オーディオテクニカの完全ワイヤレスイヤホン「ATH-CKS50TW2」。
発売以来、“圧倒的な重低音”と“驚異のバッテリー持ち”が話題になっています。
今回は、実際の使用感や音質、装着感、そして便利機能まで、じっくりとレビューしていきます。
ATH-CKS50TW2とは？シリーズの特徴と進化点
ATH-CKS50TW2は、オーディオテクニカの「SOLID BASS」シリーズに属するモデルです。
名前のとおり“重低音重視”のサウンド設計が特徴で、初代ATH-CKS50TWから音質・使い勝手の両面で進化を遂げています。
まず目を引くのは、イヤホン単体で最大約25時間、ケース込みで最大約65時間という驚異的な再生時間。
完全ワイヤレスイヤホンとしてはトップクラスのスタミナ性能を誇ります。
さらに、マグネティックスイッチを新搭載。
左右のイヤホンをくっつけるだけで電源オフ、離すと自動で電源オンになる仕組みです。
地味ながら、日常使いで「ケースを開ける・閉める」という手間が減り、思った以上に便利。
防水・防塵性能もIP55を確保しており、通勤やジムなど幅広いシーンに対応できる設計です。
音質レビュー：厚みのある重低音と全体のバランス
SOLID BASSの名に恥じない、力強い低音。
9mmのダイナミックドライバーが生み出す低域は、しっかりと沈み込みながらもボワつかず、量感と締まりのバランスが絶妙です。
ヒップホップやEDM、ロックのようなリズム重視の楽曲では、ベースラインの存在感が際立ちます。
一方で中高域も埋もれることなく、ボーカルの抜けやシンバルの煌びやかさも十分に感じられます。
ただし、ハイレゾ相当のコーデック（LDACやaptX Adaptive）には非対応。
そのため、音質を徹底的に追求するユーザーには少し物足りない部分もあるかもしれません。
それでもSBC/AACの範囲では、チューニングの完成度が高く、全体のまとまりは非常に良好です。
特に印象的なのは、「聴いていて楽しい音」。
スタジオモニターのようなフラットさではなく、音楽を気持ちよく聴かせてくれるチューニング。
オーディオテクニカらしい“音楽性の高さ”がしっかりと感じられます。
装着感と遮音性：大ぶりながら安定したフィット
ATH-CKS50TW2は本体がやや大きめ。
見た目の印象どおり、装着すると耳にしっかりと存在感を感じます。
しかし、形状バランスがよく、耳の奥までフィットするためズレにくい設計。
長時間装着しても痛くなりにくく、しっかりホールドしてくれる安心感があります。
遮音性も高く、パッシブな外音遮断効果は優秀。
ノイズキャンセリングをオンにしなくても、ある程度の環境音はカットしてくれます。
装着感に関しては個人差が出やすいですが、低音を重視した構造上、密閉度を高める形状は理にかなっています。
軽量さよりも“安定感と遮音性”を優先した設計といえるでしょう。
ノイズキャンセリングと外音取り込みの実力
ノイズキャンセリング機能は、価格帯の中ではかなり優秀な部類。
電車内やカフェの環境音をしっかりと抑え、音楽に集中できるレベルです。
ただし、ソニーやBOSEの上位モデルほどの「無音空間」までは届きません。
日常生活での雑音カットには十分ですが、飛行機などの極端な環境では少し弱め。
外音取り込みモードも搭載されており、周囲の音を自然に聞き取れます。
通話時の音声もクリアで、ビジネス利用やオンライン会議にも対応できる品質です。
マイク性能も向上しており、声がこもらず、相手にも明瞭に伝わる印象。
通話用イヤホンとしても十分な完成度があります。
操作性とマグネティックスイッチの快適さ
ATH-CKS50TW2はタッチ式ではなく物理ボタンを採用しています。
これが非常に使いやすい。
誤タッチが起きにくく、押し心地もカチッと明確で、手袋をしていても問題なく操作可能です。
そして最大の特徴が「マグネティックスイッチ」。
左右のイヤホンをくっつけると自動で電源オフになり、離すとオン。
この動作が直感的で、想像以上に便利です。
音楽を聴き終わってデスクに置くとき、ケースに戻す手間が省けるのは小さなようで大きなメリット。
アプリ「Audio-Technica Connect」との連携もスムーズで、
・ノイズキャンセリング強度の調整
・外音取り込みモードの切り替え
・イコライザー設定
・ファームウェア更新
などが簡単に行えます。
また、マルチポイント接続にも対応。
スマートフォンとPCを同時接続して、音楽を聴きながら通話に即座に切り替えるといった使い方も可能です。
バッテリー性能：完全ワイヤレス界の長寿命王
このイヤホンの最大の魅力、それが“バッテリーの持ち”。
ANCオフなら、イヤホン単体で約25時間、ケース併用でなんと約65時間。
ANCをオンにしても15時間＋ケースで約40時間と、他社製品の倍近いスタミナを誇ります。
この数値は実際の使用感でも誇張ではなく、1週間ほど充電せずに使えるほど。
「毎日充電するのが面倒」という人にとって、これだけでも選ぶ価値があります。
急速充電にも対応しており、短時間の充電で数時間再生可能。
ワイヤレス充電もサポートしているので、デスク上でスマートに充電できます。
防水性能と耐久性
IP55の防水・防塵性能を備えており、雨の日の通勤や軽い運動でも安心して使用できます。
完全防水ではないためシャワーや水没には注意が必要ですが、汗や飛沫程度なら問題なし。
筐体の仕上げも高級感があり、樹脂素材ながらしっかりとした質感です。
日常的な使用で劣化しにくく、長く使える安心感があります。
競合モデルとの比較
同価格帯では、ソニーの「WF-C700N」やAnkerの「Soundcore Liberty 4 NC」などが競合します。
それらと比べたATH-CKS50TW2の強みは以下の3点です。
- 圧倒的なバッテリー持続時間
- マグネティックスイッチによる直感的な操作性
- 重低音重視の力強いサウンド
一方で、LDAC非対応やイヤホンのサイズ感など、弱点もあります。
ただし、音楽を“楽しむ”という点においては、非常に完成度の高いモデルといえます。
ATH-CKS50TW2をおすすめできる人・できない人
おすすめできる人
- 長時間バッテリーを最重視する人
- 重低音のある音楽を楽しみたい人
- ボタン操作が好きな人
- イヤホンを頻繁に充電したくない人
おすすめしにくい人
- 軽量・コンパクトなイヤホンを求める人
- ハイレゾコーデックにこだわる人
- 最高レベルのノイキャンを求める人
自分の用途や聴く音楽のジャンルによって、評価が大きく変わるタイプのイヤホンです。
ATH-CKS50TW2レビューのまとめ：音楽を長く楽しめるタフな一台
ATH-CKS50TW2は、オーディオテクニカらしい“音楽を楽しませる音作り”と、“日常で使いやすい機能設計”が両立したモデルです。
圧倒的なバッテリー持ち、重厚な低音、安定した装着感。
派手さよりも実用性と音楽性を重視する人にぴったりの一台といえるでしょう。
イヤホンを頻繁に充電したくない人、音楽を長時間楽しみたい人には特におすすめ。
マグネティックスイッチや物理ボタンの快適さも、使うほどに魅力が増していきます。
“長く付き合える完全ワイヤレス”を探しているなら、ATH-CKS50TW2はその有力候補になるはずです。
