包丁の切れ味が落ちてきたとき、「そろそろ研がなきゃ」と思っても、どんな砥石を選べばいいのか、どこで買えるのか迷ってしまう人は多いですよね。実は砥石には種類や番手の違いがあり、使い方によって仕上がりが大きく変わります。この記事では、初心者にもわかりやすく「砥石の選び方」と「おすすめの購入場所」を紹介します。
砥石の基本を知ろう
砥石とは、刃物を研いで切れ味を回復させるための研磨用の石のこと。大きく分けて「天然砥石」と「人造（人工）砥石」があります。天然砥石は、自然に採掘された石を加工したもので、独特の研ぎ心地と繊細な仕上がりが魅力です。一方の人造砥石は、人工的に砥粒を固めたもので、粒の均一性が高く扱いやすいため、家庭用として広く普及しています。
一般家庭で使うなら、まずは人造砥石で十分。価格も手ごろで、番手の種類も豊富です。天然砥石は高価で上級者向けですが、包丁を極限まで仕上げたい人には人気があります。
番手（粒度）の違いで研ぎ上がりが変わる
砥石選びで最も大切なのが「番手」。番手とは砥石の粒の細かさを表す数字で、数字が小さいほど粒が粗く、大きいほど細かくなります。
- 荒砥石（#220〜#600）：刃こぼれの修正や形を整えるときに使う。研削力が強く、切れ味が落ちた包丁の形を戻すのに最適。
- 中砥石（#1000〜#3000）：日常のメンテナンスに最も使われる。一般家庭の包丁研ぎはほとんどこれでOK。
- 仕上げ砥石（#5000以上）：刃先を鏡面のように滑らかに仕上げたいときに使用。プロの料理人や、切れ味にこだわる人向け。
多くの人は「中砥石」だけで十分ですが、荒砥石・中砥石・仕上げ砥石をセットで持っておくと、あらゆる状態の包丁に対応できます。
砥石の素材にも種類がある
砥石は粒度だけでなく、素材にも違いがあります。代表的なのは以下の3つ。
- 人造砥石：最も一般的。価格と性能のバランスが良く、水に浸して使うタイプが多い。
- ダイヤモンド砥石：砥粒にダイヤモンドを使った高硬度タイプ。セラミック包丁など硬い素材の刃物を研ぐのに最適。
- 天然砥石：京都の山城地方などで採掘されるものが有名。研ぎ味が柔らかく、仕上がりが美しいが価格は高め。
特にセラミック包丁は通常の砥石では研ぎにくいため、ダイヤモンド砥石を選ぶのが正解です。
砥石をどこで買える？実店舗編
では、実際に砥石はどこで買えるのでしょうか。まずはリアル店舗から紹介します。
ホームセンター
最も身近なのがホームセンター。カインズ、コメリ、コーナン、DCMなどでは、家庭用砥石が常時販売されています。番手別に選べるラインナップが揃い、価格帯も1,000〜3,000円前後と手頃。初心者向けの台座付き砥石やセット商品も多く、初めての購入にぴったりです。
刃物専門店・道具店
包丁や大工道具を扱う専門店では、より本格的な砥石を扱っています。職人向けの高品質な製品から天然砥石まで幅広く、スタッフに相談しながら選べるのがメリット。東京では「かまいし道具店」や「TOWER KNIVES」、大阪では「ほんまもん 本店」などが有名です。
調理器具専門店
浅草や合羽橋の調理道具街など、料理器具を専門に扱う店舗にも多種多様な砥石があります。料理人や料理愛好家が訪れる場所なので、品質重視のラインナップが多いのが特徴です。実際に手に取って重さや手触りを確かめながら選べるのは、実店舗ならではの魅力です。
砥石をどこで買える？通販編
実店舗に行けない場合や、より多くの種類から選びたいならネット通販が便利です。
Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピング
国内外メーカーの砥石を幅広く扱うのが大手通販サイト。価格やレビューを比較しながら選べるため、初心者でも選びやすいです。人気の「キング砥石」「シャプトン」「ナニワ」などのブランドも豊富に揃っています。
Amazonでは「#1000と#6000の両面砥石」などセットタイプが特に人気。楽天市場ではポイント還元やセールも多く、まとめ買いに向いています。Yahoo!ショッピングでは、専門店が出店しているケースもあり、上級者向けの商品も手に入ります。
公式オンラインストア
刃物メーカーや包丁ブランドの公式サイトでも砥石が購入できます。たとえば「貝印」「藤次郎」「堺孝行」などの公式オンラインショップでは、ブランド専用の砥石を販売。包丁との相性を考えた製品ラインナップなので、迷わず選べます。
ホームセンターのネット通販
カインズやコメリなどのホームセンターはオンライン販売にも対応しており、店舗受け取りも可能。店頭に在庫がなくても取り寄せできるため、地方でも安定して入手できます。
初心者におすすめの砥石選び
これから砥石を使い始める人は、まず以下のポイントを意識して選ぶと失敗しにくいです。
- 中砥石（#1000前後）から始める
切れ味が悪くなった包丁のメンテナンスにはこれが最適。最初の1本に迷ったら中砥石一択です。 - 台座付きや両面タイプを選ぶ
滑りにくく安定して研げる台座付きは初心者向き。両面タイプなら荒研ぎと仕上げ研ぎを1本で使い分けられます。 - 刃物の材質に合わせる
ハガネ包丁なら一般的な人造砥石でOK。ステンレス包丁も同様ですが、セラミック包丁だけはダイヤモンド砥石が必須です。 - レビューを参考にする
通販ではレビュー数や評価を確認。初心者向け・プロ向けの目安がわかります。
砥石の使い方とメンテナンスの基本
せっかく良い砥石を買っても、使い方を間違えると効果が半減します。使う前に必ず水に浸し、気泡が出なくなるまで待ちましょう（ダイヤモンド砥石を除く）。研ぐ際は角度を一定に保ち、往復ではなく片方向に滑らせるようにします。研ぎ終わった後はしっかり洗い、風通しの良い場所で乾燥させてください。湿ったまま放置するとカビやひび割れの原因になります。
また、砥石の表面が凹んできたら「面直し砥石」で平面を整えると長持ちします。研ぎやすさを保つためにも、定期的なメンテナンスは大切です。
砥石をどこで買える？自分に合う場所を見つけよう
まとめると、砥石はホームセンター、刃物専門店、調理器具店などの実店舗でも購入でき、Amazonや楽天市場などのネット通販でも豊富に取り扱われています。
実物を確認して選びたい人は実店舗、種類や価格を比較したい人は通販がおすすめです。
最初は#1000程度の中砥石から始め、慣れてきたら荒砥石や仕上げ砥石を追加していくと良いでしょう。使い方を覚えれば、包丁の切れ味は新品同様に戻ります。
自分に合った砥石を選んで、毎日の料理をもっと快適に。砥石はどこで買える？――答えは、あなたの使い方次第です。
