AnkerのSoundcoreシリーズといえば、コスパと安定した品質で人気の高いワイヤレスイヤホン。その中でも2025年に入って特に話題を集めているのが「Soundcore P40i」だ。
この記事では、実際の使用感をもとに「音質」「装着感」「ノイズキャンセリング（ANC）」などを中心に、長所と注意点を総合的にレビューしていく。
Soundcore P40iとは？スペック概要と特徴
Soundcore P40iは、Ankerが展開する完全ワイヤレスイヤホンの最新モデル。
価格は約8,000円前後と手に取りやすい設定ながら、Bluetooth 5.3、最大60時間のバッテリー、アクティブノイズキャンセリング、マルチポイント接続など、上位機種顔負けのスペックを詰め込んでいる。
特にユニークなのが、ケース自体がスマホスタンドとして使えるという点。
動画視聴時にスマホを立てかけて使えるため、外出先やカフェなどでのちょっとした時間にも便利だ。
防水性能はIPX5相当で、汗や小雨程度なら問題なく使える。
主なスペックをざっと整理すると以下の通り。
- Bluetooth 5.3対応
- 最大60時間再生（本体12時間＋ケース48時間）
- 急速充電：10分で約5時間再生
- アクティブノイズキャンセリング（Adaptive ANC）
- 外音取り込みモード搭載
- IPX5防水
- スマホスタンド機能付きケース
- SoundcoreアプリによるEQカスタマイズ対応
これだけの機能を8,000円前後で詰め込んでいるのは、まさにAnkerらしいバランス感だ。
音質レビュー｜低音重視の迫力サウンドとカスタマイズ性
まず肝心の音質から見ていこう。
Soundcore P40iのサウンド傾向は、低音に厚みがありながら中高音も比較的クリアなバランス型。いわゆる“ドンシャリ系”ほど極端ではなく、ポップスやロック、EDMなどの現代的なジャンルにマッチする。
特にベースラインやドラムのアタック感がしっかりしていて、ライブ音源でも臨場感が出やすい。
一方で、低音が強めな分、ボーカルが少し後ろに下がる印象を受ける人もいるだろう。
その場合は、専用アプリ「Soundcore」でEQ（イコライザー）を調整すれば簡単にバランスを整えられる。
アプリ内にはプリセットも豊富に用意されており、「ポップ」「ロック」「クラシック」などのモードをワンタップで切り替え可能。自分でグラフィックEQを細かく設定することもできるため、好みの音を追求したい人にも向いている。
全体として、価格以上に音に立体感があり、日常使いには十分すぎるクオリティ。
この価格帯ではトップクラスの完成度といっていい。
装着感レビュー｜軽くて安定、長時間でも疲れにくい
イヤホンの良し悪しは音質だけでなく、装着感にも大きく左右される。
P40iは全体的にコンパクトで、軽量設計。耳に入れても圧迫感が少なく、長時間装着しても痛くなりにくい。
付属のイヤーピースは5サイズあり、耳の形状に合わせて調整できるのが地味にありがたいポイント。
実際に数時間のリスニングをしても外れたりズレたりすることはほとんどなく、安定感が高い。
耳の小さい人でもしっかりフィットする設計になっている。
また、耳の奥まで押し込むタイプではないため、装着時の閉塞感が少なく快適。
軽やかな装着感を好む人にとってはかなり理想的な設計といえる。
ノイズキャンセリング性能｜環境適応型で静寂を自動制御
Soundcore P40iのもう一つの注目機能が「Adaptive ANC（環境適応型ノイズキャンセリング）」だ。
これは周囲の騒音を自動で検知し、その強さに応じてノイキャン効果を最適化する仕組み。
実際に電車やバス、カフェなどで試してみると、エンジン音や空調音といった連続的な低周波ノイズはかなりしっかり消してくれる。
人の声やアナウンスのような中高音域のノイズはやや残るものの、会話レベルの雑音もある程度軽減できる。
高級機のAirPods ProやSony WF-1000XM5ほどの強力さはないが、価格を考えれば非常に健闘している。
日常シーンで「集中したい」ときや「周囲の雑音を抑えたい」ときには十分に実用的だ。
また、外音取り込みモードも搭載。
ボタンひとつでANCと切り替えられ、イヤホンを外さなくても周囲の音を確認できる。
音の取り込みは少し人工的な印象だが、駅のアナウンスや車の接近音を聞く程度なら問題なし。
通話・マイク性能｜6マイク構成で声をクリアに届ける
P40iは、合計6基のマイクを内蔵し、ビームフォーミング技術で声を的確に拾う構成。
このため、通話やオンライン会議でも比較的クリアに音声を伝えられる。
静かな室内での通話ではほぼノイズがなく、声がはっきり届く。
一方、風の強い屋外などでは多少の風切り音が入るものの、相手に不快感を与えるレベルではない。
音声認識アプリ（GoogleアシスタントやSiri）との相性も良く、ワンタップで起動できる点も便利だ。
この通話品質の高さは、在宅勤務やオンライン授業などでも重宝するだろう。
操作性・接続安定性｜マルチポイント＆低遅延が優秀
操作はタッチセンサー式。音量調整、曲送り、ANC切り替え、通話応答などがイヤホン本体から行える。
感度はやや高めで、慣れるまでは誤タッチすることもあるが、アプリで操作内容をカスタマイズ可能だ。
接続面ではBluetooth 5.3の恩恵もあり、ペアリングは高速かつ安定。
映像コンテンツ視聴時の音ズレも最小限で、YouTubeやNetflixなどでも違和感が少ない。
さらにマルチポイント接続に対応しており、スマホとPCを同時接続しての切り替えもスムーズだ。
リモートワーク中にスマホで音楽を聴きながら、PCのZoom通知が来たら自動で音声が切り替わる──そんな使い方が可能。
この利便性は一度使うと手放せない。
デザインとケースの使い勝手｜スマホスタンド機能が地味に便利
P40iのデザインは、マット仕上げのシンプルな外観で高級感がある。
イヤホン本体もコンパクトで、耳からの飛び出しが少なくスタイリッシュ。
ケースは丸みを帯びたデザインで手触りがよく、持ち運びやすい。
注目すべきはケースの「スタンド機能」。
蓋を開いてスマホを立てかけることができ、ちょっとした動画視聴時に大活躍する。
旅行先や新幹線のテーブル上など、使ってみると意外と便利なギミックだ。
バッテリー性能｜圧倒的スタミナで長距離移動にも強い
バッテリーの持ちは、同価格帯の中でもトップクラス。
イヤホン単体で最大12時間、ケース併用で最大60時間の再生が可能。
さらに急速充電にも対応しており、10分の充電で約5時間使える。
長時間の出張や旅行、動画視聴をよくする人には頼もしいスペックだ。
また、USB-C充電対応で、ケーブルの共通化もしやすい。
総合評価｜コスパ最強クラスの万能イヤホン
Soundcore P40iを総合的に評価すると、**「8,000円でこの完成度なら買って損なし」**の一言に尽きる。
音質・ANC・装着感・バッテリーすべてがバランスよくまとまっており、日常使いにおける満足度が高い。
- 音質：低音寄りだがEQ調整で万能化可能
- 装着感：軽くて疲れにくい
- ANC：日常ノイズをしっかり低減
- 通話品質：クリアで実用的
- バッテリー：圧倒的長寿命
- ケース：スマホスタンド機能付き
特に「コスパ重視で音も機能も妥協したくない」という層にとって、非常に魅力的な選択肢だ。
高級機ほどの繊細さやANC性能はないが、普段使いには十分以上。
この完成度でこの価格なら、文句のつけようがない。
Soundcore P40iレビューまとめ｜日常を快適に彩る実力派イヤホン
最後に改めてまとめると、Soundcore P40iは「音質・装着感・ノイキャン性能」のバランスが取れた万能型イヤホンだ。
どんなシーンにも馴染み、価格以上の満足感を提供してくれる。
重低音が心地よく、ノイズキャンセリングも日常生活には十分。
ケースのスタンド機能や長時間再生など、使い勝手の面でも優れている。
これからワイヤレスイヤホンを新調するなら、Soundcore P40iは間違いなく候補に入れるべき一台だ。
