2025年に登場したXperia 1 VII。ソニーのフラッグシップとして注目を集めるこのモデルは、「カメラ性能」と「バッテリー持ち」にどれだけ磨きがかかったのか。実際に使用した感覚や他レビューの傾向を踏まえて、率直に検証していこう。
Xperia 1 VIIとは？まずスペックをざっくりおさらい
Xperia 1 VIIは、2025年6月に発売された最新フラッグシップモデル。SoCにはSnapdragon 8 Eliteを搭載し、12〜16GBのRAMと最大512GBのストレージを備える。ディスプレイは6.5インチの4K OLED（120Hz対応）。5,000mAhの大容量バッテリー、30W有線充電、15Wワイヤレス充電に対応している。
特徴的なのは、カメラ専用の物理シャッターボタンや3.5mmイヤホンジャック、microSDスロットといった「ユーザーが求める便利さ」をしっかり残している点。ソニーらしい実用志向の設計だ。
カメラ性能を徹底検証｜写真の質と撮影体験
ソニーα譲りのカメラ構成
メインカメラは52MP（実効48MP）、超広角も50MPクラス、望遠は12MPで光学3.5倍〜7.1倍まで対応。特筆すべきはこの“可変式望遠”で、被写体との距離を問わず高精細な撮影が可能になっている。ズーム時の画質劣化が少なく、遠景でも自然なディテールを再現してくれる。
実際の撮影体験
シャッターボタンを半押しすると、フォーカスが滑らかに合う。まるでコンパクトデジカメを操作しているような感覚だ。AIが被写体を自動で追尾し、人物・動物・車などを正確に認識。動く被写体にもピントがしっかり合い、ブレにくい。
画質は「派手すぎないが確実に上質」。特に日中の風景では、階調の豊かさと自然な発色が際立つ。iPhoneやGalaxyがAI補正で“映える”方向にチューニングしているのに対し、Xperiaはリアルで落ち着いたトーン。写真を“作品”として仕上げたい人に好まれる傾向だ。
夜景と低照度撮影
暗所では、前モデルXperia 1 VIより明らかにノイズ処理が改善。特にメインカメラのセンサーサイズ拡大とAI補正により、黒つぶれが減り、光の滲みも少ない。ナイトモード撮影でも手持ちで安定しやすく、三脚を使わなくても雰囲気のある夜景が撮れる。
ただし、夜間の動画撮影では手ブレ補正が若干弱く感じられることも。歩きながらの撮影では揺れが出やすいので、Vlogなどを撮る人はジンバルの併用を検討したい。
動画性能とαカメラ連携
Xperia 1 VIIは「Videography Pro」「Photography Pro」といったプロ向けアプリを搭載。ISOやシャッタースピード、フォーカスを細かく調整でき、まさにαシリーズのDNAを受け継いでいる。動画撮影も4K 120fpsまで対応し、シネマティックな映像表現が可能。
ソニーのαカメラとの連携もスムーズで、リモート撮影や即転送も快適。プロユースを意識した仕様が光る。
バッテリー持ちを実使用でチェック
5,000mAh＋新世代チップで省電力化
バッテリーは前モデルと同じ5,000mAhだが、Snapdragon 8 Eliteの電力効率が向上していることもあり、実際の持ちはなかなか良い。動画視聴やSNS、撮影を繰り返しても1日は余裕で持つ。ライトユーザーなら2日に1回の充電でもいけるだろう。
一方、カメラアプリや4K動画撮影など負荷の高い操作を続けると、やはり発熱と消費は増える。これはXperiaシリーズの宿命とも言えるが、発熱対策が強化されたことで手が熱くなりすぎることは少ない。
充電速度と耐久性
30W急速充電に対応しており、約30分で50％程度まで回復する。ただし、他社の100Wクラスの超急速充電と比べると見劣りするのも事実。ソニーが重視しているのは速度よりも「電池寿命」。独自の充電制御技術により、3年経っても劣化しにくいという安心感がある。
ワイヤレス充電も15W対応で、置くだけで充電できる快適さも健在。就寝時にワイヤレス充電器へ置くスタイルが定着している人にはちょうどいいバランスだ。
実際のバッテリー検証データを見てみる
複数のレビューサイトやユーザー報告を総合すると、以下の傾向が見える。
・動画視聴1時間あたりの消費は約8％前後
・ブラウジングでは約20時間の連続使用が可能
・待機時の消費電力が少なく、スタンバイ性能は優秀
つまり「使っている時は減るけど、置いている時は減りにくい」というタイプ。出張や旅行でも1泊2日程度ならモバイルバッテリーなしでも安心して使える。
発熱と安定性について
長時間の撮影やゲーム中に発熱を感じることはあるが、Xperia 1 VIIでは内部放熱構造が改良され、前モデルより温度上昇が緩やか。特に背面中央付近の熱が分散されやすくなっている。
また、発熱によるパフォーマンス低下（スロットリング）も軽減されており、動画撮影や編集を続けても途中で処理落ちしにくい。これもSoCと冷却機構の進化による恩恵だ。
カメラとバッテリーの総合評価
Xperia 1 VIIのカメラは、「派手さよりも正確さ」を重視するソニーらしい方向性。特に風景や人物を“そのままの色”で残したい人に最適だ。一方で、SNS映えするAI補正を好む層には少し地味に感じるかもしれない。
バッテリーは全体的に安定しており、前モデルより微妙に減りが早いと感じるシーンもあるが、実用面では十分合格点。長期的に見ても、劣化しにくく信頼できる設計だ。
Xperia 1 VIIを選ぶべき人は？
・写真や動画を“作品”として撮りたい人
・自然な色味を重視するユーザー
・イヤホンジャックやmicroSDなどの実用性を大事にする人
・充電速度よりもバッテリー寿命を優先したい人
逆に、「とにかく明るく派手な写真を撮りたい」「高速充電を重視したい」というタイプなら、GalaxyやXiaomiの上位モデルの方が満足度が高いかもしれない。
Xperia 1 VIIレビューのまとめ｜カメラ性能とバッテリー持ちの“完成度”
総評として、Xperia 1 VIIは“派手さはないが完成度が高い一台”。ソニーのカメラ技術を余すことなく詰め込み、自然な描写を求める人にこそ刺さるスマートフォンだ。
バッテリーも安定性と寿命重視の設計で、長く安心して使える。
「Xperiaらしさ」が好きな人にとって、1 VIIはまさに集大成的な存在。
カメラ性能とバッテリーの両面で、2025年スマホの中でもトップクラスの“バランス型フラッグシップ”と言えるだろ。
