かつて「24時間戦えますか？」のキャッチコピーで一世を風靡した栄養ドリンク「リゲイン」。仕事や勉強のお供として愛飲していた人も多く、いまでも懐かしく感じる方は多いのではないでしょうか。そんなリゲインが近年、店頭から姿を消し、「販売終了した」と話題になっています。
この記事では、リゲインの販売終了の背景や理由、さらに現在購入できる類似商品まで、徹底的に調査しました。
リゲインとは？バブル期を象徴した“戦う社会人”のドリンク
リゲインは、第一三共ヘルスケア（旧・三共株式会社）が発売していた栄養ドリンクです。1988年の発売当初から、「24時間戦えますか？」というキャッチコピーで社会現象を巻き起こしました。働くビジネスマンの象徴ともいえる存在で、当時はテレビCMでの強烈な印象が記憶に残っている方も多いでしょう。
主成分はタウリンやビタミンB群、リバオールなどの滋養強壮成分。肉体疲労の回復や体力維持を目的とした医薬部外品として、多くの人に支持されていました。
その後、「リゲインエナジードリンク」「リゲインZERO」「リゲインS1」など派生商品が登場し、一時はブランドラインが拡大。しかし、近年はその姿を見ることが少なくなりました。
実際に販売終了している？リゲインの現状
リゲインは現在、一部の商品を除き販売終了・出荷終了となっています。
第一三共ヘルスケアの公式サイトによると、代表的な「リゲインZERO」は2024年5月に製造終了。さらに通販限定の錠剤タイプ「リゲイン メディラクト」も2023年12月をもって販売を終了しました。
また、2024年春には主要ラインの出荷終了が報じられており、店頭での流通はほぼ見られなくなっています。コンビニやドラッグストアをいくつか回っても見つけられないという声も多く、「実質的に販売終了」といって差し支えない状況です。
なお、「MJ-リゲイン」など一部の医薬部外品タイプはまだ掲載されていますが、在庫や取り扱い店舗はごく限られており、全国的にはほぼ終息したと見られます。
なぜリゲインは販売終了になったのか？5つの理由
1. 栄養ドリンク市場そのものの縮小
かつては疲労回復ドリンクの代名詞だった栄養ドリンク市場ですが、2000年代以降は長期的に縮小傾向にあります。
調査によると、市場全体の販売額はピーク時よりも約8〜10％減少。若年層を中心に、エナジードリンクやサプリメントに需要が移っているのが現実です。
こうした市場の変化により、従来型の栄養ドリンクを維持する採算性が悪化したことが、販売終了の大きな要因と考えられます。
2. エナジードリンクの台頭
レッドブルやモンスターなど、エナジードリンク市場が拡大する中で、従来の「栄養ドリンク」との線引きがあいまいになってきました。
リゲインは“医薬部外品”として疲労回復をうたっていた一方で、エナジードリンクは“清涼飲料”として手軽に購入でき、味やデザインも若者向け。結果として、ユーザー層が大きく入れ替わっていったのです。
3. ブランドイメージが時代とズレた
リゲインの象徴だった「24時間戦えますか？」というメッセージは、バブル期には時代の空気に合っていました。
しかし、現代では「無理をしない」「休むことも大事」といった価値観が主流になり、働き方改革やメンタルケアの重要性が注目されています。
この時代の変化に対して、リゲインがブランドとして新しいポジションを確立できなかったことも、消費者の共感を得にくくなった理由の一つでしょう。
4. 原料高騰・製造コストの増大
近年はエネルギードリンクや医薬部外品全般で、原料コストや流通コストの上昇が続いています。瓶入りドリンクの製造や保管はコストが高く、採算性の低下が顕著になりました。
市場全体で棚スペースの競争も激化しており、販売量の減った商品を維持するメリットが薄れたと考えられます。
5. ブランド整理と戦略転換
第一三共ヘルスケアでは、医薬部外品・サプリメントのブランドを再編しており、「リゲイン」もその一環として整理対象となったと見られます。
実際、リゲインブランドはドリンクからサプリメントへとシフトを試み、「リゲイン トリプルフォース」や「リゲイン スリープチャージ」などが登場しました。
これらは「働く人を支える」というコンセプトを引き継ぎながらも、現代の健康志向に合わせた商品設計になっています。
再販やリニューアルの可能性はある？
現時点では、リゲインの再販や復刻に関する公式情報は出ていません。
ただし、ブランド自体は完全に消滅しておらず、サプリメント・機能性表示食品などの形で名称が生き続けています。
そのため、今後「ドリンクタイプの新リゲイン」として復活する可能性もゼロではありません。とはいえ、現段階では「販売再開予定なし」と考えるのが現実的です。
リゲインが買えない今、代わりになる類似商品は？
リゲインが手に入らない今、同じように疲労回復やエネルギー補給を目的とした商品を探している方も多いはずです。ここでは代表的な代替アイテムを紹介します。
- リポビタンD（大正製薬）
タウリン1,000mgとビタミンB群を配合。長年の定番ブランドで、全国のドラッグストアやコンビニで入手可能です。 - オロナミンC（大塚製薬）
炭酸入りで飲みやすく、ビタミンCを中心とした爽快系ドリンク。気分転換にも向いています。 - チオビタドリンク（大鵬薬品）
医薬部外品としての栄養ドリンク。リゲインと似たポジションで、疲れを感じたときの栄養補給に。 - レッドブル、モンスターエナジー
若年層に人気の高い製品群。カフェイン・アルギニン・糖分を含み、集中力維持や気分のリフトアップに利用されています。
また、「リゲイン スリープチャージ」「リゲイン トリプルフォース」など、現行のリゲインブランドサプリを試してみるのも選択肢の一つです。ドリンクと異なり、継続的なコンディション維持に焦点を当てています。
リゲインが残したものと、働き方の変化
リゲインは単なる栄養ドリンクではなく、「頑張る人を応援する文化」の象徴でもありました。
1980〜90年代、日本が高度成長からバブル経済へと突き進む中で、“働く＝戦う”という価値観を支える象徴的な存在だったのです。
そのキャッチコピーは時代の縮図でもあり、多くの人にエールを送りました。
しかし令和の今、求められているのは「休むことも含めた働き方」。
リゲインが姿を消した背景には、社会全体の価値観の転換があるといえるでしょう。
それでも、「疲れを癒やし、明日も頑張る」という根本的なニーズは変わらず存在しています。
リゲイン販売終了のまとめとこれから
リゲインの販売終了は、時代の流れと市場構造の変化を象徴する出来事です。
栄養ドリンク市場の縮小、エナジードリンクの台頭、そして“24時間戦う時代”の終焉。
これらの要素が重なり、長年親しまれたブランドが静かに幕を下ろしました。
現在は一部の在庫やサプリメント形態のみが残り、かつてのようにコンビニで気軽に買える時代は終わりを迎えています。
それでもリゲインが残したメッセージ──「働く人を支える」──は、今も別の形で受け継がれています。
そして、もし再び「リゲイン」という名前が市場に戻ることがあれば、それは“無理をせず、自分らしく頑張る人”を応援する新しい時代の象徴になるかもしれません。
リゲイン販売終了の背景を振り返ると、ただの製品終売ではなく、社会や価値観の移り変わりそのものが映し出されています。
あなたにとっての“次のリゲイン”は、きっと別の形で見つかるはずです。
