ランニングシューズ選びで「軽さ」と「反発力」、どちらを重視するか迷う人は多いですよね。今回紹介する**fuelcell pvlse v1**は、ニューバランスが手がけるFuelCellシリーズの中でも、特に“スピード”と“ダイレクト感”を重視したモデルです。軽量でありながら高反発な走り心地を実現しており、短距離やスピード練習用として注目を集めています。
ここでは、実際の使用感や特徴、どんなランナーに向いているのかを詳しく解説します。
fuelcell pvlse v1とは?ニューバランスの新しいスピードモデル
ニューバランスが展開するFuelCellシリーズは、エネルギーリターンと推進力に優れたミッドソール素材「FuelCellフォーム」を搭載しているのが特徴。その中でもpvlse v1は、軽量で薄底、トラック競技にも対応できる設計がされています。
・重量は約194g(27cm)前後
・ドロップは2mmとフラットな構造
・ソール厚は20mm以下(WA認定規定内)
・カーボンプレート非搭載
・通気性の高いメッシュアッパー採用
要するに、「厚底シューズよりも地面を感じながらスピードを出したいランナー」向けの一足です。軽量性と反発力を両立させた、クラシックなレーシングフラットの現代版といえるでしょう。
ミッドソールのFuelCellフォームが生む高反発の推進力
このモデルの心臓部ともいえるのが、ニューバランス独自の**FuelCellフォーム**。柔らかさと反発力のバランスが良く、地面を押し返すような推進力が感じられます。
厚底モデルのような「跳ね返り感」は抑えめですが、地面を蹴った力がすぐ前進に変わるダイレクトな反発感が魅力。足裏で地面を感じながら走りたいランナーには非常に心地よい感触です。
クッション性は控えめでも、FuelCell特有の弾むような感覚が足への負担を和らげてくれるため、短〜中距離のスピード走には最適です。
アッパーのフィット感と通気性の良さ
アッパーには軽量で柔軟なエンジニアードメッシュを採用。足を包み込むようなフィット感があり、シューレースでの締め具合調整もしやすくなっています。
走行中に「靴がズレる」「足が遊ぶ」といったストレスが少なく、自然に足と一体化するような履き心地。通気性も非常に高いため、真夏のトレーニングや湿度の高い日でも蒸れにくく快適に走れます。
また、かかと部分には軽くパッドが入っており、ホールド感を保ちながらもアキレス腱周りの当たりをやわらげています。
軽量でスピード感あふれる履き心地
履いた瞬間に感じるのは、とにかく軽いということ。足を持ち上げた時に“何も履いていないような感覚”に近いほど軽快です。
約200g以下という重量は、一般的なトレーニングシューズの6〜7割ほど。重心移動がスムーズで、テンポよく脚を回せます。軽さのおかげでフォームのブレが少なく、自然とピッチ走法に適したリズムで走れるのもこのモデルの特徴です。
一方で、軽さの裏返しとして「ソールの薄さ」を感じる場面もあります。特にアスファルトなど硬い路面では、厚底のような衝撃吸収は期待できません。とはいえ、薄底特有の地面との一体感を好む人にはこの“生の接地感”がたまらないポイントになります。
グリップ力と安定性も優秀
アウトソールには耐摩耗性ラバーが配置され、接地面積を広く取ることで安定性を確保しています。トラックやロードのどちらでもしっかりグリップし、スリップの心配はほとんどありません。
特にコーナリング時の安定感は秀逸。地面をしっかり掴む感触があり、スピードを落とさずスムーズにカーブを抜けられます。濡れた路面でも不安定さを感じにくく、日常のトレーニングやレースでも安心して使える仕様です。
実際の走行レビュー:短距離〜10kmで真価を発揮
多くのランナーが評価しているのは、5〜10kmのテンポ走やインターバル練習での軽快さです。足の回転を速くしてピッチを上げるほど、FuelCellフォームの反発が活きてきます。
「脚が勝手に前に出る」「ペースを保つのが楽」といった声が多く、スピード練習のモチベーションが上がるという意見も。特に、厚底カーボンモデルに慣れていないランナーにとって、pvlse v1のダイレクトな感触はフォーム改善にも役立ちます。
一方で、ハーフ〜フルマラソンなど長距離走では、クッションの少なさから疲労を感じやすい場合もあります。そのため、あくまでスピード練習やレース用セカンドシューズとして使うのがおすすめです。
サイズ感とフィット性の注意点
サイズ展開はレギュラー(D)幅のみ。足幅が広い人にはややタイトに感じることがありますが、甲周りはしなやかで伸びがあるため、履いているうちに自然と馴染みます。
サイズ選びの目安としては、普段履いているニューバランスのランニングシューズと同じサイズで問題ないという意見が多いです。初めてFuelCellシリーズを購入する場合は、ジャスト〜0.5cmアップで検討すると良いでしょう。
デザインとスタイル性
機能面だけでなく、デザインの評価も高いモデルです。シルエットは非常にスリムで、無駄のないミニマルデザイン。アッパーの通気メッシュが軽さを視覚的にも感じさせます。
シンプルながらスポーティーな印象なので、ランニングだけでなく普段履きにも使いやすいのが魅力。カラーラインナップはホワイト、ブラック、ブルー系などがあり、どれもニューバランスらしい上品なトーンで仕上がっています。
fuelcell pvlse v1はどんな人におすすめ?
このモデルが特にフィットするのは次のようなランナーです。
・軽量で反発のあるシューズを探している
・地面の感触をしっかり感じながら走りたい
・5km〜10kmのスピード練習用シューズが欲しい
・厚底シューズの柔らかさが苦手
・トラックやロードの短距離レースで使用したい
逆に、膝や足首への負担を避けたい初心者や、長距離メインのランナーには、FuelCell PropelやFuelCell Rebelのような厚底モデルの方が合うでしょう。
購入前に知っておきたいポイント
・クッション性よりもスピード重視の設計
・足幅が広い場合はフィット感を要確認
・長距離よりも短距離・テンポ走に最適
・軽量ゆえに耐久性はやや控えめ(使用環境次第)
価格帯は1万円台前半〜中盤。FuelCellシリーズの中ではコストパフォーマンスが高く、レーシング用シューズ入門としてもおすすめです。
fuelcell pvlse v1の特徴や履き心地まとめ
**fuelcell pvlse v1**は、軽量で反発力のあるFuelCellフォームを搭載した、スピード志向のレーシングフラット。通気性の良いメッシュアッパーと優れたグリップ力で、5〜10kmのスピード走を快適にこなせる一足です。
厚底では得られない地面との一体感と、足が自然に前へ出る感覚は、走る楽しさを再確認させてくれるはず。軽さ・反発・フィット感のバランスが良く、スピード練習を重ねたいランナーにぴったりのモデルです。
走るたびに「まだ伸びしろがある」と感じさせてくれる一足。
もしあなたがスピード感のある走りを求めているなら、fuelcell pvlse v1を試してみる価値は十分にあります。
