「ロッテのガムが販売終了したらしい」――そんな噂をSNSやニュースで目にして、驚いた方も多いのではないでしょうか。
グリーンガム、ブルーベリーガム、コーヒーガムなど、子どものころから慣れ親しんできたロッテのガム。
実際のところ、どのガムが本当に終売となったのか、そして今後も買えるのか――今回は、その真相を丁寧に解説していきます。
ロッテのガムが長く愛されてきた理由
ロッテといえば、日本のガム市場をけん引してきた代表的ブランドのひとつです。
グリーンガムやクールミントガム、スペアミントガムなど、昭和から平成にかけて誰もが一度は手にしたことがある定番商品が数多くありました。
特に薄い板状の紙包みガムは、コンビニや駄菓子屋のレジ横に必ず並んでいたほど。
香りと味のバランス、そして“リフレッシュしたいときに噛む”という習慣が、多くの人の生活に溶け込んでいました。
しかし近年、この「ガムを噛む習慣」が減少しています。
マスク生活が長引いたことや、タブレット菓子・ミントタブレットなど代替商品が増えたことが大きな理由といわれています。
つまり「ガムが売れにくくなった時代」が、ロッテを含むメーカーの方向性を変えたのです。
本当に販売終了しているロッテのガムとは?
まず、「販売終了=すべてのガムがなくなった」というわけではありません。
ロッテは現在でもキシリトールガムや歯につきにくいブルーベリーガム、梅ガムなど、さまざまな商品を販売しています。
ただし、かつて定番だった板ガムの多くはすでに生産を終了しています。
代表的な“終売ガム”を挙げると以下の通りです。
- コーヒーガム:1962年発売。1990年代に一度販売を終了。
- ジューシー&フレッシュガム:1970年に登場し、1990年代半ばまで販売。
- イブ:1972年に登場した香水ガム。1995年頃に生産終了。
- ドナ:1980年代前半に登場し、短期間で姿を消したレアな板ガム。
これらの製品はすでに定常販売を終了していますが、「完全廃盤」というより「一時的な終了」と表現した方が正確です。
というのも、ロッテはこれらのガムを**“復刻版”として限定再販**することがあるからです。
「販売終了」が話題になる理由
SNSなどで「ロッテのガムが販売終了した」と話題になるのは、次のような要因が重なっているからです。
1. 店頭で見かけなくなった
スーパーやコンビニの棚から板ガムが消えたことで、「もう売っていない」と感じる人が増えました。
実際、店舗によってはボトルガムやタブレット菓子に棚を切り替えたところも多く、物理的に“目に入らない”状態になっています。
2. マスク生活と消費者習慣の変化
コロナ禍以降、長時間マスクをする生活が続き、口を動かすことを避ける傾向が広がりました。
その結果、ガムよりもタブレットタイプのミントや飴に需要が移行。
このトレンド変化が販売数の減少につながり、一部商品の生産終了を招いたと考えられます。
3. 製造・流通コストの上昇
板ガムは紙包み包装や薄型成形が必要なため、ボトルガムよりコストがかかると言われています。
市場全体が縮小する中で、生産効率の面から整理された商品もあったようです。
復刻で再注目されるロッテのガムたち
「販売終了」と聞くと寂しい印象を受けますが、実はここ数年、ロッテは“懐かしのガム復刻プロジェクト”を積極的に展開しています。
復刻シリーズはSNSでも話題となり、即完売することも珍しくありません。
コーヒーガム&ジューシー&フレッシュガムの復刻
2024年3月、ロッテはこの2商品を期間限定で再発売しました。
当時のパッケージデザインや香りを再現しつつ、現代的な味わいにアップデートされており、多くのファンが懐かしさに浸りました。
発売直後には一部店舗で品薄状態となるほどの人気ぶりでした。
イブ・ドナの復刻
さらに同年8月には、「イブ」「ドナ」という1980〜1990年代に人気を博したガムも復刻。
特に「イブ」は“香りで印象を残すガム”として再評価され、SNSでは「当時の思い出がよみがえる」と話題になりました。
これらの復刻は、単なるノスタルジー商法ではなく、「ガム文化の再認識」というロッテのメッセージでもあります。
現在も販売が続いているロッテのガム
「販売終了」とは言っても、ロッテのガム事業が消えたわけではありません。
今も全国で購入できる定番商品も多くあります。
- キシリトールガムシリーズ
虫歯の原因になりにくいとされるキシリトールを配合。ボトルタイプが主流。 - ACUOシリーズ
口臭ケアを意識したガム。清涼感が強く、オフィスや車内でも人気。 - 歯につきにくいブルーベリーガム・梅ガム
旧来の板ガムブランドを引き継ぎながら、“歯につきにくい”という機能を加えた進化版。
これらは現在も公式サイトで紹介されており、スーパーやECサイトで購入が可能です。
つまり、「ロッテのガムがすべて販売終了した」というのは誤解であり、“一部商品のみが終了・再編された”というのが実情です。
今後のロッテのガムの展望
ロッテは「復刻」「限定」「機能性」という3つの方向でガム事業を展開していくと考えられます。
1. 限定復刻路線の継続
消費者の記憶に残るブランドを再び蘇らせることで、話題性と購買意欲を喚起する戦略です。
実際、復刻ガムはSNSやメディアでも大きく取り上げられ、若い世代にも“新鮮なレトロ菓子”として受け入れられています。
今後も年に数回、過去の人気商品が限定復刻される可能性は高いでしょう。
2. 機能性ガムへの注力
「歯につきにくい」「息をリフレッシュ」「キシリトール配合」といった機能面を打ち出す商品が増えています。
健康志向やエチケット意識が高まる中、ガムは“お菓子”から“ケアアイテム”へと進化しつつあります。
3. 販売チャネルの多様化
かつてのように全国コンビニで常に買える形ではなく、今後はECや限定店舗中心の展開にシフトしていくとみられます。
「ネットでしか買えない復刻ガム」「予約限定ボトル」など、オンライン限定モデルが増えるのも時間の問題です。
「販売終了」は終わりではなく、形を変えた再出発
ロッテのガムは確かに一部終売となりましたが、それは“時代の変化に合わせたリニューアル”でもあります。
板ガムが姿を消しても、味や香り、ブランドの記憶は残り続けています。
復刻ガムが発売されるたびに、昔を懐かしむ声が上がり、親から子へ“ガム文化”が受け継がれていく――。
そうした動き自体が、ロッテのガムが今なお愛されている証拠と言えるでしょう。
ロッテのガムが販売終了って本当?まとめ
最後にもう一度整理します。
- 「ロッテのガムがすべて販売終了した」は誤り。
- 終売となったのは一部の板ガム(コーヒーガム、イブなど)。
- 現在はキシリトールガムや機能性ガムが主力。
- 復刻シリーズによって、過去の名作ガムが期間限定で再登場している。
- ガム市場は縮小しているが、ロッテは新しい形でブランドを継続中。
つまり、ロッテのガムは「終わった」のではなく、「進化しながら続いている」のです。
懐かしい味をもう一度楽しみたい人は、公式サイトやネットショップの復刻情報をチェックしてみてください。
そこには、かつての思い出と新しい発見が待っているはずです。
