。
この商品は、カルビーが展開する北海道限定ブランド「ポテトファーム」から2008年に発売されたスナック菓子です。北海道産のじゃがいもをカリッと揚げ、同じく北海道産の昆布をミックスした「海と畑の恵み」を味わえる一品として人気を集めていました。
じゃがいもの香ばしさと昆布の旨みが絶妙にマッチし、「噛めば噛むほどおいしい」と評判に。しかも、土産用に小袋（15g×6袋入り）で個包装されていたため、配りやすく旅行者にも好まれていました。
同じシリーズには「じゃがポックル」、「いも太とまめ次郎」などがあり、どれも北海道らしい素材と味わいを大切にした商品群です。
突然の販売終了…公式発表の内容
2024年11月15日、ポテトファームの公式サイトで「いも子とこぶ太郎」（ほたて風味）の販売終了が正式に発表されました。
発表文によると、**「一部原材料の安定確保が困難なため、販売を終了いたします」**とのこと。
発売から16年という長い歴史を持つ商品でしたが、原材料の調達やコストの問題が重なり、継続が難しくなったようです。
公式ページの商品一覧にも「販売終了いたしました」という表記が追加され、以降、土産店や空港ショップなどでも在庫限りの取り扱いとなりました。
SNS上では「大好きだったのにショック」「北海道行ったら必ず買ってた」などの声が多く、ファンの間ではまるで“ロス”のような反応が見られました。
原材料の確保が難しくなった理由
では、なぜ原材料が安定して確保できなくなったのでしょうか。
公式発表では「一部原材料」としか明記されていませんが、商品構成や業界全体の動向から、いくつかの要因が考えられます。
北海道産じゃがいもの収穫・品質への影響
ポテトファームのシリーズは、全て「北海道産じゃがいも100％」にこだわっています。
しかし、近年の気候変動による不作や収穫時期の遅れ、加工に適したサイズの確保難など、複数の要因で原料の安定供給が難しくなっていました。
特に2023〜2024年にかけては、北海道内でも天候不順による収穫量の減少が報じられ、ポテト関連商品の生産ライン全体に影響が出ていたと考えられます。
北海道産昆布の漁獲量減少
「いも子とこぶ太郎」のもう一つの主役は昆布。
北海道産昆布は国内外で人気が高く、漁獲量の減少や輸送コストの上昇が続いています。
特に日高昆布・羅臼昆布などは近年の海水温上昇の影響を受けており、品質や収穫量の安定化が難しくなっていると言われています。
コストの上昇と製造体制の見直し
原材料の高騰に加え、エネルギー費・物流費・包材コストも上がり続けています。
「いも子とこぶ太郎」は土産用の箱入り・小袋包装という仕様のため、一般スナックよりも製造コストが高く、利益確保が難しかったと推測されます。
ブランド品質を維持するために価格を上げるよりも、いったん生産を終了するという判断に至った可能性が高いです。
ファンの間で広がる“いも子とこぶ太郎ロス”
販売終了が発表されると、SNSでは悲しみの投稿が相次ぎました。
「一番好きだったポテチなのに」「北海道行く楽しみが一つ減った」などの声が多く、特に地元の人や旅行でよく買っていた人たちから惜しむ反応が目立ちます。
また、ネットショップでは在庫が急速に減り、販売終了のニュース直後には一時的に価格が高騰する現象も見られました。
地方限定商品は一度生産が止まると再流通が難しくなるため、今でも在庫を探すファンが多いようです。
再販の可能性はある？
現時点（2025年11月時点）では、**「いも子とこぶ太郎」**の再販予定は公式に発表されていません。
しかし、カルビーの他の地域限定商品では、過去に販売終了後に再登場した例もあります。
たとえば「じゃがポックル」 ほたて塩味は、一度終売になった後、2025年春に定番商品として再発売されています。
そのため、「いも子とこぶ太郎」も原材料の調達やコストが改善すれば、限定復刻や仕様変更版として再登場する可能性は十分に考えられます。
特にファンが多い商品なので、ブランド側が復刻を検討する可能性は低くないでしょう。
再販があるとすれば、次のようなパターンが想定されます。
- 北海道限定・数量限定での復刻販売
- 原材料を変更した新仕様（味やパッケージのリニューアル）
- シリーズ内の新商品としての再構築
カルビーはこれまでも地域限定シリーズを柔軟に展開しているため、将来的に「いも子とこぶ太郎」ブランドが再び登場する日を期待して待ちたいところです。
買えなくなった今、代わりに楽しめるお菓子
「いも子とこぶ太郎」は手に入らなくなりましたが、北海道には同系統のスナックがいくつもあります。
代替として楽しめる商品をいくつか紹介します。
- 「じゃがポックル」（カルビー）
北海道土産の定番。じゃがいもの甘みと塩味のバランスが絶妙で、今でも手に入りやすい商品です。 - 「いも太とまめ次郎」（ポテトファーム）
じゃがいもと枝豆を組み合わせたスナック。こちらも北海道限定で販売されています。 - 北海道じゃがバター味スナック
一般流通している商品で、北海道らしい味わいを感じられる人気シリーズ。
いずれも「いも子とこぶ太郎」と同じく、素材の旨みを生かした北海道テイストのスナックとしておすすめです。
北海道限定菓子が抱える共通の課題
今回の販売終了には、「地域限定商品のリスク」という業界共通の課題も見えます。
北海道限定というブランド価値は高い一方で、原料・製造・流通の全てを北海道内で完結させるため、コスト変動や供給不安に直面しやすいのです。
さらに、観光需要の変動も影響します。
2020年代前半の観光減少期には土産需要が落ち込み、その後の回復で需要が急増。需要と供給のバランスが大きく揺れたことも、商品維持を難しくした背景の一つと考えられます。
まとめ：「いも子とこぶ太郎」販売終了の理由と再販の期待
改めてまとめると、「いも子とこぶ太郎」の販売終了は
- 原材料の安定確保が難しくなったこと
- 製造・物流コストの上昇
- 北海道限定ブランドとしての維持コスト
これらの複合的な要因によるものです。
発売から16年にわたり愛されたロングセラーが姿を消すのは残念ですが、同時にそれだけ多くの人に愛されてきた証でもあります。
再販の可能性は現時点で未定ですが、ポテトファームの他シリーズの再登場例を考えると、復活のチャンスはゼロではありません。
「またあの味に会える日を楽しみに待つ」——ファンにできるのは、それだけです。
北海道の素材を生かしたスナック文化は今も続いています。
「いも子とこぶ太郎」が残したおいしさの記憶は、きっと次の新しい商品へと受け継がれていくでしょう。
