「Genji」と聞くと、あなたはどんなイメージを思い浮かべるでしょうか。
日本の武士をモチーフにしたアクションゲーム?それとも、サイボーグ忍者として戦うFPSのヒーロー?
実は「Genji」という名前は、いくつかの人気作品で使われているんです。今回は、その代表的な二つ──PlayStation 2のアクションゲーム『Genji: Dawn of the Samurai』シリーズと、『Overwatch』に登場するヒーロー・ゲンジ──について、性能や特徴をレビューを交えてわかりやすく紹介していきます。
アクションゲーム『Genji』とは?
まずは2005年にPlayStation 2で発売されたアクションゲーム『Genji: Dawn of the Samurai』(日本版『GENJI』)から見ていきましょう。
この作品は、平安時代を舞台にした和風アクションゲームで、プレイヤーは源義経や弁慶といった歴史上の人物を操作します。開発は『鬼武者』にも関わったスタッフを擁するGame Republic。戦国ものではなく平安期を描く点が特徴で、雅やかで幻想的な世界観が魅力です。
ゲームの主軸は剣戟アクション。敵の攻撃を見切って反撃する「神威システム」が最大の見せ場で、タイミングよくボタンを押すことで一撃必殺を繰り出せます。動作が美しく、敵を一掃する爽快感は当時のプレイヤーにも高く評価されました。
一方で、ストーリーはシンプルでプレイ時間も短め。ボリューム面で物足りなさを感じた人も多かったようです。「グラフィックは美しいが、やり込み要素が少ない」「後半は単調になる」といった声も目立ちました。とはいえ、PlayStation 2時代の作品としては描写が細かく、和風ファンタジーの雰囲気をしっかり味わえる一本です。
続編『Genji: Days of the Blade』で進化したポイント
2006年にはPlayStation 3向けに続編『Genji: Days of the Blade』が登場しました。
次世代機の性能を生かし、キャラクターをリアルタイムで切り替えられるシステムが導入。義経や弁慶のほか、新キャラクターの巴御前など、個性の異なる4人を使い分けながら戦います。
グラフィックは大幅に進化し、鎧の質感や光の表現などがより重厚に。PlayStation 3初期タイトルの中でも美しさは際立っていました。しかし、カメラワークや操作性にやや難があり、「見づらい」「酔いやすい」といった指摘もありました。
レビュー全体を通じて見ると、「映像面では魅力的だが、ゲームとしての完成度は前作と同程度」という評価に落ち着いています。派手な演出や日本的な美意識を楽しむには良作ですが、アクションの深みを求める人にはやや淡白に感じられたかもしれません。
『Genji』シリーズの魅力を整理
このシリーズの魅力は、何といっても「和の世界観」にあります。
桜が舞う神社、月光が照らす戦場、雅な音楽──日本文化を丁寧に描き出すことで、プレイヤーを幻想的な世界へ引き込みます。
また、操作キャラがそれぞれ違う戦闘スタイルを持っており、弁慶の豪快な攻撃と義経の俊敏な動きの対比も面白いポイント。スピードと力のバランスをどう取るかで、戦い方が変わるのも魅力です。
ただし、難易度や敵のパターンが単調で、後半になると少し作業感が出てしまうという意見もあります。それでも、短時間でスッキリ遊べるアクションとしての完成度は高く、「和風の雰囲気を楽しみたい人」にはおすすめしやすいタイトルといえるでしょう。
『Overwatch』のGenjiとは?
次に紹介するのは、Blizzard Entertainmentが手がけるチーム対戦型FPS『Overwatch』シリーズに登場するヒーロー「Genji(ゲンジ・シマダ)」です。
こちらのゲンジは、サイボーグ忍者という異色の存在。兄・ハンゾーとの確執を経て生まれ変わった彼は、機械の体を持ちながらも人間としての心を模索するという、哲学的なストーリーを背負っています。
ゲーム内では「ダメージ(DPS)」ロールに分類され、素早い動きで敵を翻弄するのが得意。二段ジャンプや壁登りといったアクロバティックな動きが可能で、縦横無尽にマップを駆け回れます。
攻撃の基本は手裏剣。一直線に3発投げるモードと、扇状に3発ばらまくモードを使い分けて、近距離から中距離まで対応します。さらに「風斬り(Swift Strike)」で突進攻撃を行い、敵を倒すとクールダウンがリセット。これを連続で決めると、まさに忍者のようなスピード感で敵陣を切り裂けます。
ゲンジの強みとプレイスタイル
ゲンジ最大の武器は「機動力」と「反射能力」。
壁を登り、空中で跳び回り、敵の意識の外から一瞬で攻め込む。その姿はまさに忍者そのものです。加えて「木の葉返し(Deflect)」によって、敵の攻撃を跳ね返すことも可能。タイミングさえ合えば、敵の必殺技を逆に返してキルを取ることもできます。
そして、ウルト(必殺技)である「龍撃剣(Dragonblade)」を抜けば、一気に戦況が変わります。数秒間、刀での近接攻撃が強化され、次々と敵を斬り倒す姿は圧巻。味方のサポート(特にスピードアップ系)と合わせれば、一瞬で敵チームを壊滅させることもあります。
このように、ゲンジは一人で戦局を動かすポテンシャルを持つヒーローです。ただし、その分操作難易度は高く、スキルの使いどころを間違えるとあっさり倒されてしまいます。まさに“ハイリスク・ハイリターン”型のキャラクターです。
ゲンジを使う上での注意点
初心者が最初にぶつかる壁は「生存力の低さ」です。
ゲンジはHPが低いため、正面から撃ち合うとすぐに倒されます。常に敵の死角を狙い、逃げ道を確保しながら動くことが重要です。
また、風斬りの突進距離や木の葉返しの判定など、細かい感覚をつかむには練習が必要。相手の射撃方向を読んで反射するスキルは、まさに経験と集中力の勝負です。
その代わり、一度感覚をつかむとプレイが一気に楽しくなります。敵の攻撃をはね返し、風斬りで一気に追撃し、龍撃剣で試合を決める──そんな瞬間は、他のキャラクターでは味わえない爽快感があります。
海外と日本での評価の違い
海外では、ゲンジは「ハイライトを飾る華のあるヒーロー」として人気が高く、プロシーンでもたびたび採用されています。
一方、日本のプレイヤーからは「操作が難しすぎる」「味方との連携が取れないと弱い」といった声も。個人技よりもチームプレイが重視される環境では、ゲンジの扱いが難しくなることがあります。
ただし、どの環境でも“上手いゲンジ”は一目置かれる存在です。敵の隙を突いて一人ずつ倒していくその姿は、観戦しているだけでも魅力的です。
Genjiの性能や特徴をレビューでわかりやすく解説:まとめ
「Genji」という名前には、どちらの作品にも共通する美学があります。
それは、“スピードと技巧、そして日本的な美意識”。
PlayStation 2の『Genji』は、平安時代の幻想を再現したアクションとして、映像美と和の雰囲気を堪能できるタイトルでした。
一方、『Overwatch』のゲンジは、サイボーグ忍者として卓越した機動力とテクニックを駆使する上級者向けヒーローです。
どちらの「Genji」も、プレイヤーに緊張感と達成感を与える存在。見た目の美しさと操作の快感、その両方を楽しめるキャラクター・作品だと言えるでしょう。
アクションが好きな人も、FPSをやり込む人も、一度はこの「Genji」の世界を体験してみてください。
その瞬間、あなたもきっと──剣を抜いたときのあの高揚感を味わえるはずです。
