「街乗りでも軽快に走れて、ツーリングも快適にこなせるバイクが欲しい」──そんな声に応えるのがホンダのCB250Rだ。250ccクラスの中でも“ちょうどいい”存在として人気のこのモデル、実際にどんな走りを見せるのか。最新のレビューをもとに、実走感や使い勝手をリアルに紹介していく。
コンパクトだけど本格派、CB250Rとは？
CB250Rは、ホンダが展開する「ネオスポーツカフェ」シリーズの中核モデルだ。クラシックな丸目ヘッドライトと現代的なディテールが融合したデザインは、街に映えるおしゃれさを持ちながらも、どこか力強い。
エンジンは水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ。最大出力は27馬力ほどで、トルクも約23Nmとこのクラスではトップレベル。発進時の力強さと中速域での扱いやすさが共存しており、「街中でもストレスがない」と多くのライダーが評価している。
さらに注目すべきはその軽さ。装備重量は140kg台前半で、250ccとしては非常に軽量。信号待ちでの取り回し、Uターン、駐車など、ライダーの体力を奪わない軽快さが魅力だ。
街乗りで感じる“軽さとレスポンスの良さ”
CB250Rが特に評価されているのが、街乗りでの走りやすさだ。軽量ボディに加え、スロットルレスポンスが俊敏で、低速でもエンジンがしっかりと粘る。信号発進ではスムーズに速度が乗り、ストップ＆ゴーの多い都心でも快適に扱える。
ハンドルの切れ角が大きく、車体の取り回しも非常に楽。狭い路地や駐車スペースでもストレスを感じない。車体バランスもよく、初心者やリターンライダーでも安心して乗れる点は、ホンダらしい完成度だ。
また、単気筒エンジン特有の「鼓動感」も魅力。アイドリング時の静かさから、一気にスロットルを開けた時の軽快なサウンドまで、走る楽しさを実感できる。街中での通勤やちょっとした買い物など、日常の移動が楽しくなるタイプのバイクだ。
ワインディングとツーリングで見える“スポーツ性”
CB250Rは街乗りだけでなく、郊外ツーリングやワインディングでも本領を発揮する。倒立フロントフォークとモノショックリアサスの組み合わせは、コーナリング時の安定感を高めており、軽快なハンドリングとしっかりした接地感が得られる。
ワインディングロードでは、「バイクが自分の意志に素直に動いてくれる」との声が多い。コーナーの進入から立ち上がりまでの動きが滑らかで、軽さを武器にリズムよく走れる。250ccとは思えない安定感を持ちつつ、スポーティな走りも十分に楽しめるのだ。
高速道路での実力は？安定性と快適性をチェック
250ccクラスのバイクで高速巡航を考えると、「パワー不足」や「風の影響」が気になる人もいるだろう。だがCB250Rは、その不安をある程度払拭してくれる。
100km/h前後の巡航でもエンジンに余裕があり、振動も最小限。軽い車体ながら直進安定性が高く、風の影響を受けてもハンドルがブレにくい。長時間走るならウインドスクリーンを付けた方が快適だが、ノーマルでも十分走れる。
燃費は平均で30〜40km/L前後。タンク容量が約10リットルなので、満タンで250〜300km走行できる。燃費性能の高さは、ツーリング先での安心感にもつながる。
乗り心地と足つき ― コンパクトだけどしっかりした作り
CB250Rのシート高は約800mm。数字だけ見ると高めだが、車体がスリムなため実際の足つきはそれほど悪くない。身長165cm前後でも片足ならしっかり接地する印象だ。
サスペンションはやや硬めの設定。街中では少し路面の凹凸を拾いやすいが、スピードが乗るツーリングではこの硬さが安定感を生む。スポーティな走りを楽しみたい人にはむしろ心地よいフィーリングだろう。
また、ポジションは自然体。ハンドル位置が高すぎず低すぎず、腰への負担が少ない。長時間のライディングでも疲れにくく、姿勢を崩さず安定した操作ができる。
デザインと装備 ― 「ネオスポーツカフェ」の魅力
CB250Rの外観は、シンプルなのに存在感がある。丸目LEDヘッドライトと無駄のないボディラインは、クラシカルでありながら近未来的。どんな街にも溶け込むデザインで、男女問わず人気が高い。
メーターはフルデジタルで、ギアポジションや燃費、時計など必要な情報がひと目で分かる構成。夜間の視認性も高く、ライダーの集中を妨げない。
さらに、前後ABSやLEDライトなど、安全性・快適性の面でも充実。特別なカスタムをしなくても満足度が高い仕様だ。こうした細部の完成度が、ホンダの信頼感につながっている。
使い勝手と維持費 ― 日常に寄り添う実用性
CB250Rはスポーティな見た目とは裏腹に、維持費の安さと使い勝手の良さも魅力だ。250ccクラスなので車検は不要。保険や税金も比較的安く、燃費も優秀。ランニングコストの低さは、通勤や通学にも適している。
ただし、ネイキッドタイプゆえに積載性は低め。リアキャリアやサイドバッグを取り付けると利便性がぐっと上がる。街乗り中心ならバックパックで十分だが、ツーリングメインならカスタムを検討してもいいだろう。
気になる点と注意したいポイント
どんなに優れたバイクでも、気になる部分はある。CB250Rの場合、いくつかの改善要望が挙がっている。
まず、高速走行時の風圧。軽量ボディは魅力だが、その分、長距離では風の影響を受けやすい。高速を多く走る人は、スクリーン装着をおすすめしたい。
また、エンジンブレーキがやや強めに効く傾向があり、慣れないうちはコーナー進入時に注意が必要だ。慣れてくると“制御しやすい特性”として逆に武器になるが、初心者は慎重に操作したい。
CB250Rをおすすめしたいライダー像
このバイクを特におすすめしたいのは、以下のようなライダーだ。
- 初めてのバイクで、扱いやすく長く乗れるモデルを探している人
- 通勤・通学など街乗り中心だけど、休日はツーリングも楽しみたい人
- デザイン性と走行性能の両立を求める人
- 軽くて気軽に乗れるネイキッドを探している人
CB250Rは「万能」という言葉がよく似合う。日常の足としても、趣味の相棒としても、ライダーのライフスタイルに自然に溶け込む存在だ。
CB250Rの最新レビューまとめ ― 軽快で楽しい“走る日常”
改めてまとめると、CB250Rは軽量で扱いやすく、街乗りからツーリングまでバランスよくこなすバイクだ。単気筒の鼓動感、軽快なハンドリング、そして無駄のないデザイン。すべてが“シンプルだけど上質”という印象に集約される。
街中では軽やかに、郊外ではスポーティに走れる。燃費も良く、維持費も手頃。バイク本来の楽しさをストレートに感じたい人には、間違いなくおすすめできる1台だ。
日常にちょっとした刺激と解放感をプラスしてくれる──それがCB250Rの魅力であり、今も多くのライダーに選ばれ続けている理由だ。
