コンビニやスーパーで長年見かけてきた「リプトン紙パック」。あのミルクティーをストローで飲む感覚に、懐かしさを覚える人も多いのではないでしょうか。ところが近年、「リプトン紙パックが販売終了したらしい」という噂がSNSで広がりました。
本当に終売になってしまったのか、それとも一部だけなのか。ここでは、販売終了の背景と復活の経緯、そして今後の販売予定について詳しく解説していきます。
リプトン紙パックが販売終了したのは本当?
結論から言うと、「完全に販売終了」ではありません。
2022年3月に、森永乳業が展開していた「リプトン ミルクティー(紙パック)」を含む一部フレーバーが終売となりました。ニュースでも「長年愛された紙パック紅茶が姿を消す」と報じられ、SNSでは「青春の味がなくなる」と惜しむ声が多数寄せられました。
ただし、これはリプトンブランド全体の撤退ではなく、あくまで「紙パック仕様の一部商品」の終売です。ペットボトル製品やティーバッグなどは引き続き販売されています。
そして、ファンからの熱い要望により、翌年2023年3月には「リプトン ミルクティー(紙パック)」が再発売。つまり、“一度終売になったが復活した”というのが正確な流れです。
終売の背景にあった3つの理由
では、なぜ長年親しまれてきたリプトン紙パックが終売になったのでしょうか。主な背景には、次の3つの要因が挙げられます。
1. 紙パック飲料市場の縮小
少子化やライフスタイルの変化により、学生や通勤者を中心に紙パック飲料を購入する機会が減少しました。
特にコロナ禍では外出自粛やリモートワークが広がり、コンビニで「ちょっと一息」の需要が減少。紙パック紅茶の売上は下がり、棚から姿を消していったのです。
ペットボトル飲料の利便性や、持ち運びやすさが好まれるようになったことも大きな要因でした。
2. コストと流通の課題
紙パック飲料は、ペットボトルや缶に比べて製造・流通コストが高くなりやすいといわれています。
また、紙資材の価格上昇や冷蔵保管コストの負担も増大。製造効率の観点からも、人気が集中する一部の製品にラインナップを絞る動きが進みました。
森永乳業としても、ブランドの見直しとともに「リプトン ロイヤルミルクティー」などの新シリーズへ移行するタイミングだったと考えられます。
3. 味とブランドの刷新
従来の紙パックシリーズは“懐かしい味”として愛されていましたが、市場全体では「より濃厚」「カフェ風」「上質」な紅茶飲料が求められる傾向が強まりました。
こうした嗜好変化に対応する形で、2022年には「リプトン ロイヤルミルクティー」が登場。ミルク感を増やした“乳飲料”規格の商品へと切り替えられたのです。
この切り替えにより、従来のリプトン ミルクティー紙パックは一時的に姿を消すことになりました。
SNSで巻き起こった「惜別と復活の声」
販売終了のニュースが出た直後、SNSでは驚きと悲しみの声が相次ぎました。
「学生時代の味がなくなるなんて」「部活帰りに毎日飲んでた」「青春が終わった気がする」――。
まるで友達との思い出が消えてしまうような喪失感を覚えた人も少なくありません。
こうした反応を受けて、森永乳業の問い合わせ窓口には半年間で667件もの再販要望が寄せられました。これは同社史上最多の数。ファンの熱量がいかに高かったかがわかります。
この声を受けて、メーカーは2023年3月に“旧リプトン ミルクティー”を再発売。「667通のラブレター」というコンセプトの短編アニメも制作され、消費者の愛着に応える形で復活を果たしました。
復活したリプトン紙パックの現状
再販された「リプトン ミルクティー(紙パック)」は、全国(沖縄を除く)で販売されています。容量は450mlまたは900mlと、従来の500mlから少し変更されました。
ケニア産茶葉を使用し、2019年当時の味をベースにした“元の味に戻った”仕様で、SNSでも「懐かしい!」「この味を待ってた」と好評を得ています。
ただし、すべての店舗で常時販売されているわけではありません。
地域やチェーンによっては取り扱いが少なく、「見かけない」「売ってない」という声も。特に地方のスーパーやコンビニでは入荷が不定期なことも多いようです。
また、他のフレーバー――リプトン レモンティーやリプトン アップルティーなどの紙パック版は再販されておらず、現在はミルクティーが中心となっています。
今後の販売予定と展望
現時点で、森永乳業から新しいラインナップ拡充や再販予定の正式発表は出ていません。
しかし、復活までの経緯を考えると、ファンの声が大きな力を持っていることは確かです。
メーカーはリプトンブランドを通して「懐かしさ×新しさ」のバランスを取りながら展開しており、紙パック製品は今後も“定番ミルクティー”を中心に継続される見込みがあります。
ただし、流通や販売チャネルが限定される可能性は高く、「見かけたら買っておく」くらいの気持ちが現実的です。
一方で、今後はペットボトルやカフェボトルタイプなど、環境に配慮したパッケージに移行していく動きもあるでしょう。
紙パックというフォーマットが持つ“青春の味”は残しつつ、時代に合った形で進化していく可能性があります。
思い出の味をもう一度
リプトン紙パックが一時的に販売終了したニュースは、多くの人にとって「時代の節目」を感じさせました。
けれど、その後の復活劇は、ファンの声が企業を動かすという象徴的な出来事でもあります。
あのストローを刺して一口飲んだ瞬間に広がる、やさしい甘さと紅茶の香り。
それは、何気ない日常の中にあった“青春の味”そのものでした。
もし今、コンビニやスーパーでリプトン紙パックを見かけたなら、ぜひ手に取ってみてください。
あの頃と同じ味が、またあなたの日常に戻ってきているかもしれません。
リプトン紙パック販売終了のまとめ
・リプトン紙パックシリーズは、2022年に一部フレーバーが販売終了した。
・その後、ファンの要望により「リプトン ミルクティー(紙パック)」が2023年に復活。
・現在はミルクティー中心に販売されており、他の味は終売のまま。
・再販の背景には、667通の復活希望が寄せられるほどの人気と愛着があった。
・今後も紙パック仕様は限定的に継続しつつ、新仕様への移行が進む可能性が高い。
リプトン紙パックの販売終了と復活は、時代の変化を映す小さなドラマでした。
これからも、懐かしさとともに新しい形でリプトンが私たちのそばにあり続けてくれることを期待したいですね。
