最近、「キシリトールガムが売ってない」「販売終了って本当?」という声をSNSなどでよく見かけます。長年、虫歯予防やリフレッシュの定番として愛されてきた商品だけに、突然見かけなくなると不安になりますよね。
この記事では、実際に何が「販売終了」になったのか、そしてなぜそうなったのかを分かりやすく解説していきます。
キシリトールガムが販売終了したという噂の真相
まず結論から言うと、「キシリトールガム」という名前そのものが市場から消えたわけではありません。
「販売終了」と言われているのは、主に明治の『キシリッシュ』ブランドです。ロッテの「キシリトールガム」は、今でも販売が続いています。
実際、2023年3月末をもって明治がガム事業から撤退したことがニュースになりました。このとき、同社の主力ブランド「キシリッシュ」も生産終了となり、「ガム市場からの撤退」と報じられたのです。
一方、ロッテの「キシリトールガム」は今も定番商品として継続販売中。味やパッケージがリニューアルされたり、一部のフレーバーが終了することはありますが、ブランド全体がなくなったわけではありません。
つまり、「キシリトールガムが販売終了」という噂は、“明治のキシリッシュ”と“ロッテのキシリトールガム”が混同されて広がった可能性が高いのです。
明治「キシリッシュ」が終了した理由とは?
明治のキシリッシュは1997年に登場し、日本初のキシリトール配合ガムとして大ヒットしました。
しかし、約25年の歴史に幕を下ろすことになります。その背景にはいくつかの理由があります。
ガム市場そのものの縮小
日本国内のガム市場は、2007年頃をピークに縮小の一途をたどっています。
ガムの年間販売金額はピーク時の約1,700億円から、現在では1,000億円を切る水準にまで減少。
一方で、グミやタブレット、キャンディなど「手軽で食べやすいお菓子」が伸びています。
若い世代を中心に「ガムを噛む習慣」が薄れ、ガム市場全体の縮小が止まらなくなったことが、大きな要因の一つです。
コロナ禍によるマスク生活の影響
新型コロナウイルスの流行で、長期間のマスク生活が定着しました。
外出時にマスクをしているとガムを噛みにくくなり、「リフレッシュ目的でガムを噛む」機会が減少。
また、人と会話する機会が減ったことで、口臭対策としての需要も下がったとされています。
代替商品の台頭
かつては「息リフレッシュ=ガム」でしたが、今ではタブレットやミント菓子が主流になっています。
さらに「噛む」という行為が煩わしいと感じる人も増え、手軽に食べられる果汁グミやキャンディに人気が移っています。
明治もガム事業撤退後は、「果汁グミ」などの人気商品に経営資源を集中させる方向へシフトしました。
ロッテの「キシリトールガム」はまだ買える?
「じゃあ、ロッテのキシリトールガムはどうなの?」と思う人も多いでしょう。
ロッテのキシリトールガムは、1997年の発売以来、今もなお定番商品として販売されています。
ただし、細かい仕様変更やリニューアルは頻繁に行われています。
たとえば「キシリトールガム マスカット14粒」など一部の旧パッケージや限定フレーバーは生産終了になっているため、「いつもの味がない」と感じることがあるかもしれません。
また、2025年春には「キシリトールガム 7種アソートボトル」が「キシリトールガム 10種アソートボトル」にリニューアル予定と発表されています。
これは終了ではなく、むしろブランドの継続と刷新の証と言えるでしょう。
どうしてガム全体が売れなくなったのか?
明治の撤退や一部商品の販売終了の背景には、ガム市場の構造的な変化があります。
具体的には、以下のような流れが進行してきました。
- ガムを噛む習慣の消失
スマートフォンの普及や仕事中のデスクワーク化で、「噛みながら集中する」文化が薄れてきています。 - ゴミの処理が面倒
ガムは食べたあとに紙に包んで捨てる必要があります。外出中にその手間を嫌う人が増え、敬遠される要因になりました。 - 嗜好品の多様化
グミ・タブレット・エナジードリンクなど、口寂しさを紛らわす代替品が豊富に登場。選択肢が増えたことで、ガムを選ぶ人が減少しました。 - フレーバー競争の限界
一時期は「ミント」「グレープ」「マスカット」など多彩な味で差別化が進みましたが、味の幅にも限界があり、消費者の興味が続きにくくなった面もあります。
これらの要因が重なり、ガム市場そのものが縮小。メーカー各社は次第にコストに見合わないと判断し、撤退やライン縮小を余儀なくされたのです。
店舗で見かけなくなった理由
「昔はどこでも売っていたのに、最近コンビニで見かけない…」という声も多く聞かれます。
実は、これにもいくつかの理由があります。
- 売り場スペースの縮小
コンビニでは回転率の高い商品が優先されます。ガムの売れ行きが落ちた結果、棚の面積が縮小され、置かれなくなった店舗が増えています。 - 流通数の減少
メーカーが出荷量を減らしているため、地方や小規模店舗では在庫が入ってこないケースがあります。 - リニューアル時期の空白
パッケージや内容量の変更時期には、一時的に旧商品が終売となり、新商品が店頭に並ぶまでの間“売ってない”状態になることもあります。
こうした事情が重なり、「販売終了なのでは?」と誤解されるケースも少なくありません。
明治撤退後のガム市場と今後の動向
明治の撤退はガム業界にとって大きなニュースでしたが、これは“業界の終わり”を意味するものではありません。
ロッテやクラシエ、モンデリーズなどは依然としてガム事業を継続しています。
特にロッテは、健康志向の高まりを受けて「歯科推奨」「キシリトール100%」といった訴求を強化しています。
歯科医院向けの専用パッケージや、無糖タイプ、ボトルタイプなど多様なラインナップも展開中です。
市場規模は縮小しているものの、「口腔ケア」「集中力維持」といった健康軸でのニーズは依然として存在します。
ガムが完全に姿を消すということは、しばらくはなさそうです。
キシリトールガムが販売終了したのはいつから?まとめ
最後にもう一度、ポイントを整理しておきましょう。
- **明治のキシリッシュ**は2023年3月末で生産・販売終了。
- **ロッテのキシリトールガム**は現在も継続販売中。味や仕様の変更があるがブランドは存続。
- ガム市場全体は2007年をピークに縮小傾向。グミ・タブレットへの需要シフトが進んでいる。
- 店頭で見かけない理由は「流通量減少」「売り場縮小」「リニューアル時期のずれ」などが関係。
まとめ:キシリトールガムは消えたわけではない
「キシリトールガムが販売終了した」という情報は一部正しく、一部誤解も含まれています。
明治のキシリッシュは確かに終了しましたが、ロッテのキシリトールガムは今も元気に続いています。
ただし、ガム市場全体は縮小しており、今後もフレーバーの入れ替えや仕様変更は続くでしょう。
お気に入りの味が見つからないときは、新しいキシリトールガム 10種アソートボトルや他のフレーバーを試してみるのもおすすめです。
キシリトールガムは依然として「口の健康を守る」頼もしい存在。
今後も形を変えながら、私たちの日常に寄り添っていくはずです。
