わさびといえば、お刺身やお寿司に欠かせない薬味。でも「本物の生わさび」をスーパーで見かけることって、意外と少ないですよね。今回は「生わさびはどこで買えるの?」という疑問に答えるべく、特に名産地・静岡に焦点を当てて、購入できる場所を徹底調査しました。
本わさびとチューブわさびの違い
まず最初に整理しておきたいのが「生わさび」と「チューブわさび」の違いです。
スーパーでよく見かけるチューブ入りの練りわさびの多くは、実は「西洋わさび(ホースラディッシュ)」と呼ばれる別種の植物を原料にしています。風味は似ていますが、本来の「本わさび(Wasabia japonica)」とはまったくの別物。
本わさびの魅力は、なんといってもすりたての爽やかな香りと鼻に抜ける上品な辛味。口に含むとツンとした刺激のあとに、ほんのり甘みが広がります。これはチューブではなかなか味わえない感覚です。
ただし栽培条件が非常に厳しく、清流の湧き水や日陰など限られた環境でしか育たないため、量産が難しいのも特徴。そのためスーパーなどで見かける機会が限られているんです。
静岡県は生わさびの一大産地
生わさびの産地といえば、まず思い浮かぶのが静岡県。
特に伊豆や安倍川上流地域では、江戸時代から続く伝統的なわさび栽培が行われており、**「静岡水わさびの伝統栽培」**は世界農業遺産にも登録されています。
この地域では今も、わさび農家が清らかな湧水を使い、一株ずつ手作業で育てているため、香り・辛味・みずみずしさのすべてが段違い。観光地でもあり、直売所や専門店では生わさびを一本単位で購入することができます。
「どうせなら本場のものを手に入れたい!」という人は、静岡産を選ぶのが間違いありません。
静岡で生わさびが買える代表的な場所
では、静岡で実際に生わさびが買える場所を見ていきましょう。
観光地の直売所や老舗店など、地元の人にも観光客にも人気のスポットがたくさんあります。
JA系の直売所
- JA伊豆の国 農の駅 伊豆
伊豆市柏久保108にある直売所。地元の農家から届いた新鮮な本わさびが並びます。加工品も豊富。 - JAグリーンプラザ伊豆の国
韮山地区の中心にあるJAの直売拠点。生わさびのほか、わさび漬けやドレッシングなども人気。 - JA静岡市 わさび共販所(駿河区曲金)
静岡市内でわさびを出荷・販売している組織。時期によって生わさびの販売もあります。
伊豆の専門店・老舗わさび屋
- 丸岩安藤わさび店(伊豆市湯ヶ島)
自社栽培のわさびを販売。観光客にも人気で、すりおろし体験もできる。 - 天城わさびの里(伊豆市湯ヶ島)
農場直営の販売所で、採れたての生わさびを購入可能。お土産にも最適。 - 浅田わさび店・玉利屋商店(伊豆市)
長年地元で栽培を続けるわさび農家直営。家庭用から業務用まで幅広く取り扱い。
道の駅・観光直売所
- 道の駅天城越え(伊豆市)
「Amagi Wasabi no Sato」として知られる直売エリアに、地元の生わさびが並びます。 - 道の駅伊東マリンタウン(伊東市)
鮮魚や野菜とともに、地元農家のわさびを取り扱う場合があります。 - 道の駅伊豆のへそ
伊豆観光の中心地にあり、季節によっては根付きわさびが入荷。
静岡市街地で買える場所
- 田丸屋本店(静岡駅パルシェ・紺屋町など)
明治創業の老舗わさびメーカー。わさび漬けが有名ですが、季節によって生わさびも販売。 - サンプー楽市(静岡市)
静岡の特産品を集めたセレクトショップで、地元のわさびを取り扱うことも。 - カメヤ食品(熱海・ラスカ熱海店)
駅ビル内の土産店で、生わさびとわさび関連加工品が揃います。
こうして見ると、静岡では「直売所・道の駅・専門店」のいずれかに行けばかなりの確率で生わさびが入手できることがわかります。
スーパーで生わさびは買える?
「わざわざ観光地まで行かなくても、近くのスーパーで買えないの?」と思う人も多いはず。
実際、全国のスーパーでも生わさびが入荷することはありますが、常に置かれているわけではありません。
大手スーパーでの取り扱い例
- イオン:鮮魚コーナーや青果売り場で見かけることがある。特に年末年始や寿司需要の高い時期に入荷。
- 西友・ライフ・オオゼキ:地域によっては地場産の根わさびを仕入れている店舗も。
- 業務スーパー:取り扱いは稀だが、業務用サイズの冷凍わさび根があることも。
ただし、チューブわさびやおろしわさびとの混在に注意が必要です。パッケージに「本わさび」または「根わさび」と明記されているものを選びましょう。
スーパーで探すときは、
- 鮮魚コーナー(刺身・寿司ネタ付近)
- 青果売り場(根菜コーナー)
- 冷蔵ショーケースのパック品
このあたりをチェックするのがコツです。
百貨店・デパ地下でも入手可能
都市部で確実に手に入れたいなら、デパ地下を覗いてみるのもおすすめです。
特に日本橋三越、高島屋、東急百貨店などでは、静岡産や長野産の本わさびが季節限定で入荷することがあります。
価格は1本1,000円前後から、高級品では2,000円を超えることもありますが、その分、香りや辛味のバランスは格別。贈答用にも人気です。
通販で買う生わさびも人気
近年は通販で生わさびを購入する人も増えています。
Amazonや楽天市場では「静岡県産 本わさび」「伊豆産 生わさび」などの検索で、多数の冷蔵発送商品がヒットします。
選ぶときのポイントは以下の通り。
- 産地が明記されているか(静岡・長野など)
- 冷蔵・クール便対応か
- 収穫日や発送日が記載されているか
生鮮品なので、到着後は早めに使用するのが鉄則。
残った部分は濡らしたキッチンペーパーに包み、冷蔵庫で保存すると数日間は風味が保てます。
生わさびをおいしく楽しむコツ
せっかく手に入れた生わさび、最大限においしく味わいたいですよね。
ポイントは「すりおろし方」にあります。
- おろし器は金属より鮫皮おろしやセラミック製が理想。
- 根の先端よりも真ん中からおろすと香りが強く出る。
- すりおろしたら数十秒おいて、空気と触れさせることで辛味が引き立つ。
わさびは揮発性成分が命。すりおろしてから時間が経つと香りが飛ぶので、食べる直前におろすのがベストです。
静岡旅行の際は“本場のわさび体験”もおすすめ
伊豆や安倍川上流には、わさび田の見学やおろし体験ができるスポットも多数あります。
「天城わさびの里」や「田丸屋わさび工場」などでは、栽培方法を学びながら、実際にすりたてを味わえる体験が人気です。
観光がてら本場の空気を感じつつ、生わさびをお土産に買って帰るのも一興。冷蔵便で発送してもらえる施設も多いので、旅行中でも安心して購入できます。
まとめ|生わさびはどこで買えるスーパーと静岡のおすすめ店
ここまで見てきたように、生わさびは一般的なスーパーでも手に入ることがありますが、確実に購入したいなら静岡の直売所や専門店がおすすめです。
- 静岡県のJA直売所(伊豆の国・静岡市)
- 伊豆のわさび専門店(丸岩安藤・天城わさびの里など)
- 道の駅(天城越え・伊東マリンタウン・伊豆のへそ)
- 静岡駅ビル内の田丸屋本店やカメヤ食品
- 百貨店・通販サイト(Amazon、楽天)
本場の香り高い生わさびは、一度味わうと忘れられません。
ぜひ静岡やスーパーで見つけた際は、手に取ってみてください。すりたてのわさびが、いつもの食卓をぐっと贅沢にしてくれるはずです。
