楽天グループ株式会社 第◯回無担保社債が発行する「楽天社債」は、個人投資家にも人気の高い金融商品です。とはいえ、「どこで買えるの?」「いつ販売されるの?」「楽天証券以外でも買えるの?」と疑問を持つ人も多いでしょう。この記事では、楽天社債の購入方法や取り扱い証券会社、販売スケジュールの特徴をわかりやすく解説します。
楽天社債とは?まずは基本を理解しよう
楽天社債とは、楽天グループ株式会社が資金調達のために発行する「企業債券(社債)」のことです。投資家が社債を購入すると、楽天にお金を貸すことになり、楽天は定められた利息(利率)を定期的に支払い、満期時に元本を返済します。いわば“楽天が発行する借用証書”のようなものです。
社債は、株式のように値上がり益を狙う商品ではなく、「利息収入を得たい人」「一定期間、安定した運用をしたい人」に向いています。楽天社債は個人向けにも募集されることが多く、特に楽天証券のユーザーを中心に人気を集めています。
楽天社債が注目される理由
楽天社債は、他の企業債に比べても話題になりやすい商品です。その理由は主に3つあります。
- 利率が比較的高めに設定される傾向
- 過去に発行された楽天グループの社債は、国債やメガバンク債よりも高い利率で募集されることが多く、個人投資家の注目を集めました。
- 楽天ブランドへの信頼
- 楽天市場や楽天カード、楽天銀行など、生活に密着したサービスを展開する企業への親近感や信頼感が、投資心理にプラスに働いています。
- 個人投資家向けの販売が多い
- 一般的な社債は機関投資家が中心ですが、楽天社債は個人が購入しやすい条件で募集されるケースが多く、ネット証券経由で簡単に申込できる点が魅力です。
楽天社債はどこで買える?
結論から言えば、楽天社債は主に 楽天証券 を通じて購入できます。楽天グループの関連会社である楽天証券は、グループ内での販売窓口として中心的な役割を担っています。
楽天証券での購入手順
- 楽天証券の口座を開設し、ログインします。
- 「国内債券」メニューを開き、「新発債(社債)」の一覧を確認します。
- 募集中の「楽天グループ株式会社 第◯回無担保社債」を選択。
- 募集要項(利率・償還日・申込単位など)を確認し、購入手続きを進めます。
楽天証券の債券取引はすべてオンラインで完結し、購入手数料は基本的に無料です。購入代金のみで投資ができるため、コスト面でも魅力的です。
他の証券会社でも楽天社債は買える?
楽天証券以外でも、楽天社債を取り扱う場合があります。過去の発行例では、以下のような証券会社が販売を行いました。
- SMBC日興証券
- 大和証券
- 三菱UFJモルガン・スタンレー証券
- SBI証券 など
ただし、すべての楽天社債が複数の証券会社で扱われるわけではありません。販売窓口は発行ごとに異なり、ある回は楽天証券限定、別の回は大手証券と共同販売という形をとることもあります。
そのため、最新の発行情報は各証券会社の「新発債募集ページ」や楽天グループのIRニュースリリースで確認するのが確実です。
販売時期はいつ?発行スケジュールの特徴
楽天社債は定期的に発行されるわけではなく、楽天グループの資金調達計画に応じて不定期に募集されます。過去の傾向を見ると、年に1〜3回程度のペースで新しい債券が登場しています。
たとえば:
- 2025年10月発行:「利払繰延条項・任意償還条項付無担保永久社債」
利率は固定4.691%(2030年まで固定、以後変動金利)という高水準でした。
初回償還日は2030年、償還期限のない“永久劣後債”として注目を集めました。 - 過去の例では、「第21回無担保社債(楽天モバイル債)」など、子会社事業を背景にしたテーマ型の募集も行われています。
いずれの場合も、発行時には楽天グループ公式サイトおよび楽天証券サイト上で詳細が発表され、募集期間・利率・申込単位などが明記されます。
楽天社債の購入単位と必要資金
楽天社債の買付単位は、発行ごとに異なりますが、一般的には100万円単位(額面100万円)からです。たとえば「100万円×2口=200万円」で申し込む形です。
最低投資額がやや高いため、まとまった資金を運用したい中〜上級の個人投資家に向いています。ただし、利率が高めに設定される場合も多く、分散投資の一環として社債を保有する人も増えています。
社債投資のメリットとリスク
楽天社債を検討する前に、社債という商品の特徴を理解しておきましょう。
メリット
- 定期的な利息収入が得られる
- 満期まで保有すれば元本返済が期待できる
- 価格変動が株式より小さい傾向
これらの点から、「ある程度の安定収益を求めたい」「短期間で売買するより長期保有したい」という投資家に適しています。
リスク
- 発行企業の信用リスク
- 発行元の経営状況が悪化した場合、利息や元本が支払われないリスクがあります。
- 途中売却による価格変動リスク
- 満期前に市場で売却する場合、金利や市場環境により損失が出る可能性があります。
- 劣後債などの特殊条件
- 「永久社債」や「劣後債」は元本償還順位が低く、一般債券よりリスクが高めです。利回りが高い分、内容をよく確認することが大切です。
投資前には、必ず目論見書を確認し、リスク・利率・償還条件を理解したうえで判断しましょう。
楽天社債の過去発行例と市場の反応
過去に発行された楽天グループの社債は、どれも個人投資家から高い関心を集めました。特に楽天モバイル債は「利率が高い」「募集開始後すぐに完売」など話題になることが多く、SNSでも口コミが広がりました。
ただし、楽天グループの財務体質に対する市場の見方も慎重で、「格付け」や「事業収益の安定性」を注視する声もあります。つまり、楽天社債は“高利率=高リスク”の一面も持つ金融商品です。魅力とリスクのバランスを理解して選ぶことが重要です。
購入前に確認すべきポイント
楽天社債を検討する際は、次の3点を必ずチェックしましょう。
- 発行条件(利率・期間・劣後条項の有無)
→ 高利率の裏には劣後性や長期償還などのリスクが隠れていることがあります。 - 販売期間と申込上限
→ 募集枠が限られているため、人気の回は短期間で完売します。 - 証券会社の取扱情報
→ 楽天証券以外でも扱うことがあるため、複数社を比較しておくと有利です。
楽天社債はどこで買える?まとめ
楽天社債を購入するなら、まずは 楽天証券 の債券取引ページをチェックしましょう。
新発債の募集情報や既発債の売買情報がタイムリーに掲載されます。発行のたびに内容が異なるため、購入を検討する際は公式発表を確認することが大切です。
また、発行時期によっては SMBC日興証券や大和証券 などの大手証券でも取り扱いがあるケースもあります。販売枠や条件が証券会社ごとに異なることもあるので、複数口座を持っている人はそれぞれの募集案内を比較してみるのもおすすめです。
楽天社債は高い利率が魅力的ですが、同時に企業リスクも伴う商品です。安易に飛びつかず、情報を正確に理解したうえで投資判断を行いましょう。
債券投資の一歩を踏み出すなら、まずは「どこで買えるのか」を把握することから始めてみてください。
