「バーバリーの時計ってもう売ってないの？」
そんな疑問を抱いた人は少なくないでしょう。バーバリーといえば、英国を代表する高級ブランド。トレンチコートやバッグの印象が強いですが、実は腕時計も長く人気を集めていました。ところが最近、店頭やオンラインで見かけることがほとんどなくなっています。
この記事では、バーバリーの時計がなぜ販売終了になったのか、その背景と再販の可能性を丁寧に解説します。中古市場の動向や購入時の注意点についても触れますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
バーバリーの時計が販売終了したって本当？
結論から言えば、バーバリーの時計はすでに新規販売を終了しています。公式サイトを見ても腕時計の項目は消えており、現在は中古や並行輸入品でしか入手できません。
もともとバーバリーの時計は、スイス製のムーブメントを搭載した上質なファッションウォッチとして高い人気を誇っていました。代表的な「THE BRITAIN（ザ・ブリテン）」シリーズは、英国デザインの象徴として2010年代に注目を集めましたが、2017年頃を境に新作のリリースが止まりました。
日本ではさらに早く、2015年に三陽商会とのライセンス契約が終了。これにより国内での新規流通がストップし、百貨店や直営店でも取り扱いが消滅していきました。
廃盤になった背景は？ブランド戦略の大転換
バーバリーの時計が販売終了に至った背景には、ブランドの再構築という大きな方針転換があります。
グローバル統一ブランドへの移行
長年、日本では「バーバリーブラックレーベル」や「ブルーレーベル」など、独自ライセンスのブランドが展開されていました。しかし本国イギリスのバーバリーは、世界中で統一されたプレミアムブランドとして再定義する方針を打ち出します。
この流れの中で、ライセンス製品やサブカテゴリーの見直しが行われ、時計やアイウェアなどのライセンス契約が相次いで終了。バーバリー自身がコントロールできるコア領域──トレンチコート、バッグ、アクセサリー──に集中する戦略へとシフトしました。
ライセンスと生産の整理
バーバリーの時計は、スイスの大手時計メーカー「フォッシルグループ」がライセンス生産を手がけていました。ところが2017年にこの契約が終了し、ブランド公式の腕時計製造ライン自体が閉鎖されました。
つまり、世界的に“バーバリーの時計”という製品そのものが消滅したというわけです。
なぜ時計事業をやめたのか？3つの理由
バーバリーが時計ラインを終了した背景には、次の3つの要因が大きく関わっています。
1. ブランド価値の維持
ラグジュアリーブランドとしての地位を確立するため、製品数を絞り込み、より高価格帯・高品質のコアアイテムに注力する流れが強まりました。時計は人気があったとはいえ、あくまでファッション小物の一部。ブランド全体の戦略上、優先順位が下がったと考えられます。
2. 収益性と市場競争
時計業界はロレックスやオメガなど専門ブランドが強く、ファッションブランドの時計は「デザイン性重視」で差別化が難しい分野です。価格帯も中途半端になりやすく、長期的な収益が見込みにくいと判断された可能性があります。
3. メンテナンス体制の課題
時計事業を継続するには、修理・部品供給・アフターサービスといった体制が不可欠です。バーバリーの時計は外部ライセンス製造であったため、契約終了後はそのサポート網を維持するのが難しくなりました。このため「正規の修理対応が受けられない」状況が発生し、結果的にブランドが撤退する決定を下したとみられます。
日本での販売終了タイミング
日本では、三陽商会との契約終了が大きな分岐点でした。
2015年にライセンス契約が終了し、日本市場向けの商品供給がストップ。さらに2017年のフォッシルとの契約終了で、世界的にも腕時計ラインが完全に消滅しました。
その後、日本国内の直営店では時計を扱わなくなり、家電量販店や百貨店の時計コーナーからも姿を消しました。現在では、国内で新品のバーバリー時計を購入する手段は事実上なくなっています。
バーバリーの腕時計はどこで買える？
「それでも欲しい」という人にとって、現在の入手経路は中古市場が中心です。
- 中古時計専門店（実店舗・オンライン）
- オークションサイト（ヤフオク、楽天ラクマなど）
- 海外通販サイト（eBayなど）
こうした場所では、「THE BRITAIN」や「ヘリテージ」「クロノグラフ」など人気モデルが出品されています。
ただし、廃盤品であるため価格は上昇傾向。状態の良い個体や付属品完備のモデルは、数年前より高値で取引されています。
購入時の注意点とメンテナンス事情
バーバリーの時計を中古で購入する際は、次のポイントを押さえておきましょう。
- 保証書・付属品の有無を確認する
正規販売店で購入された個体なら、付属品や保証書が残っている場合があります。信頼性を判断する目安になります。 - ムーブメントの種類を確認する
クオーツ式（電池）か自動巻きかによって、修理対応の難易度が異なります。パーツ供給が途絶えているため、専門業者に依頼できるか事前に確認しておくと安心です。 - アフターサービス体制をチェックする
バーバリー公式の修理窓口はすでに存在しません。民間の時計修理業者に依頼する形になります。信頼できる店舗を選ぶことが大切です。 - 並行輸入・コピー品に注意
現在は正規ルートでの新品供給がないため、並行輸入品や模造品が混在しています。販売元の評価や口コミをしっかり確認しましょう。
廃盤モデルの魅力と人気再燃の理由
販売終了から数年経った今も、バーバリーの時計は根強い人気を保っています。その理由は、デザインと希少性にあります。
バーバリーの腕時計は、シンプルでクラシックな英国デザインが特徴。トレンチコートに似合う洗練されたフォルムと、ブランドの上品さが共存していました。
「THE BRITAIN」シリーズのように、スイス製ムーブメントを搭載した本格派モデルもあり、当時の定価を超える価格で取引されるものもあります。
また、「もう生産されていない」という希少価値が加わり、コレクションやファッションアイテムとしての需要が再び高まっています。
再販や復活の可能性はある？
気になるのは、今後バーバリーが時計事業を復活させるかどうかです。
現時点では、再販の可能性は極めて低いと見られています。
理由は明確で、ブランドがすでに時計事業から完全に撤退し、製造ライセンスも終了しているためです。
再び腕時計を展開するには、製造パートナーの再契約やメンテナンス体制の構築が必要で、現実的には難しい状況といえます。
とはいえ、ファッション業界では「アーカイブ復刻」や「限定コラボ」などで過去の名作を再発売する例もあります。
将来的に、ブランドのアニバーサリー企画や限定アイテムとして一時的に再登場する可能性はゼロではありません。
今後のバーバリーと時計ファンへのメッセージ
現在、バーバリーはファッション業界の中でもラグジュアリーブランドとしての地位を強化しています。デザイナー交代やロゴ刷新など、ブランドの再構築を進める中で、商品ラインはより洗練され、選択と集中が進んでいます。
その一方で、バーバリーの時計は“過去の象徴”として新たな価値を生みつつあります。廃盤になったからこそ、持っている人の個性やスタイルを際立たせる存在になっているのです。
もし今、あなたがバーバリーの時計に惹かれているなら、それは“もう二度と作られない美しさ”に心を動かされているのかもしれません。
バーバリーの時計は販売終了？まとめと今後の展望
- バーバリーの時計は2017年頃に販売終了
- 日本では三陽商会との契約終了（2015年）が転機
- 廃盤の理由はブランド戦略の見直しとライセンス終了
- 現在は中古市場のみで入手可能
- 再販の可能性は低いが、限定復刻の期待は残る
ファッションブランドの中でも特に上品で、どこか知的な印象を与えるバーバリー。腕時計はその美学を体現した逸品でした。
もう新品では手に入りませんが、過去モデルを大切に使う人々によって、その魅力は今も息づいています。
バーバリーの時計は販売終了しましたが、その価値は終わっていません。むしろ、これからが本当の「ヴィンテージバーバリーウォッチ」の時代なのかもしれません。
