「イオンの激安ビール」として人気だったバーリアルが、最近見かけなくなった――。
そんな声がSNSや掲示板で広がり、「販売終了なの？」「もう買えないの？」と心配する人が増えています。
この記事では、バーリアルが販売終了といわれる理由や、実際の背景、そして現在の入手方法や後継商品までをわかりやすくまとめます。
バーリアルとは？イオンのプライベートブランド“第三のビール”
バーリアルは、イオングループのプライベートブランド「トップバリュ ベストプライス」から発売されていた“新ジャンル”のビール風飲料です。
発泡酒にスピリッツ（糖類など）を加えて造られた、いわゆる「第三のビール」カテゴリーに属します。
発売当初は350ml缶が税抜78円という圧倒的な安さで、「毎日気軽に飲める家計に優しいビール」として人気を集めました。
“PB（プライベートブランド）だからこそできる価格”という点が支持され、イオンやマックスバリュなど全国の店舗で長年定番商品として親しまれてきたのです。
しかし、そんなバーリアルが店頭から姿を消し、「販売終了」と話題になりました。
果たして本当に終売になってしまったのでしょうか。
「バーリアルが販売終了」と言われたのはなぜ？
結論から言うと、「バーリアルが完全に消滅したわけではない」が正しい表現です。
つまり、旧仕様のバーリアルが生産・流通を終了し、リニューアルや後継ブランドへの移行が行われたというのが実際の状況です。
この“販売終了”騒動には、いくつかの要因が重なっています。
1. 原材料や物流コストの高騰
近年の物価上昇により、麦芽やホップ、スターチなどの原材料価格が急騰しました。
さらにエネルギー費や人件費、輸送コストの上昇も重なり、低価格ビール市場は大きな打撃を受けました。
もともと「安さ」を売りにしていたバーリアルは、他の大手メーカー商品と比べて価格競争が厳しいカテゴリです。
そのため、品質を維持しつつ低価格を保つことが難しくなり、製造や流通の見直しが進められたとみられます。
2. 酒税制度改正の影響
バーリアルのような「第三のビール」は、従来ビールや発泡酒よりも酒税が低いことが価格の安さにつながっていました。
ところが、政府は段階的な酒税統一を進めており、2026年にはビール・発泡酒・第三のビールの税率がほぼ同一になる予定です。
つまり、「第三のビールだから安い」という優位性が失われつつあり、バーリアルの価格設定モデルが根本から揺らいでいたのです。
3. リニューアルによる一時的な流通停止
バーリアルは過去にもリニューアルを繰り返しており、そのたびに一時的な出荷停止やパッケージ変更がありました。
2018年には製造拠点を海外から国内の大手ビールメーカー工場に変更し、味わいも刷新。
そして2024年には「バーリアルグラン」として全面的なリニューアルが行われています。
この切り替え期間に旧商品が一斉に姿を消したため、「販売終了」と誤解された可能性が高いです。
4. 流通や在庫整理のタイミング
旧バーリアルの在庫がなくなった店舗から順に棚が空き、地域や店舗によっては“突然消えた”ように見えたことも要因のひとつです。
イオングループは全国に店舗がありますが、商品の入れ替えや在庫処理のタイミングは必ずしも統一されていません。
そのため、ある地域では「もう売ってない」と言われ、別の地域ではまだ旧パッケージが残っていたというケースもありました。
5. 消費者ニーズの変化
最近では、単に安いだけでなく「糖質オフ」「プリン体ゼロ」「クラフト感」など、健康志向や味のこだわりを求める人が増えています。
こうした流れの中で、バーリアルも“味と香りを楽しむ低価格ビール”という方向にシフトしたと考えられます。
バーリアルグランとしてリニューアル！新しい味とコンセプト
バーリアルの後継として登場したのが、「トップバリュ ベストプライス バーリアルグラン」です。
2024年7月23日に全国のイオン約5,200店舗で発売されました。
この新シリーズでは、東北産の希少ホップ「IBUKI」を含む複数のホップを使用し、より香り高く、クリアな飲み口に仕上げられています。
イオンは「毎日飲んでも飽きない味わい」をテーマに掲げており、従来のバーリアルよりも“少し上質な日常酒”を目指しているようです。
バーリアルグランには次の3種類がラインナップされています。
価格は350ml缶で税込118円前後と、依然としてお手頃。
“安いけれど満足できる味”というバーリアルの理念を継承しつつ、時代に合わせたアップデートが行われた形です。
旧バーリアルはもう買えない？現在の入手方法
では、「昔のバーリアル」をどうしてももう一度飲みたいという人は、どこで探せばいいのでしょうか。
店頭での入手
イオン、イオンスタイル、マックスバリュなどの店舗では、基本的に新仕様のバーリアルグランが並んでいます。
ただし、地方や一部店舗では旧パッケージの在庫が残っていることもあるため、偶然見つけられる可能性もゼロではありません。
ネット通販
Amazonや楽天市場では、旧バーリアルの取り扱いはほとんど確認されていません。
また、第三者による転売商品も見かけますが、賞味期限や保管状態が不明な場合があるため注意が必要です。
一方で、イオンの公式通販サイトやイオンスタイルオンラインでは、バーリアルグランの在庫が定期的に補充されています。
確実に入手したいなら、こちらを利用するのが安心です。
コンビニ・酒販店では？
コンビニなど一般の小売店では取り扱いがほぼなく、イオングループ限定販売と考えるのが確実です。
一部のミニスーパーなどでも取り扱いが始まっているとの情報がありますが、安定供給は限定的です。
バーリアルがなくなった理由に見える“時代の変化”
バーリアルの「販売終了」報道の裏には、時代の流れそのものが透けて見えます。
かつては“安さこそ正義”だった時代から、今は“安くてもうまい・安心できる”が求められる時代へと変化しています。
ビール業界全体を見ても、クラフトビールやノンアルコール市場が拡大し、消費者の嗜好は多様化しました。
こうした中で、イオンがバーリアルを“リニューアルによって進化させる”という判断をしたのは自然な流れといえます。
つまり、バーリアルが「消えた」のではなく、「進化して戻ってきた」と捉えるのが正しい理解です。
消費者の声と今後の展望
SNSでは、バーリアルを長年愛飲していた人たちのコメントが多く見られます。
新旧どちらにもファンが存在しており、リニューアルによる賛否が分かれています。
とはいえ、バーリアルグランが継続して発売されていることから、イオンとしてはブランドを今後も大切に育てていく方針と考えられます。
また、酒税改定後の2026年以降は、ビール系飲料の価格が横並びになる見込みです。
このタイミングで、バーリアルグランがどのような位置づけを取るか――PBビールの方向性を占う重要な局面になるでしょう。
まとめ：バーリアル販売終了の真相と今後の楽しみ方
ここまでの内容を整理すると、バーリアルが販売終了と言われた理由は次の通りです。
- 原材料や物流コストの上昇
- 酒税改正による価格構造の変化
- 商品リニューアルに伴う一時的な供給停止
- 店舗在庫や流通の地域差
- 消費者の嗜好変化によるブランド刷新
つまり、旧バーリアルは確かに終売しましたが、新たにバーリアルグランとして再出発しています。
価格も依然として手頃で、味のクオリティも向上。これからも“イオンで気軽に買える毎日の1本”として活躍し続けるでしょう。
店頭でバーリアルグランを見つけたら、ぜひ手に取ってみてください。
リニューアルによって生まれ変わったその味わいから、バーリアルというブランドの進化を感じられるはずです。
バーリアルが販売終了の理由は？終売の背景と今後の入手方法を解説
──かつての安さの象徴から、新しい日常の1本へ。
バーリアルは、時代とともに姿を変えながら、今も私たちのそばにあります。
