「最近キシリッシュを見かけないけど、まさか販売終了?」
そんな疑問を持った方も多いのではないでしょうか。実は、あの定番ガム「キシリッシュガム」はすでに販売終了しているんです。ここでは、その背景や理由、そして代わりに登場した商品について詳しく解説します。
キシリッシュガムは2023年3月で販売終了
明治の公式サイトによると、「キシリッシュガム」は2023年3月をもって製造・販売を終了しています。つまり現在は、店頭や通販での新規出荷は行われていません。店頭で見つからないのも当然の状況です。
もともと「キシリッシュ」は1997年に登場し、キシリトール入りのガムとして一世を風靡しました。爽やかなミント感とスタイリッシュなパッケージで、多くのファンに愛されてきましたが、発売からおよそ26年、ついに長い歴史に幕を下ろす形となりました。
なぜキシリッシュが販売終了したのか
ガム市場の縮小が止まらない
最大の理由は、ガム市場の縮小です。
かつては「リフレッシュ」や「息スッキリ」といった目的で人気だったガムですが、ここ数年で需要が急減しています。業界データでは、ガムの生産量は2004年の約4万6,000トンから2021年には1万8,000トン台まで減少。およそ6割の市場が失われたといわれています。
この背景には、マスク生活の定着やリモートワークの増加などがあり、外で人と話す機会が減ったことが大きく影響しています。口臭ケアや口内リフレッシュ目的でガムを噛む習慣そのものが薄れたのです。
グミがガムを追い越した
一方で、グミ市場は右肩上がり。2022年にはグミの販売額がガムを上回ったというデータもあります。
ガムは「噛んだあとに捨てる」という手間がありますが、グミはそのまま食べ切れる点が手軽で人気を集めました。明治としても、成長が鈍化するガムより、伸び続けるグミへと注力を移す方針にシフトしています。
採算性とブランド戦略の転換
もう一つの理由は採算性とブランド戦略です。
ガムの需要減少により、生産ラインや広告コストを維持するのが難しくなっていたと考えられます。そこで明治は「ガム」というカテゴリーにこだわらず、ブランド「キシリッシュ」を“噛むリフレッシュアイテム”として別の形で再生させることを選びました。
キシリッシュの歴史を振り返る
「キシリッシュ」は、キシリトール(xylitol)とリフレッシュ(refresh)を組み合わせた造語として誕生しました。
1997年、日本初のキシリトール配合ガムとして発売されると、「虫歯になりにくい甘味料」「クールで洗練された味」として若者層を中心に人気が爆発。スタイリッシュな銀色のパッケージと、息をリフレッシュする強い清涼感が特徴でした。
2000年代には「ハイパークール」「フルーティミント」など多彩なフレーバーが展開され、ボトルタイプやタブレット形状なども登場。ピーク時の2007年には年間売上260億円を記録するなど、ガム市場の主力ブランドに成長しました。
しかし2020年代に入ると、競合ブランドも増え、ガム市場全体が縮小。消費者の嗜好も変化し、かつての勢いは失われていきました。
ガムからグミへ──新しい「キシリッシュ」の形
「キシリッシュ」ブランドは完全に消えたわけではありません。
2023年4月、明治は新商品「キシリッシュグミ クリスタルミント」を発売しました。これが、ガムに代わる新たな“キシリッシュ”です。
このグミは、ガムのように強いミント感と噛みごたえを持たせた設計で、1粒でもしっかりとした清涼感を楽しめる仕様。明治によると「噛みごたえチャート4」という硬めの食感を採用し、長く噛んでリフレッシュできるのが特徴です。
つまり、キシリッシュは“噛んで気分を切り替える”というブランドの本質を保ちながら、「ガム」から「グミ」へと進化したのです。
ただしグミ版も製造終了の予定が…
残念ながら、この「キシリッシュグミ クリスタルミント」も永続するとは限りません。
明治の公式商品ページには、2025年3月をもって「製造終了予定」と記載されています。つまり、ガムに続いてグミ版も販売終了する見込みがあるということです。
この流れを見ると、明治としては「キシリッシュ」というブランド自体を段階的にフェードアウトさせる可能性も考えられます。あるいは、別カテゴリーの商品として再登場する余地を残しているのかもしれません。
キシリッシュが買えない!今どこで入手できる?
現在、「キシリッシュガム」は生産終了済みのため、一般のスーパーやコンビニではほとんど見かけません。
ただし、一部のネット通販やドラッグストアでは在庫限りで販売されている場合があります。Amazonや楽天市場などでは、ボトルタイプやスティックタイプが出品されていることもありますが、すでに価格が高騰しているケースもあるので注意が必要です。
在庫を購入する際は、賞味期限や保存状態をよく確認し、転売品や高額な中古品には気をつけましょう。
ガム派におすすめの代替商品
キシリッシュに代わる商品を探している方には、以下のような選択肢があります。
- ロッテ キシリトールガム:キシリトール含有量が高く、虫歯予防を意識する人に人気。
- クロレッツXP:長時間スッキリ感が続くミントガム。
- リカルデント:カルシウム系成分を配合した歯にやさしいガム。
また、噛む習慣を維持したい方には「ハード系グミ」もおすすめです。最近では噛みごたえの強いグミが多数発売されており、ガム感覚でリフレッシュできます。
消費者の反応と惜しまれる声
SNS上では「青春の味がなくなる」「仕事中のリフレッシュに欠かせなかったのに」といった声が多く見られます。長年愛用していた人にとっては、キシリッシュは単なるガムではなく、日常の一部だったのかもしれません。
それだけに、突然の販売終了は寂しさを感じるニュースとなりました。とはいえ、グミという形でブランドが受け継がれたことを前向きに捉えるファンもいます。「グミ版も結構スッキリする」「噛みごたえがあって意外と好き」というレビューも見られ、一定の支持を得ているようです。
キシリッシュ販売終了のまとめ
- キシリッシュガムは2023年3月に販売終了
- ガム市場の縮小やライフスタイルの変化が背景
- ブランドは「キシリッシュグミ クリスタルミント」として継続
- グミ版も2025年3月で終了予定
- 代替としては「ロッテ キシリトールガム」や「クロレッツXP」「リカルデント」などが有力
キシリッシュ販売終了後も“噛むリフレッシュ”は続く
「キシリッシュがもう買えないのか…」と残念に思う方も多いでしょう。
ですが、キシリッシュが目指してきた“噛んで気分を切り替える時間”というコンセプトは、これからもグミや他の製品に形を変えて生き続けています。
ガム市場が終わっても、“リフレッシュする噛む習慣”は終わりません。
お気に入りの味や新しいスタイルを見つけながら、これからも自分らしいリフレッシュ時間を楽しんでいきましょう。
