「3万円台でどこまで快適に使えるの?」──そんな疑問を持つ人に向けて、今回はmoto g64 5gを実際に使い込んだレビューをお届けします。ミドルレンジスマホとして注目されている本機。普段使いに十分なのか、性能やカメラ、バッテリーの実力まで徹底的に検証しました。
moto g64 5gの基本スペックと特徴
まずは基本から。moto g64 5gはモトローラが2024年に発売した5G対応スマートフォンで、価格はおおよそ3万円台前半。手に取りやすい価格ながら、8GBメモリやMediaTek Dimensity 7025プロセッサなど、スペック的にはミドルクラスの中でも充実した内容です。
・OS:Android 14(ほぼ素のAndroid体験)
・ディスプレイ:6.5インチ FHD+ LCD/120Hzリフレッシュレート対応
・CPU:MediaTek Dimensity 7025
・RAM/ストレージ:8GB/128GB(microSDで最大1TB拡張)
・カメラ:背面50MP+2MP/前面16MP
・バッテリー:5000mAh(30W急速充電対応)
・重量:約177g
・おサイフケータイ、指紋・顔認証、3.5mmイヤホンジャック対応
このスペックを見てもわかる通り、価格以上の実用性を狙った設計。モトローラらしい「素直なAndroid」と「安定したハードウェア」の組み合わせが特徴です。
デザインと使い心地:軽くてシンプル、長く持っても疲れにくい
moto g64 5gを手に取ると、まず感じるのはその軽快さ。約177gという重さは、6.5インチクラスのスマホとしては軽い部類に入ります。厚みも約8mmとスリムで、ポケットへの収まりも良好。背面の質感はマット仕上げで指紋が付きにくく、見た目の高級感も意外にあります。
側面の電源ボタン一体型指紋センサーの反応も良く、ロック解除はスムーズ。顔認証も搭載されていますが、屋外やマスク着用時はやや安定しない印象です。
全体的に派手さはないものの、実用的で飽きにくいデザイン。カラーバリエーションも落ち着いたトーンが多く、ビジネス用途でも違和感がありません。
パフォーマンス検証:日常使いには十分、軽めのゲームも快適
CPUに搭載されたMediaTek Dimensity 7025は、ミドルレンジ帯の中でもバランスが取れたチップ。SNSや動画視聴、Web閲覧などの普段使いでは動作が非常にスムーズです。
アプリの切り替えやマルチタスクも安定しており、8GBのメモリが効いています。ブラウジングやYouTube、Instagram、LINEなどを同時に開いてももたつきを感じることはほとんどありません。
ゲームについては、原神などの重量級タイトルを高画質設定でプレイするのは厳しいですが、「ウマ娘」や「モンスト」「パズドラ」など軽〜中程度のゲームなら快適に動作。3万円台としては十分以上のパフォーマンスといえます。
ディスプレイの印象:120Hzの滑らかさが心地いい
moto g64 5gのディスプレイは6.5インチのLCDパネルで、フルHD+解像度に対応。リフレッシュレートが120Hzなので、スクロールやアニメーションの動きが滑らかです。SNSを見たり、Web記事を読むときの「スッ」と動く感じは上位機種と遜色ありません。
発色はややナチュラル寄りで、有機ELほどの深い黒は出せないものの、自然な色合いで目が疲れにくい印象。屋外の直射日光下では少し明るさが足りないシーンもありますが、通常の利用環境では見やすさに問題はありません。
動画視聴や電子書籍も快適で、コスパの高いディスプレイです。
カメラ性能をチェック:昼間は高評価、夜は控えめ
moto g64 5gのカメラはメインが5000万画素。OIS(光学手ぶれ補正)を搭載しており、日中の撮影では価格を考えると非常に優秀です。屋外の風景や食べ物の撮影では、自然な色味と十分なシャープさを確保。青空や緑の再現もきれいにまとまっています。
オートフォーカスの精度も安定しており、シャッターを切ってすぐに撮れる感覚。人物撮影では背景ぼかしの処理が少し甘いこともありますが、SNS投稿用の写真なら十分です。
一方で、夜景や暗所ではやや苦手。ノイズが目立ち、光源のにじみも気になります。ナイトモードを使えば多少改善されますが、暗所撮影を重視する人は上位機種の方が安心かもしれません。
前面カメラは1600万画素で、自然な肌のトーンを表現。過度な美肌補正がかからないため、オンライン会議やビデオ通話にも向いています。
バッテリー持ちと充電スピード
moto g64 5gのバッテリー容量は5000mAh。SNS、動画、音楽再生を中心とした一般的な使い方なら、1日半〜2日は十分持ちます。特にスタンバイ時の消費が少なく、モトローラの電力最適化のうまさを感じます。
充電は最大30Wの急速充電に対応。付属アダプターを使えば約1時間半ほどで満充電が可能。外出前の短時間充電でも実用的なレベルです。ワイヤレス充電には非対応ですが、価格を考えれば十分な性能です。
通信機能と便利さ:eSIM・おサイフケータイにも対応
moto g64 5gは日本市場向けにきちんとローカライズされています。5G通信(Sub6)対応はもちろん、DSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)やeSIMにも対応。物理SIMとeSIMを併用できるため、プライベートと仕事の回線を1台で使い分けたい人にも最適です。
さらに嬉しいのが、おサイフケータイ(FeliCa)対応。モバイルSuicaやQUICPay、楽天Edyなども利用できるので、通勤や買い物時にスマホだけで完結します。
Wi-FiやBluetoothの接続も安定しており、aptXやLDACなどの高音質コーデックにも対応。音楽再生もワイヤレスで快適に楽しめます。
音質・スピーカー:Dolby Atmos対応で臨場感あり
moto g64 5gにはステレオスピーカーが搭載されており、Dolby Atmos対応で立体的な音の広がりが楽しめます。動画やNetflixの視聴時に特に効果を感じやすく、音の位置感や臨場感がしっかり出る印象。
最大音量も十分で、机に置いたままのハンズフリー通話でも聞き取りやすいレベル。有線イヤホンジャックも備えているため、古いイヤホン資産をそのまま使えるのも地味にありがたいポイントです。
防水・耐久性:日常使用には十分なレベル
防水防塵はIP52等級。完全防水ではありませんが、雨や水滴程度なら問題なし。手洗い中に少し濡れる程度では壊れません。ただしお風呂やキッチンでの長時間使用は避けたほうが安全です。
筐体の剛性はしっかりしており、軽量ながら安っぽさは感じません。ケースなしでも安心感がありますが、落下対策にはカバー装着がおすすめです。
実際の使用感まとめ:快適さと価格のバランスが絶妙
数週間使ってみて感じたのは、「この価格でこの完成度なら十分アリ」ということ。動作の軽快さ、電池の持ち、そしておサイフケータイやeSIM対応と、日本の生活環境に合わせた便利機能がきっちり揃っています。
もちろん弱点もあります。暗所撮影が弱い、防水性能が控えめ、ゲーム向きではない――それでも日常使いにおいてはほとんど不満を感じません。3万円前後のスマホとして、現時点でかなりおすすめできる1台です。
moto g64 5gをおすすめしたい人
・動画やSNS中心でスマホを使う人
・おサイフケータイを使いたいけど高価な機種は避けたい人
・バッテリー持ち重視で、長時間外出が多い人
・シンプルなデザインとピュアなAndroidを好む人
逆に、夜景撮影を多用する人や、3Dゲームを高画質で楽しみたい人には少し物足りないかもしれません。
moto g64 5gレビューのまとめ:価格以上の満足感を得られる一台
moto g64 5gは、「日常で快適に使えるミドルレンジスマホ」というテーマをきっちり体現したモデルです。軽量で扱いやすく、動作もサクサク。おサイフケータイや120Hzディスプレイなど、日本ユーザーが欲しい機能をしっかり押さえています。
特に初めてスマホを買う人や、2台目・サブ機を探している人にはぴったりの選択肢。シンプルな設計で長く使える安心感もあります。
価格を考えれば「これで十分」と言える完成度。控えめに言っても、moto g64 5gは2024年以降のコスパスマホの中で有力な選択肢の一つです。
