「東レナチュレハードが販売終了したらしい」という話題が、コンタクトユーザーの間でじわじわ広がっています。
長年愛用していた人にとっては突然のニュースで、「これからどうすればいいの?」「代替品はあるの?」と不安になるのも当然ですよね。
この記事では、ナチュレハード販売終了の背景や時期、そして今後の代替品・後継モデルについて、分かりやすく整理してお伝えします。
東レナチュレハードとは?どんなレンズだったのか
まずは、そもそも「東レナチュレハード」がどんなハードコンタクトレンズだったのかをおさらいしておきましょう。
ナチュレハードは、東レが開発した「やわらかハード®」素材を採用したハードコンタクトレンズシリーズ。
一般的なハードレンズに比べて割れにくく、酸素透過性も高いのが特長です。
- 高い酸素透過率で目に優しい
- 割れにくい素材で長く使える
- 国内一貫生産による安定品質
こうした特徴から、長年の愛用者も多く、「慣れやすく外れにくいハードレンズ」として定評がありました。
販売チャネルの多くは、コンタクト専門店チェーン「アイシティ」などを通じて提供されており、医師の処方を経て購入する医療機器として扱われていました。
東レナチュレハード販売終了の正式発表
販売終了が公式に発表されたのは2025年5月22日。
アイシティの公式ニュースで、「ナチュレハード」「ナチュレハードLX」「ナチュレハードLX Rich」の3種類が販売終了になると告知されました。
販売終了のスケジュールは次の通りです。
- 新規販売終了日:2026年3月31日(火)
- 保証対応終了日:2026年9月30日(水)
また、「注文状況によっては上記日程より前に出荷が終了する場合もある」との注意も記載されています。
つまり、製品そのものの製造はすでに段階的に縮小されており、在庫や度数によっては早期に販売が終了するケースもあるということです。
なお、この告知はメーカーである東レではなく、販売店側(アイシティ)から出されたものです。
東レ公式サイトでは製品ラインナップの記載こそあるものの、販売終了の詳細には触れていません。
廃盤の理由は「安定供給の難しさ」
販売終了の理由として挙げられたのは「安定した供給の継続が難しくなったため」。
一見抽象的に感じますが、背景を探っていくといくつかの要因が見えてきます。
需要の減少と市場変化
ハードコンタクトレンズ市場は、ソフトタイプや1日使い捨てタイプの普及により年々縮小しています。
装用感やケアの手間などから、初心者や若年層の多くはソフトレンズに流れる傾向があり、ハードレンズのシェアは低下し続けています。
「近年の利用状況を踏まえて」との表現からも、需要減少が主な要因のひとつと考えられます。
製造コストと国内生産体制
ナチュレハードは「純国産」をうたう製品でした。
素材開発から加工・検査までを国内で一貫して行うため、品質面では信頼性が高い反面、コスト負担は大きくなります。
利用者が減少しているなかで、国内製造体制を維持するのは容易ではなかったのでしょう。
品質管理・医療機器対応の負担
ハードレンズは医療機器として承認・管理が必要です。
品質保証や製造工程の安全基準を維持するための体制整備には、一定のコストと人員が必要です。
特に近年は医療機器関連法規が厳格化しており、採算が合わない製品は整理される傾向があります。
こうした複数の事情が重なり、「安定した供給が難しい」という表現に至ったと見られます。
ユーザーの反応と困惑の声
販売終了のニュースが出た直後から、長年のユーザーの間では戸惑いや不安の声が多く見られました。
「もう同じレンズが買えないの?」
「眼科で他のレンズを勧められたけど、装用感が違って合わない」
SNSやレビューサイトでも、ナチュレハード愛用者が代替品探しに苦労している様子が目立ちます。
一方で、「他社のハードレンズに切り替えたら問題なく使えている」という声もあり、完全な代替が不可能というわけではありません。
重要なのは、「自分の目の形状や度数に合った別のレンズを、専門家の診察を受けたうえで選ぶこと」。
ハードレンズは微妙なフィッティングが視力や装用感に影響するため、自己判断での乗り換えは避けたほうが安心です。
ナチュレハードの代替品・後継モデル候補
販売終了が決まった今、もっとも気になるのは「代わりになる製品があるのか?」という点でしょう。
ここでは、実際に使用者や店舗で推奨されている代替候補を紹介します。
1. ブレスオーハードシリーズ(メニコン)
レビューなどでは「ナチュレハードと似た装用感」「眼科で勧められた」との声が多い製品です。
東レ製品との素材特性が近く、酸素透過性や耐久性も高評価。
「ブレスオーハードⅡフィット」は、装用感を重視するユーザーに向いています。
2. プレリーナⅡ(東レ)
一部の眼科やユーザーの間では「ナチュレハードLXと同等品」とも言われており、実質的な後継製品と見なされています。
同じ東レ製であるため、素材や装着感の面で違和感が少ないとされています。
3. ソフトレンズへの切り替えも選択肢
これまでハードレンズを使用してきた人でも、技術の進化によりソフトタイプでの視力矯正が可能なケースも増えています。
特に遠近両用や乱視対応の高性能ソフトレンズが充実しているため、眼科で一度相談してみる価値はあります。
どの製品を選ぶにしても、ベースカーブ(BC)や直径(DIA)、度数(PWR)などが微妙に異なるため、必ず眼科での検査・処方を受けるようにしましょう。
在庫・保証・交換対応について
ナチュレハードシリーズは2026年3月末で新規販売が終了しますが、すでに在庫の減少が始まっています。
特に特注度数や左右差のある処方では、早めに出荷停止になる場合もあります。
販売元であるアイシティでは、保証対応を2026年9月末まで継続予定ですが、製品の在庫や交換可能な範囲は限られる可能性があります。
定期検診の際に、眼科または販売店に在庫状況を確認しておくのが安心です。
また、保証期間中であっても「製品が入手できない場合」は、同等品への交換提案になるケースもあるため、余裕を持って相談しましょう。
今後の動向とユーザーへのアドバイス
東レナチュレハードの販売終了は、国内ハードコンタクト市場の縮小傾向を象徴する出来事でもあります。
しかし、ハードレンズ自体がなくなるわけではなく、より高性能・高酸素透過のモデルや、装用感を改良した後継シリーズが今後も登場しています。
すでにナチュレハードを愛用している方は、次のステップを意識するとスムーズです。
- 在庫があるうちに予備を確保する
- 定期検診時に代替レンズ候補を相談する
- フィッティング調整を受けてから新製品に移行する
ハードレンズは一度慣れると長期間使えるものですが、目の状態は年齢とともに変化します。
販売終了をきっかけに、一度レンズの見直しを行う良いタイミングと捉えるのもおすすめです。
東レナチュレハード販売終了まとめ
東レナチュレハードは、割れにくく酸素透過性の高い「やわらかハード®」素材で人気を集めてきましたが、
需要減少や供給体制の維持困難といった要因から、2026年3月末をもって販売終了となります。
長年使ってきた人にとっては残念なニュースですが、ブレスオーハードやプレリーナⅡといった代替製品が存在します。
重要なのは、焦らず専門家のアドバイスを受け、自分の目に最適なレンズを選ぶことです。
販売終了はひとつの区切りですが、視力や快適さを守るための選択肢はまだたくさんあります。
これまで支えてくれたナチュレハードに感謝しつつ、新しいレンズとの出会いを前向きに考えていきましょう。
