富士フイルムが2025年に送り出した「GFX100RF」。
中判カメラでありながら、これまでにないほど軽快に扱えることで話題になっています。
この記事では、GFX100RFの性能や使い勝手、そして実際にどんな人におすすめなのかを、実際の使用感を交えながらレビューしていきます。
GFX100RFとは？—富士フイルムの新しい挑戦
まずはGFX100RFの基本情報から。
このモデルは、富士フイルムの中判カメラ「GFXシリーズ」に属する最新モデルで、固定レンズを採用した初のラージフォーマット機です。
搭載されているのは、約1億2百万画素のラージフォーマットCMOS IIセンサー。
一般的なフルサイズより約1.7倍大きなセンサーを採用しており、繊細な階調表現や立体感のある描写を可能にしています。
画像処理エンジンには最新の「X-Processor 5」を採用。高速な処理とノイズの少ないクリアな画像を両立しています。
ボディはアルミ削り出しのような高級感ある仕上がりで、重厚さがありながらもGFXシリーズでは最軽量クラスの約735g。
中判センサー搭載機としては驚くほど軽く、スナップ撮影にも持ち出しやすいバランスに仕上がっています。
圧倒的な画質と描写力
GFX100RFの最大の魅力は、やはり画質。
1億画素超の中判センサーが生み出す解像感は圧巻で、細部の質感までリアルに再現します。
被写体の髪の毛一本や繊維の一本まで見えるほどのディテール表現が可能で、拡大しても破綻のない描写が得られます。
また、富士フイルムならではの色再現も健在。
柔らかく深みのある階調と自然なトーンが特徴で、ポートレートでは肌の質感が非常に滑らかに出ます。
風景撮影では空や緑の表現が豊かで、まるで肉眼で見たような空気感が写真に残るのです。
さらに、デジタルクロップ機能を搭載しているのも注目点。
35mm換算で28mm相当の固定レンズながら、クロップにより39mmから80mm相当の画角を擬似的に再現できます。
つまり、1本のレンズで複数の焦点距離を楽しめるのです。
操作性とデザインの完成度
GFX100RFは、操作系のデザインも非常に洗練されています。
上面にはシャッタースピードとISOを統合したダイヤル、そして露出補正ダイヤルを配置。
直感的な操作ができるよう考え抜かれています。
アスペクト比を瞬時に切り替えられる「アスペクト比ダイヤル」も搭載。
これにより、撮影の段階で構図を意識したフレーミングが可能になります。
撮影後のトリミングではなく、撮る瞬間から作品を作り上げる感覚が味わえるのです。
ホールディング性については、GFXシリーズ特有のしっかりとした握り心地を保ちながら、ボディサイズをコンパクト化。
グリップの形状も自然で、長時間の撮影でも疲れにくいバランスです。
「中判カメラを手にしているのに、まるでX100シリーズのような軽快さ」と評するユーザーも多いです。
最新機能で広がる表現力
GFX100RFは、単に高画質なだけではありません。
最新の機能が搭載され、撮影体験そのものを豊かにしてくれます。
まず注目なのが、多彩なアスペクト比設定。
3:2、16:9、1:1など複数の比率を切り替えて撮影でき、作品の雰囲気を自由に演出できます。
InstagramなどのSNS向けにスクエアフォーマットで撮るのも簡単です。
また、動画撮影にも対応しており、最大4K/30pでの収録が可能。
本格的な映像制作向けというより、写真家が日常的に使うドキュメント映像を残すのに最適です。
静止画と同様に豊かな階調表現を保った動画が撮れるのも、このセンサーの強みです。
オートフォーカスも進化しており、Xシリーズで培った顔・瞳検出AFが搭載。
被写体を的確に捉え、人物撮影でも失敗が少なくなっています。
大判センサーながら、実用性を高めたAF性能は大きな魅力です。
携帯性と使い勝手のバランス
中判カメラというと「大きくて重い」「三脚必須」というイメージを持つ人も多いでしょう。
しかし、GFX100RFはその常識を覆しました。
約735gという軽量ボディは、中判としては驚異的。
ストリートスナップや旅先での撮影でも、気軽に肩にかけて歩けます。
また、静音シャッターを採用しており、街中でも被写体を驚かせることなく撮影可能。
「日常の一瞬を中判画質で切り取る」そんな新しいスタイルを実現してくれます。
電池持ちも改善されており、1回の充電で400枚前後の撮影が可能。
USB-C充電にも対応しているため、モバイルバッテリーでの充電も問題ありません。
実際のユーザー評価と印象
発売直後から多くのフォトグラファーがレビューを公開していますが、その評価は非常に高いです。
特に「画質」「操作性」「携帯性」の3点において、満足度が突出しています。
「中判とは思えない軽快さ」「AFの速さが実用的」「ダイヤル操作が気持ちいい」といった意見が多く、
一方で「F4固定の明るさが惜しい」「手ブレ補正がないため暗所は三脚必須」といった声も聞かれます。
ただ、それらの弱点を踏まえても、GFX100RFは“作品づくりに集中できるカメラ”として評価が高いです。
撮影体験そのものが楽しく、持ち歩きたくなるカメラという点で、従来の中判カメラとは一線を画しています。
GFX100RFをおすすめしたい人
GFX100RFは、プロだけでなくハイアマチュアにも強くおすすめできるモデルです。
特に以下のような人に向いています。
- 最高の画質で日常を撮りたいフォトグラファー
- 中判カメラを試してみたいが、大型機材に抵抗がある人
- 作品撮りや風景写真を中心に撮影している人
- フルサイズでは物足りなくなってきた写真愛好家
固定レンズという制約を楽しめる人にとっては、構図力を鍛える最高のカメラにもなります。
また、富士フイルム特有のフィルムシミュレーション機能で、JPEG撮って出しの完成度も非常に高く、現像をせずに作品を仕上げることも可能です。
価格とコストパフォーマンス
GFX100RFの価格はおよそ80万円前後（ボディ一体型）。
確かに高価ではありますが、1億画素超のラージフォーマットセンサー搭載機としては破格とも言えます。
同クラスの中判カメラがレンズ込みで100万円を超えることを考えると、
この画質・携帯性・デザインを兼ね備えたモデルがこの価格で手に入るのは、非常にコストパフォーマンスが高いです。
長く使えるカメラを探している人、あるいは「一生もののカメラ」が欲しい人にとって、
GFX100RFは投資する価値がある一台です。
まとめ：GFX100RFの性能と使い勝手をレビューして感じた魅力
GFX100RFは、「中判の画質」と「コンパクトカメラの気軽さ」を見事に融合させた新世代モデルです。
圧倒的な解像力、美しい色再現、直感的な操作性。
そのすべてが撮影者の創造意欲を刺激します。
確かに手ブレ補正の非搭載やレンズの明るさには制約があります。
しかし、その制限すら「撮ることの楽しさ」に変えてくれるのがこのカメラの魅力です。
写真を“作品”として仕上げたい人、日常の光を最高のクオリティで残したい人。
そんな写真好きにこそ、GFX100RFは最適な相棒となるでしょう。
