ランニングシューズ選びって、正直むずかしいですよね。軽さを取るか、クッション性を取るか、反発力を取るか…。そんな中で最近じわじわと注目を集めているのが「evo sl」です。
アディダスのadizeroシリーズの中でも、カーボンプレートを搭載しない“ナチュラル系レーシングシューズ”として話題になっています。
この記事では、evo slの特徴、履き心地、実際のレビュー評価を徹底的に掘り下げていきます。
evo slとは?軽さとナチュラル感を両立した最新モデル
まず「evo sl」とはどんなモデルなのか。
これはアディダスが展開する「adizero」シリーズの最新シューズで、特徴は何といっても**“軽量でプレートレス”**な構造です。
多くのレーシングモデルはカーボンプレートを内蔵して反発を高めていますが、evo slはその逆をいきます。
あえてプレートを排除し、足本来の動きを活かした自然な走り心地を追求しているのです。
重量は約224g(27.5cm)と超軽量。
Lightstrike Proというミッドソール素材を採用し、ふわっとしたクッションと弾むような反発を両立しています。
さらに、ドライ路面で強いグリップ力を発揮するコンチネンタルラバー製アウトソールが採用されており、トレーニングからレースまで幅広く使える万能シューズです。
実際の履き心地と走行感
柔らかくも反発する独特のミッドソール感
履いてみるとまず驚くのが「柔らかいのに弾む」感覚。
Lightstrike Proはアディダスが誇る高反発フォームで、足を置いた瞬間に沈み込み、すぐに前に押し出されるような感触を味わえます。
カーボンプレートがない分、硬さがなく自然なロール感で脚が前に転がる。
ジョグでもスピード練習でも使えるのが魅力です。
「100km走ってもクッションがへたらない」というレビューもあり、長距離走にもしっかり対応。
練習から大会本番まで、1足でこなせる安定感があります。
evo slの魅力を深掘りする
軽量でストレスがない
走り出すとその軽さに感動します。
足を持ち上げるたびに「軽い!」と感じるほどで、ジョグやペース走では特に恩恵を実感できます。
フルマラソンの中盤以降、脚の疲労を感じる頃でも、軽さが走りのリズムを保ってくれるのです。
自然な走りをサポート
カーボンプレートが入っていないので、硬い板のような反発がなく、足の動きを妨げません。
ミッドフット〜フォアフット着地のランナーには特に合いやすく、「走っていて気持ちいい」と感じる柔らかさがあります。
一方で、プレートシューズ特有の“押し出される感覚”が好きなランナーには、少し物足りなく感じるかもしれません。
サイズ感とフィット感のリアルなところ
サイズ感は「標準」より少し余裕がある印象です。
つま先に程よいスペースがあり、長距離ランでも指先が窮屈になりにくい。
幅広の足でも無理なくフィットするとの声が多く、初心者にも履きやすい設計です。
アッパーは非常に薄く、通気性が高いメッシュ素材。
足全体を包み込むような優しいフィット感で、締め付けが少なく快適に走れます。
長時間のランでもシューズ内が蒸れにくく、夏場のトレーニングにも向いています。
グリップ力と耐久性の評価
アウトソールにはコンチネンタル社製ラバーが使用されています。
乾いたアスファルトでは驚くほどのグリップを発揮し、カーブや加速時も安心感があります。
一方で、濡れた路面では「やや滑る」との声もあり、雨天時の走行には注意が必要です。
耐久性については概ね高評価。
「500km以上走ってもソールが健在だった」というレビューもあり、日常のトレーニング用途でも長持ちします。
価格を考えればコスパは十分に高いと言えるでしょう。
evo slの弱点と注意点
どんなシューズにも課題はあります。
evo slで多く指摘されているのは安定性です。
柔らかいフォームと高いスタック(厚底)構造により、横方向のブレを感じる人もいます。
特に着地が不安定になりやすい初心者や、内側への倒れ込み(オーバープロネーション)が強いランナーには注意が必要です。
また、雨の日はグリップが落ちるので、ウェットコンディションでのスピード走には向きません。
悪天候時に走ることが多い人は、全天候対応モデル「EVO SL ATR」などを検討するのもおすすめです。
口コミ・ユーザー評価をチェック
SNSやYouTubeでもevo slのレビューは数多く投稿されています。
「軽くて脚が自然に回る」「ジョグもレースもこれ1足でいける」といったポジティブな意見が目立ちます。
一方、「カーボンプレートの推進力が欲しい」と感じるユーザーも一部存在します。
多くのランナーが共通して挙げるのは、「履いていて楽しい」「疲労が残りにくい」という点。
長距離を無理なく走れる、そんな“相棒的シューズ”として定着しつつあります。
他モデルとの比較:レース向けではないが万能
evo slは、たとえば「Adizero Adios Pro 3」などのカーボンモデルとは一線を画しています。
レースタイムを短縮するための“爆発的な反発力”ではなく、安定したリズムで走れる軽快なシューズ。
ジョグ・ペース走・ロングラン・テンポ走など、どんなメニューでも違和感なく使える汎用性が魅力です。
その意味で、evo slは“日常トレーニングとレースの橋渡し”的な存在。
練習用としても、レース当日のセカンドシューズとしても活躍できます。
evo slはどんなランナーにおすすめ?
- カーボンシューズの硬さが苦手な人
- 自然な走りを重視したい人
- フルマラソンやハーフで安定したペースを刻みたい人
- 軽量で扱いやすいシューズを探している人
- 一足で練習から大会まで対応したい人
初心者〜中級者のランナーには特におすすめ。
「走るのが楽しくなる」感覚を味わいたい人にはピッタリの一足です。
まとめ:evo slの実力は本物だった
ここまで見てきたように、evo slは軽量・高反発・自然な履き心地という三拍子を揃えたシューズです。
爆発的な反発を求める“記録狙い”のレーシングモデルではありませんが、走ることを楽しみたいランナーにとって理想的なバランスを持っています。
扱いやすく、脚に優しく、何より履くのが楽しみになる。
そんなevo slの実力は、確かに本物といえるでしょう。
evo slは、ランナーのレベルや目的を問わず、走りの質を一段階引き上げてくれる存在です。
「軽さ」「自然な推進力」「疲れにくさ」――そのすべてが調和したこのモデルは、今後も多くのランナーに愛され続けるはずです。
