マツダが送り出した新世代SUV「CX-60 PHEV」。ハイブリッドでもなく、電気自動車でもない“プラグインハイブリッド”というジャンルで注目を集めています。カタログ燃費は良さそうだけど、実際の燃費はどうなの?乗り心地は快適なの?この記事では、オーナーのリアルな声や試乗レビューをもとに、CX-60 PHEVの本当の魅力と課題を掘り下げていきます。
CX-60 PHEVってどんなクルマ?
CX-60 PHEVは、マツダの「ラージ商品群」第1弾として登場した中型SUVです。エンジンは2.5Lの直列4気筒に大容量バッテリーとモーターを組み合わせたe-SKYACTIV PHEVシステムを採用。電動とガソリンのいいとこ取りを狙った1台です。
スペック上では、システム総出力は約327ps、トルクは50.9kgmと力強く、0-100km/h加速は6秒台。SUVらしからぬ俊敏さを誇ります。また、EV走行距離はWLTCモードで約70〜75kmと発表されており、日常使いではほとんど電気だけで走れるレベルです。
価格は約540万円から(2025年時点)。同クラスの輸入PHEVと比べてもコストパフォーマンスは高く、国産PHEVの中でも注目されています。
実燃費はカタログ通りじゃない?オーナーの声を集めてみた
カタログ燃費が14.6km/Lと聞くと、少し物足りない印象を受けるかもしれません。しかし、PHEVの燃費は「使い方次第」で驚くほど変わります。
SNSやレビューサイトでは、次のような声が多く見られます。
- 「毎日自宅で充電して、通勤中心の走りならほぼEV走行。燃費換算すると30km/L以上いく」
- 「長距離をガソリン主体で走ると10km/L台前半に落ちる」
- 「EVとガソリンの切り替えが自然で、燃費よりも走りの快適さが印象的」
みんカラの実燃費データを見ても、7km/Lから40km/L台まで幅があります。つまり、充電頻度と走行距離のバランスが燃費に直結しているということです。
街乗り中心で毎日こまめに充電するなら、ほとんどガソリンを使わずに済む。一方で、遠出が多く、充電設備を使わないなら燃費は落ちやすい。PHEVは「充電ありきの車」だと理解しておくと、満足度はぐっと上がります。
EV走行の魅力:静かで滑らか、そして力強い
CX-60 PHEVのEVモードは、電気自動車のような静粛性が大きな魅力です。アクセルを踏んだ瞬間からトルクが立ち上がり、スムーズに加速していく感覚はガソリン車とは一線を画します。
マツダらしく、走りの質感も高い。ハンドリングは後輪駆動ベースのAWDで自然なフィーリングがあり、ステアリングの応答性もシャープ。電気走行時の重量感を上手くコントロールしており、低速でもしっとりとした安定感があります。
ただし、モーター走行時に静かすぎて「スピード感が分かりにくい」と感じる人も。慣れるまで少し違和感を覚えるかもしれません。
乗り心地は「硬め」?試乗レビューをチェック
乗り心地については、オーナーの意見が割れています。
- 「欧州車のように引き締まっていて、高速では安定感抜群」
- 「街中の段差や継ぎ目では硬さを感じる」
- 「タイヤや路面の違いで印象が変わる」
サスペンションはしっかりとした設定で、路面の凹凸をダイレクトに感じる場面もあります。マツダは「ドライバーとクルマの一体感」を重視しているため、あえてこのようなチューニングにしているのでしょう。
長距離ドライブではこの硬さが安定感に変わり、高速道路ではどっしりと落ち着いた走りを見せます。一方、低速域では若干ゴツゴツした印象もあるため、試乗で確認するのがベストです。
内装と装備:プレミアム感は価格以上
インテリアの質感はCX-60 PHEVの大きな魅力のひとつです。上級グレードの「プレミアムモダン」や「エクスクルーシブモード」では、ナッパレザーやウッドパネル、クロス素材を組み合わせた上質な仕立てになっています。
マツダ独自の「匠」デザインは、派手すぎず落ち着いた高級感があり、輸入車と並べても見劣りしません。シートのホールド感も高く、長距離でも疲れにくい設計です。
また、ドライバー認識カメラによるポジション自動調整や、最新のマツダコネクトによるインフォテインメント機能など、運転支援も充実。PHEVらしく走行モードを自在に切り替えられるのもポイントです。
走行性能:重さを感じさせないバランスの良さ
CX-60 PHEVは2トンを超える車重にもかかわらず、動きは軽快です。電気モーターの瞬発力とエンジンの力をうまくミックスし、状況に応じて最適な動力配分を行っています。
特に注目すべきは、マツダ初採用の8速オートマチック。トルクコンバーターを使わない構造で、ダイレクト感が強く、ドライバーの意図に正確に反応します。峠道やワインディングでも安定した姿勢を保ち、SUVでありながら「走る楽しさ」を実感できる仕上がりです。
また、4WDシステムの制御が非常に緻密で、雨天や雪道でも安心して走行できます。燃費を犠牲にせず、走りと安全を両立しているのはCX-60 PHEVならではです。
PHEVを選ぶ理由:環境だけじゃない“快適さ”
PHEVというと「エコカー」というイメージが強いですが、実際には快適性と経済性の両立が大きな魅力です。ガソリン価格が高騰している今、充電をうまく活用すれば日常の燃料費をかなり抑えられます。
さらに、EVモードの静けさとスムーズな加速は、運転そのものをリラックスさせてくれます。通勤や街乗りではストレスが少なく、帰宅後に自宅で充電しておけば、翌朝また静かな走りを楽しめる。このサイクルが習慣化すれば、CX-60 PHEVの真価を実感できるはずです。
オーナー満足度とリアルな口コミ
口コミサイトやSNSを見ても、CX-60 PHEVの評価は総じて高めです。
- 「EV走行が静かで高級感がある」
- 「燃費よりも走りが楽しい」
- 「内装のクオリティに満足」
- 「硬さはあるけど安定している」
一方で、「燃費を伸ばすには頻繁な充電が必要」「街乗りの段差で揺れる」といった意見もあります。どのクルマにも長所と短所がありますが、CX-60 PHEVは“電動SUVとしての完成度”が評価されています。
cx60 phevの実燃費や乗り心地は?まとめと総評
CX-60 PHEVは、燃費・走り・質感のバランスが取れた実力派SUVです。
- 実燃費は7〜40km/Lと幅があるが、充電環境次第で驚くほど経済的
- 乗り心地は硬めながらも高い安定性を発揮
- EVモードの静粛性と加速はガソリン車では味わえない快感
- 内装の質感は国産SUVトップクラス
「充電できる環境がある人」「走りを妥協したくない人」には特におすすめの1台です。逆に、充電をあまりしない使い方だとPHEVのメリットが薄れる点には注意が必要。
日常は静かに、週末は力強く。そんな“二面性”を楽しめるCX-60 PHEVは、これからの時代にふさわしいプレミアムSUVです。
