「最近フィーバーツリーが店頭から消えた」「いつの間にか買えなくなっている」と感じた人も多いのではないでしょうか。
バーで飲んだあの上品なトニックウォーターを家でも楽しみたいのに、どこにも見当たらない。そんな声がSNSや口コミでも増えています。
今回は、プレミアムミキサーとして知られるフィーバーツリーがなぜ入手困難になっているのか、そして再販の可能性について詳しく見ていきます。
フィーバーツリーとは？英国発のプレミアムミキサー
フィーバーツリーは、2004年にイギリス・ロンドンで誕生した高級ミキサーブランドです。
創業者はチャールズ・ロールスとティム・ワリロー。ブランド名の由来は、トニックウォーターの苦味成分であるキニーネを含む「キナの木（fever tree）」から取られています。
「カクテルの3/4はミキサーでできている。だからこそ最高のものを。」
そんなコンセプトのもと、天然素材にこだわったトニックウォーターやジンジャービアなどを展開し、世界中のバーやホテルで愛用されてきました。
日本でも「プレミアムトニックウォーター」「メディタレーニアン トニックウォーター」「エルダーフラワー トニックウォーター」などが人気で、ジンやウォッカ、ラムの割材としてファンを増やしています。
日本での販売と流通の変化
日本では、これまで複数の輸入代理店を通じてフィーバーツリー製品が流通していました。
成城石井ややまや、イオン、ドン・キホーテなどでも見かけることができ、一部のスーパーでは200ml瓶が常設されていた時期もあります。
しかし、2022年10月、アサヒビール株式会社がFever-Tree社（英国）製品の日本国内販売権を取得。
2023年1月1日から正式にアサヒによる販売体制へ移行すると発表しました。
この発表以降、旧代理店経由の流通が一時停止し、店頭在庫が減少。
その結果、「どこにも売っていない」「在庫切れが続いている」といった声が相次ぐようになったのです。
「販売終了」と言われるようになった理由
まず結論から言えば、フィーバーツリーは販売終了ではありません。
ただし、実際に多くの店舗や通販サイトで「入荷未定」「長期欠品中」と表示されているため、消費者の目には“終売状態”に映ってしまっているのが実情です。
公式サイトやアサヒビールのリリースでは、販売終了に関するアナウンスは一切出ていません。
むしろ、アサヒによる正式な取り扱い開始に伴って、ブランド再構築が進行している段階と考えられます。
つまり「販売終了」ではなく、「一時的な流通停止」「仕入れ調整期間中」である可能性が高いのです。
品薄・入手困難の主な原因
では、なぜここまでフィーバーツリーが入手しづらくなったのでしょうか。
背景にはいくつかの要因が重なっています。
1. 販売権移行による流通リセット
先述の通り、アサヒビールへの販売権移行によって、旧代理店経由の流通が停止。
この切り替え期間に、輸入在庫が一時的に途絶えたとみられます。
新たな物流ルートの整備や価格設定、販売先の調整には時間を要するため、在庫の空白期間が発生してしまったのです。
2. 原材料・輸送コストの高騰
フィーバーツリーの象徴ともいえるトニックウォーターには、キニーネを含む「キナ抽出物」が使用されています。
この原料は採取地域が限られ、品質管理が厳しいことで知られます。
加えて、世界的な物流コスト上昇や為替変動の影響を受け、製造・輸入コストが高騰。結果として供給量が制限される傾向にあります。
3. 瓶製品ゆえの流通負担
フィーバーツリーは環境配慮型のガラス瓶を採用していますが、日本では瓶リサイクルや輸送コストが高く、在庫を持つ販売店の負担が大きくなりがちです。
そのため、販売店によっては「採算が合わない」として取り扱いを縮小したケースもあると考えられます。
4. 市場ポジションの見直し
日本では近年、クラフトトニックや国産ジンジャーエールなど、競合ブランドが増加。
フィーバーツリーのような輸入高級ブランドは、価格面や供給安定性の点で不利になりやすい状況です。
こうした市場変化に合わせ、販売戦略を再構築している可能性もあります。
現在の販売状況と購入できる場所
2024年以降、フィーバーツリー製品は公式サイトでのラインナップ掲載が継続しており、ブランドとしての展開は続いています。
ただし、楽天市場やYahoo!ショッピングなどの通販では「入荷未定」「出荷制限中」という文言が多く見られ、安定供給には至っていません。
一部の高級スーパーや輸入酒専門店では、限定的に在庫が入荷するケースも確認されています。
オンラインショップでは「在庫あり」「入荷次第発送」といった表示を見逃さないのがコツです。
また、海外直輸入品を取り扱う並行輸入業者から購入する方法もありますが、価格やラベル仕様が異なる場合があるため、信頼できる販売元を選ぶことが大切です。
再販や供給再開の可能性
アサヒビールが正式に販売権を持っている以上、今後もフィーバーツリーの日本展開は続く見込みです。
ただし、新体制のもとで再販が本格化するには、流通経路の再整備やマーケティング施策が必要です。
当面は数量限定・地域限定での取り扱いが中心となりそうです。
再販再開が確認された際は、公式サイトやアサヒビールのニュースリリースで発表される可能性が高いでしょう。
そのため、最新情報を得たい場合は公式のSNSや通販サイトの「入荷通知」を登録しておくのがおすすめです。
フィーバーツリーの魅力と代替候補
フィーバーツリーがこれほど注目されるのは、他にない「香り」「口当たり」「苦味のバランス」があるからです。
人工甘味料を使わず、天然由来の素材でつくられた味わいは、ジンやラムの風味を引き立て、カクテルを格上げしてくれます。
もし現時点で入手が難しい場合は、以下のような国産・輸入の代替ミキサーも検討できます。
これらも品質の高い炭酸ミキサーとして人気があり、自宅でも手軽にカクテルを楽しめます。
今後の展望とまとめ
フィーバーツリーの「販売終了」という噂は誤解であり、実際は流通再構築中の一時的な供給停止が主な原因です。
販売権を持つアサヒビールによる正式な再販が始まれば、再び国内のバーやスーパーで見かける日も遠くないでしょう。
一方で、円安や物流コストの上昇を踏まえると、再販時には価格改定やラインナップ縮小の可能性もあります。
購入を希望する人は、見かけたタイミングで確保しておくのが賢明です。
フィーバーツリーが販売終了？最新の入手情報を追う
現時点では「販売終了」ではなく「一時的な入手困難」というのが正確な状況です。
再販情報はアサヒビールの公式発表やフィーバーツリー公式サイトを随時チェックするのがおすすめ。
クラフトジンブームを支えたあの味が、再び日常の一杯に戻ってくる日を楽しみに待ちましょう。
