ホレホレチョコレートとはどんなお菓子だったのか
「ホレホレチョコレート」という名前を聞くと、思わず懐かしいと感じる人も多いのではないでしょうか。明治が2014年3月に発売したこのチョコレートは、ただのチョコ菓子ではありませんでした。
スプーンでチョコを“掘る”ように食べ進め、中からグミを見つけるという遊び心たっぷりのコンセプト。グミにはオレンジ味の「本物」とレモン味の「ニセモノ」があり、まるで発掘ゲームのように楽しめるという独特のアイデアが話題になりました。
袋の中には55gほどのチョコレートが入っており、全12種類のグミがランダムに潜んでいるという仕掛け。子どもはもちろん、大人もどこかワクワクしてしまう構成で、SNSでも一時期「掘って楽しい」「当たりが出た」といった投稿が見られました。
いつの間にか見かけなくなった理由
そんなユニークなお菓子が、今ではすっかり店頭から姿を消しています。
家電量販店やスーパーのオンラインストアでは「販売を終了しました」と明記されており、公式サイトでも取り扱いがなくなっている状況です。
では、ホレホレチョコレートはなぜ販売終了になってしまったのでしょうか。明治から公式な理由は発表されていませんが、業界動向やユーザーの声からいくつかの背景が見えてきます。
販売終了の背景①：子ども菓子市場のトレンド変化
まず考えられるのは、子ども向け菓子の流行のサイクルが早すぎるという点です。
2010年代後半以降、健康志向や「糖質オフ」「ナチュラル志向」のお菓子が増え、甘くて遊び要素の強い商品は少しずつ減少していきました。
SNSを中心とした情報拡散では「かわいいパッケージ」や「限定フレーバー」の注目が集まり、ホレホレチョコレートのような“仕掛け重視”タイプはやや古風に見られたのかもしれません。
実際、同時期に発売された他のキャラクター菓子や期間限定チョコレートは、数年で入れ替わっています。お菓子業界では定番化しない商品が淘汰されるのが常であり、ホレホレチョコレートもその波に飲み込まれたと見るのが自然です。
販売終了の背景②：コスト上昇と採算性の問題
次に考えられるのが、製造コストの高騰です。
近年、カカオ豆や砂糖、包装資材の価格が上がり続けています。特にチョコレートは原材料の影響を大きく受けるため、利益率が低い商品ほど打撃を受けやすい。
ホレホレチョコレートは「チョコ＋グミ＋スプーン＋パッケージ」という多層構造を持つため、単純な板チョコよりも手間がかかります。
遊び要素を維持するためにコストがかかりすぎ、採算が合わなくなった可能性は十分にあります。
販売終了の背景③：明治の「選択と集中」戦略
明治は過去にも、人気があったチョコレートポルテなどを終了させています。その際、広報が「商品ラインナップの選択と集中を進めている」とコメントしたことが報じられました。
つまり、利益率やブランドイメージを軸に“残す商品”を絞っているのです。
ホレホレチョコレートは一発屋的な話題性があったものの、継続的なヒットにはつながらなかった。明治のチョコレートカテゴリーはきのこの山・アーモンドチョコ・マーブルチョコなど定番が多く、そこで安定した売上を出せない商品は自然と整理の対象になったと考えられます。
販売終了の背景④：ユーザー層の絞り込みと売上不振
実際にSNSやQ&Aサイトを見ると、「最近見かけない」「もう売ってないの？」という投稿が2018〜2019年ごろから増え始めています。
「掘るのが面倒」「一度食べたら満足」という声も見られ、リピート率が高くなかった可能性があります。
子ども向けのお菓子は「体験型」であっても、継続購入が見込めなければ棚から外されやすい。メーカーや小売店にとっては、回転率の高い商品を優先せざるを得ない事情があります。
また、2010年代後半にはキャラパキ発掘恐竜チョコや「化石チョコ」など、同じような“発掘系”お菓子が他メーカーから相次いで登場しました。競合の中で差別化が難しくなったことも、終了の一因といえるでしょう。
いつ頃販売終了になったのか
公式な終了日こそ公表されていませんが、販売情報をたどると2019年前後には流通が途絶えたとみられます。
通販サイトの最終登録が2017年10月、翌年以降は「販売を終了しました」と表示されるようになりました。
つまり、2014年の発売からおよそ5年ほどで市場から姿を消した計算になります。
ホレホレチョコレートのような季節限定ではない通年商品でこのサイクルは、明治のラインナップでは比較的短命な部類です。話題性はあったものの、固定ファンの層が狭く、再生産を続けるだけの需要がなかったのかもしれません。
再販や復刻の可能性はある？
「また食べたい」「子どもに見せたい」という声が一定数ある中で、再販の噂もネット上に出ています。しかし、2025年現在、公式に再発売された事実は確認されていません。
明治の公式サイト「製造終了商品」一覧にも、ホレホレチョコレートは掲載されておらず、復活の動きも見られません。
ただし、「発掘して遊べるチョコレート」というアイデアは他メーカーに引き継がれています。
たとえば、バンダイのキャラパキ発掘恐竜チョコや、ロッテのチョコっと発掘シリーズなどがそれに近い存在。
味わいよりも“体験”を重視したコンセプトは根強い人気があり、ホレホレチョコレートのファンもこれらの商品で当時の感覚を少し味わえるかもしれません。
消費者が感じる“思い出補正”とロングセラーの条件
ホレホレチョコレートが短期間で消えた背景には、単に売上だけでなく、「一度食べれば十分」という体験型商品の宿命もあります。
お菓子には“食べる楽しさ”と“遊ぶ楽しさ”の両面がありますが、どちらかが強すぎると継続購入にはつながりにくい。
一方で、ロングセラー商品は味や価格、入手しやすさといった“生活の一部”として定着する傾向があります。
ホレホレチョコレートはどちらかといえば“話題性”に寄った商品でした。発売当初の盛り上がりは大きかったものの、日常的に買うお菓子としては浸透しづらかったのかもしれません。
「もう一度食べたい」声が支える再注目の動き
興味深いのは、発売から10年以上経った今でもSNSや掲示板で「ホレホレチョコレートって覚えてる？」「また売ってほしい」という声が見られること。
特に2020年代に入り、昭和〜平成のお菓子が再販される流れが強まっていることから、ファンの間では「次はホレホレチョコレートの番では？」という期待も出ています。
明治が再販を決断するかどうかは不明ですが、当時のような“体験型チョコレート”は一定の需要があります。近年のリバイバルブームの波に乗れば、限定復刻として再び日の目を見る可能性はゼロではありません。
まとめ：ホレホレチョコレート販売終了の理由と再販の行方
ホレホレチョコレートが販売終了になった理由は、公式には発表されていません。しかし、
・子ども菓子市場のトレンド変化
・原材料や物流コストの上昇
・明治のラインナップ整理（選択と集中）
・売上不振とリピート率の低下
といった複数の要因が重なった結果とみられます。
今では購入が難しいものの、当時のユニークな発掘体験を思い出す人は少なくありません。
同系統のキャラパキ発掘恐竜チョコシリーズなどで“掘る楽しみ”を再び味わいつつ、いつかホレホレチョコレートが復活する日を待ちたいところです。
