子どものころ、夢中でトミカを走らせて遊んだ方も多いのではないでしょうか。その中でも「トミカシステム」は、自分で道路を組み立ててミニカーを走らせるという、まさに“考えて作る”楽しさを提供してくれるシリーズでした。ところが、最近では店頭やネットショップで見かけることがほとんどなくなり、「販売終了？」「廃盤になったの？」と気になっている方も多いようです。
この記事では、トミカシステムが販売終了といわれる理由、後継商品や再販の可能性まで、最新の情報を整理してお伝えします。
トミカシステムとは？遊びの魅力と特徴をおさらい
「トミカシステム」は、タカラトミーが展開していたトミカ関連シリーズのひとつ。道路パーツや坂道、橋脚などを自由に組み合わせ、ミニカーを実際に走らせて遊べる構成玩具でした。
特徴的なのは、「色分けされたパーツ」や「段数の刻印がある橋脚」など、子どもでも簡単に組み立てや高さ調整ができる工夫がされていた点です。
セットには「ループどうろセット」や「2WAYベーシックどうろセット」などがあり、完成後にトミカを走らせると、スロープを駆け下りたりカーブを滑らかに走行したりと、まるでミニチュア都市を操っているような感覚を味わえました。
特に、他シリーズと違って「自分で組み替えて遊ぶ自由度」が高く、プラレールの道路版のような存在として人気を集めていました。しかし、そんな魅力的なシリーズが、いつの間にか姿を消してしまったのです。
トミカシステムが販売終了といわれる理由
トミカシステムが明確に「販売終了」と公式発表されたわけではありません。それでも、主要販売店やECサイトでは「販売を終了しました」「生産完了」との表示が増えています。なぜこのような状態になったのでしょうか。考えられる要因はいくつかあります。
1. 商品サイクルによる入れ替え
タカラトミーでは、長期にわたって同一シリーズを継続するよりも、定期的に新シリーズやリニューアル商品を投入する傾向があります。これは玩具業界全体に共通する戦略で、常に“新しい遊び”を提供し続けるためのものです。
トミカシリーズも例外ではなく、新製品が出るたびに旧ラインが整理されることがあります。そのため、トミカシステムも新しい遊びの方向性が示された時点で、自然に販売終了に移行したと考えられます。
2. 玩具市場と子どもの遊び方の変化
ここ数年で子どもの遊びのスタイルは大きく変わりました。スマホやタブレット、動画サイトを通じた“デジタル遊び”が主流になり、リアルな組み立て玩具や手で動かすおもちゃに触れる機会が減っています。
また、少子化の影響で玩具市場全体のパイも縮小しており、シリーズごとの販売規模を維持しにくくなっている現実もあります。
つまり、「トミカシステムのように空間を広く使い、考えて組み立てるおもちゃ」は、遊ぶ環境や家庭事情から敬遠されやすくなった可能性があります。
リビングで広げるスペースが限られ、片付けの大変さもネックになっていたという声も見られます。
3. コストや部品供給の問題
トミカシステムは、多数のパーツを組み合わせる構造上、金型や素材コストが高くつく玩具でした。特に立体交差やループパーツなどは複雑な設計で、製造ラインの維持にもコストがかかります。
また、シリーズが長期化すると、個別パーツの在庫や補修対応も課題になります。部品生産のコスト増や材料価格の高騰が続く中、採算性が厳しくなった可能性もあります。
4. 流通と販売チャネルの変化
もうひとつ見逃せないのが、流通面での変化です。大型玩具店や家電量販店の玩具コーナーでは、回転率の高い新商品を中心に展開する傾向が強く、旧シリーズの在庫は早期に入れ替えられてしまいます。
実際、ヨドバシカメラやビックカメラなどのオンラインストアでは、「販売終了」「生産完了」と表示されているトミカシステムのセットが多数確認できます。
つまり、公式が明言していなくても、市場から姿を消した時点で実質的な販売終了状態にあるといえます。
後継商品・代替シリーズはある？
「トミカシステムの後継はあるの？」という疑問を持つ人も多いでしょう。
結論から言うと、トミカシステムをそのまま引き継ぐ“正式な後継シリーズ”は存在しません。ですが、同じような遊び方を楽しめる「実質的な後継ライン」はあります。
トミカワールド・トミカタウンシリーズ
タカラトミーでは現在、「トミカワールド」や「トミカタウン」というシリーズを展開しています。
これらは、道路や街、建物などを自由に組み合わせて遊ぶコンセプトで、トミカシステムと非常に近い遊び方が可能です。
例えば、「2WAYにぎやか高速どうろ」や「にぎやかサウンドタウン」などのセットでは、トミカを走らせながら街の雰囲気を楽しむことができます。
さらに、パーツを連結して街を広げられる点や、音やギミックが加わってより直感的に遊べる点も魅力です。
このように、“トミカシステム”という名前は消えても、「どうろを作って走らせる」遊びは形を変えて続いているのです。
トミカシステムの再販・入手方法
トミカシステムは、すでにメーカーの生産ラインからは外れているため、現時点で新品を購入できる場所は限られています。
在庫品や中古市場を探す
楽天市場やAmazon、フリマアプリなどでは「中古」「未開封」「在庫限り」といった形で出品されています。代表的な商品としては、
などが挙げられます。ただし、人気が高く、プレミア価格がついている場合もあります。購入の際は「欠品パーツがないか」「破損・変形がないか」「説明書が付属しているか」を確認することをおすすめします。
再販の可能性は？
トミカブランド全体では、過去の人気車種を復刻販売する動きがあります。しかし、トミカシステムのような大型の道路シリーズについては、現在のところ再販やリニューアルの発表はありません。
再び同じ仕組みで展開される可能性は低いですが、タカラトミーが新たな形で“自分で作るトミカの世界”を提案する可能性はあります。
つまり、完全な復刻よりも“進化した新シリーズ”という形で登場する方が現実的でしょう。
トミカシステムが愛された理由と今後の展望
トミカシステムがここまで惜しまれているのは、「手を動かして考える楽しさ」と「自由な発想で世界を作れる感覚」があったからでしょう。
単にミニカーを走らせるだけでなく、坂を作ってスピードを試したり、橋を重ねて立体交差を作ったりと、子どもの想像力を刺激する要素が詰まっていました。
最近はデジタル遊びが主流ですが、こうした“アナログの組み立て遊び”が見直されつつあります。
親子で一緒に作る時間や、考えながら形を作っていく過程にこそ、今の時代に必要な遊びの価値があるのかもしれません。
タカラトミーのトミカシリーズ自体は今も根強い人気を誇り、定期的に新しい道路セットや街づくりシリーズが登場しています。
「トミカシステム」という名の復活はなくても、その精神は確実に次の遊びへと受け継がれているといえます。
トミカシステムが販売終了したのはなぜ？まとめと今後の楽しみ方
最後にもう一度、トミカシステムが販売終了といわれる理由をまとめます。
- 商品サイクルによるシリーズ入れ替え
- 少子化や遊び方の変化による市場縮小
- 複雑な構造・コストの課題
- 流通面での在庫整理と販売店の縮小
現在、新品入手はほぼ不可能に近く、中古市場や在庫限りの販売が中心です。再販の予定も発表されていませんが、トミカワールドやトミカタウンといった後継シリーズで“道路を組んで遊ぶ”楽しさは続いています。
もしかつてのトミカシステムに思い入れがあるなら、代替シリーズをチェックしてみてください。
「走らせる楽しみ」「作る楽しみ」を受け継いだトミカの世界は、今も進化を続けています。
