表参道の静かな通りを歩いていると、ふとイタリアの香りが漂ってくる──そんな体験をしたことがある人もいるかもしれません。今回紹介するのは、南青山にある「Il Pacioccone Caseificio(イル・パチョッコーネ・カゼイフィーチョ)」。チーズ工房を併設した本格イタリアンとして知られ、食通たちの間で密かに人気を集めている名店です。この記事では、チーズや料理の魅力、店内の雰囲気、実際の口コミまでを一つひとつ丁寧に紹介していきます。
チーズ工房を併設した「Il Pacioccone Caseificio」とは
「イル・パチョッコーネ・カゼイフィーチョ」は、1998年創業の老舗イタリアンレストラン。店名の「Pacioccone」はイタリア語で“食いしん坊で陽気なおじさん”を意味し、「Caseificio」は“チーズ工房”のこと。つまり「チーズを愛する食いしん坊の店」という遊び心あふれる名前です。
場所は東京・南青山の住宅街の中。表参道駅から徒歩10分ほどの距離にあり、喧騒から少し離れた落ち着いた環境にあります。入口はレンガ造りで、扉を開けると木の温もりに包まれた空間が広がり、まるでトスカーナ地方のトラットリアに迷い込んだような気分になります。
店内で作られるフレッシュチーズの魅力
このお店の最大の特徴は、店内のチーズ工房で作られる自家製のモッツァレラやブッラータです。イタリアから空輸したカード(チーズの原料)を使用し、毎日職人が手作業で仕上げています。保存や輸送による劣化がないため、口に入れた瞬間のミルキーさが格別。フレッシュチーズ特有の“やさしい弾力”と“ミルクの甘み”が広がります。
特に人気なのは、ブッラータチーズ。ナイフを入れると中からクリーム状のモッツァレラがとろりと流れ出し、オリーブオイルと塩だけで食べても十分に満足できる濃厚さ。季節の果物や生ハムと合わせることで、甘みと塩気のコントラストが楽しめます。
チーズを主役にしたメニュー構成
前菜には、もちろんチーズが主役。自家製ブッラータを使ったカプレーゼや、リコッタとハチミツの前菜など、シンプルながら素材の良さを引き立てるメニューが並びます。
パスタは日替わりが中心で、トマトベース、クリームベース、魚介系とバリエーション豊富。特に人気なのは「クワトロフォルマッジ」のピザ。4種類のチーズ(モッツァレラ・ゴルゴンゾーラ・タレッジョ・パルミジャーノ)をたっぷり使用し、口いっぱいに広がる濃厚な香りがクセになる逸品です。
肉料理では、イタリア産ポークのグリルや、仔牛のカツレツなどが人気。ワインとのペアリングも充実しており、赤・白・スパークリングすべてで相性の良いラインナップが揃っています。
実際の口コミで見る「味」と「雰囲気」
口コミを見てみると、「チーズがとにかく新鮮」「一度食べると他のモッツァレラでは満足できない」といった声が多く寄せられています。特に初めて訪れた人が感動するのは、チーズの“鮮度と香り”。一般的な輸入チーズでは得られない、フレッシュでミルキーな風味が印象的だと評判です。
一方、料理全体についても高評価。どのメニューもバランスがよく、特に前菜からデザートまでの流れが自然で、コースとしての完成度が高いという意見が目立ちます。シェフの技術や素材選びの丁寧さを感じられるとの声も多数。
店内の雰囲気については、「カジュアルで温かい」「まるでイタリアの食堂のよう」「デートにも友人との食事にもぴったり」といったコメントが多く、リピーター率の高さもうなずけます。サービス面でも「スタッフが気さく」「料理の説明が丁寧」「タイミングよく料理が出てくる」と好印象なレビューが並びます。
価格帯とコストパフォーマンスの印象
価格帯は、ランチが2,000〜3,000円前後、ディナーは5,000〜8,000円程度が目安。素材と手作りチーズの品質を考えると、価格に納得する人が多いようです。
ただし一部では「やや量が少なめ」「ワインを頼むと会計が高くなる」という声もあります。イタリアンの中でも“しっかり食べる”より“味わう”ことを重視しているため、ボリュームよりも品質重視の人に向いています。特別な日や、じっくり食を楽しみたい日に訪れるのが良さそうです。
「本物のイタリア」を感じる空間づくり
店内に入ると、チーズ工房のガラス越しに職人が作業している様子が見えることもあります。湯気の立ちのぼるチーズ作りの光景は、まさにライブキッチンのよう。こうした「見せる演出」も、食への期待を高めてくれます。
照明はやや落とし気味で、キャンドルが灯る夜は一段と雰囲気が増します。テーブル同士の距離も適度に取られており、周囲を気にせず会話を楽しめる点も魅力です。カジュアルさと上品さのバランスが絶妙で、初デートや記念日ディナーにも選ばれやすい理由がわかります。
シーン別のおすすめ利用法
・デート:照明が落ち着いており、席間も広いため、ゆっくり語らえる雰囲気。ブッラータと赤ワインの組み合わせがおすすめ。
・女子会・友人との食事:シェアしやすい前菜やピザが多く、会話を楽しみながらの食事にぴったり。
・一人ディナー:カウンター席もあり、スタッフと会話をしながらチーズやワインを楽しむ常連も多い。
・記念日・誕生日:コース料理にメッセージプレートを添えるなど、さりげない演出が喜ばれています。
賛否両論の声もチェックしておこう
ほとんどの口コミは高評価ですが、すべての人にとって“完璧”とは言えないのも事実です。中には「予約が取りづらい」「人気ゆえに少し騒がしい日もある」「味付けが日本人向けではない」といった声もあります。これはむしろ、現地イタリアの味を忠実に再現している証でもあります。塩気や香りがしっかりしているため、家庭的なイタリアンを想像して行くと少し驚くかもしれません。
まとめ:Il Pacioccone Caseificioのチーズと店舗レビュー情報
「Il Pacioccone Caseificio(イル・パチョッコーネ・カゼイフィーチョ)」は、東京にいながら本場イタリアのチーズと料理を体験できる特別な空間です。チーズ工房を併設することで、他店にはない“出来立てのフレッシュ感”を提供。モッツァレラやブッラータをはじめ、どの料理も素材の良さが活かされ、食の喜びを感じられるレストランです。
表参道の喧騒から少し離れた南青山で、ゆったりとワインを傾けながらチーズを味わう時間。ここでしか味わえない“本物のイタリア”が、あなたを待っています。
