ポータブルオーディオブランドとして人気のFiiO(フィーオ)から登場した「fiio rr11」。一見すると昔懐かしいFMラジオのような見た目ですが、その中身は現代的な高音質技術がぎゅっと詰まったポータブルガジェットです。この記事では、fiio rr11の音質や使い勝手を中心に、実際の使用感やおすすめの使い方まで詳しくレビューしていきます。
fiio rr11とは?レトロデザイン×高音質の新感覚ガジェット
fiio rr11は、FMラジオとして楽しめるだけでなく、USB-C接続によってDAC(デジタル・アナログ・コンバーター)兼アンプとしても使える多機能オーディオプレーヤーです。
つまり「昔ながらのラジオ」と「現代的な高音質オーディオ」を融合させた、ちょっとユニークなポータブル機。
アルミ合金製の筐体は手のひらに収まるほどコンパクトで、デザインはクラシカルながら質感は非常に高い。アナログ式のチューニングダイヤルを回す感触は、どこか懐かしさを感じさせます。
カラーはブラック、レッド、ゴールドなど複数展開。質感の高い金属ボディとシンプルな構成が、FiiOらしい上品さを漂わせています。
主な仕様と機能
fiio rr11のスペックを見ていくと、単なるラジオに留まらない作り込みが光ります。
- FM受信範囲:64〜108MHz(ワイドFM対応)
- チップ:Silicon Labs Si4831(高感度FMチューナー)
- 出力端子:3.5mmステレオミニジャック
- DAC/アンプモード:USB-C接続で対応
- 内蔵バッテリー:300mAh(FMモード約8.5時間、アンプモード約17.5時間)
- 重量:約46g
これらの仕様からも分かるように、fiio rr11は“ポケットに入るラジオ”でありながら“USBオーディオデバイス”としても活躍します。
PCやスマホと繋いで音楽再生をすれば、小型アンプとして音質を底上げしてくれるのです。
音質レビュー:FMラジオとは思えないクリアなサウンド
まず、FMラジオとしての音質はかなり良好です。
内蔵のSilicon Labs製チップはノイズを抑え、クリアな中高域を再現。低音も薄っぺらくならず、しっかりとした量感を感じます。
特に「Magic Bass」と呼ばれる独自の低音強調機能をオンにすると、FM放送の音に奥行きが生まれ、ライブ番組や音楽番組が一段と楽しめる印象です。
もちろん、FM放送という特性上、ハイレゾのような解像感までは期待できませんが、携帯ラジオとしては異例のクオリティ。
ラジオ好きだけでなく、音質にこだわる層からも「想像以上に良い音」と好評です。
DAC/アンプモードでさらに進化する音
fiio rr11をUSB-CケーブルでPCやスマホに接続すると、DAC/アンプモードに切り替わります。
このときの音の変化はかなり明確。出力が増し、音の厚みと安定感がアップします。
特に、インピーダンスの高いイヤホンやヘッドホンを使用したときに、その効果を実感できるでしょう。
高音の伸びやステレオ感が増し、FMモードとは一線を画す“FiiOらしい繊細な音づくり”を味わえます。
ただし、一部レビューでは「ドングルDACとしては微弱なノイズを感じる」との指摘もあります。
これは高感度イヤホンを使用した際に限られることが多く、一般的な使用ではほぼ気にならないレベルです。
実際の使い勝手と操作感
fiio rr11の操作は非常にシンプルです。
アナログ式のチューニングダイヤルを回すことで周波数を合わせ、音量調整も物理スイッチで直感的に行えます。
この“手で操作している感覚”が、デジタルデバイス全盛の今だからこそ新鮮。
また、ボディが金属製のため剛性感が高く、持ち運び時にも安心感があります。
ポケットやバッグに入れても邪魔にならないサイズ感で、通勤・通学時のちょっとしたリスニングにもぴったりです。
FMラジオとしてだけでなく、USB-C経由でスマホと繋いで音楽を聴けるため、日常使いの幅が非常に広い点も魅力の一つです。
付属イヤホンの実力
fiio rr11には、クラシックな見た目のイヤホン(JF11)が付属します。
軽量で装着感は良好ですが、音質面ではあくまで“付属イヤホンらしい素直な音”。
ラジオ用途には十分ですが、音楽再生をより楽しみたいなら、別の高音質イヤホンを組み合わせるのがおすすめです。
実際、fiio rr11を中〜高価格帯のIEMと組み合わせた場合、DACモードでの音の伸びや低音の締まりが明らかに向上します。
FiiOの他モデル(例えばFiiO FD15など)との相性も良好で、ブランド内で統一するのも面白い選択です。
どんな人におすすめか?
fiio rr11は、万人向けというよりも“音やガジェットを楽しみたい人”に向いた製品です。
以下のような人には特におすすめです。
- ラジオ番組を高音質で楽しみたい
- 小型で高級感のあるガジェットが好き
- USB DAC機能を気軽に試してみたい
- スマホやノートPCでの音質を手軽に改善したい
逆に、Bluetooth再生やストリーミングアプリなどを中心に使いたい人には不向きです。
あくまで“有線で音を楽しむ”方向けのアイテムだと考えると、満足度はかなり高いでしょう。
fiio rr11のメリットと注意点
メリット
- 高感度FMチューナーでクリアな受信
- DAC/アンプとしても活用可能
- コンパクトで高級感のあるデザイン
- 長時間バッテリー(最大17.5時間)
注意点
- Bluetooth非対応
- 地域や環境によってはFM受信感度に差が出る
- 付属イヤホンの音質はあくまで“標準レベル”
これらを踏まえると、fiio rr11は「音質とデザインを両立した趣味性の高い製品」と言えます。
価格とコストパフォーマンス
fiio rr11の実売価格はおよそ8,000〜14,000円前後。
ラジオ+DAC+アンプという多機能性を考えると、コスパは非常に優秀です。
この価格帯でこれだけの造りと音質を実現しているのは、さすがFiiOといったところでしょう。
単純にラジオとして見ると高価に感じるかもしれませんが、“高音質ポータブルガジェット”として捉えれば十分に納得できる値段です。
まとめ:fiio rr11は“聴く楽しさ”を再発見させてくれる一台
fiio rr11は、アナログの温もりとデジタルの利便性を融合させた、今の時代には珍しいポータブルオーディオです。
ラジオのチューニングを手で合わせる感覚や、金属ボディの手触り、そして意外なほどクリアな音質。
すべてが「音を聴く楽しさ」を思い出させてくれます。
ラジオ好きはもちろん、音質重視派にも一聴の価値あり。
コンパクトで高品位なポータブルラジオ兼DACとして、あなたの音楽ライフをひと味違うものにしてくれるでしょう。
fiio rr11の音質や使い勝手を徹底レビュー【総評】
最後にもう一度まとめると、fiio rr11は“音を楽しむガジェット”という表現が最もふさわしい製品です。
レトロな見た目に惹かれた人も、音質で驚かされる人も多いはず。
コンパクトながら多機能な一台として、FiiOファンだけでなく幅広い層におすすめできるアイテムです。
