音楽をより深く楽しみたい人にとって、「DAP(デジタルオーディオプレーヤー)」という選択肢はやはり特別な存在です。中でも話題になっているのが、Fiio(JadeAudio)から登場した新モデル「JM21」。
この記事では、実際に使った人の声やスペック情報をもとに、JM21の性能や特徴を利用者目線でわかりやすくレビューしていきます。
JM21とは?エントリークラスに見えない完成度
JM21は、2025年に登場したFiioの新しいDAPで、3万円台前後という価格ながら、驚くほど高機能な仕様を詰め込んでいます。
エントリークラスとは思えないほどの設計で、「初めての本格DAP」として注目を集めています。
特徴的なのは、Qualcomm Snapdragon 680というスマートフォンにも使われるチップを採用している点。これにより動作は軽快で、アプリ操作もスムーズ。従来のDAPにありがちな「もっさり感」が抑えられています。
加えて、Android 13ベースのカスタムOSを搭載しており、Google Play経由でSpotifyやApple Musicなど主要な音楽ストリーミングアプリを直接インストール可能。スマホライクな操作性と専用機としての音質を両立しているのがJM21の魅力です。
音質:デュアルDAC構成が生むクリアで力強いサウンド
JM21の心臓部には、Cirrus Logic製の「CS43198 DAC」を左右独立で2基搭載。さらに高性能オペアンプSGM8262を組み合わせ、フルバランス構成を実現しています。
この価格帯でデュアルDAC構成というのはかなり珍しく、音質面でもワンランク上の仕上がりです。
実際のリスニング体験としては、全体的にフラットで自然な音の広がりを感じられます。
中域のボーカルがしっかり前に出つつ、低音は厚みを持ちながらも締まりが良い。高音域も刺さらず、粒立ちが滑らかです。
解像度は非常に高く、ハイレゾ音源の細かな表現がよく伝わります。たとえばアコースティックギターの弦の振動や、ボーカルの息づかいなど、これまで聴き逃していたニュアンスが浮かび上がる感覚があります。
ただし、完全にハイエンドDAPの領域というよりは、ナチュラルでリスニング向け。過度に分析的ではなく、音楽を楽しむことにフォーカスしたチューニングです。
出力と駆動力:IEMからヘッドホンまでしっかり鳴らせる
出力は3.5mmシングルエンドと4.4mmバランスの2系統。
特にバランス出力では最大700mW+700mWの高出力を実現しており、中~高インピーダンスのヘッドホンも余裕で駆動します。
実際に使ってみると、イヤホンではボリュームを30〜40%程度に抑えるだけで十分。ダイナミクスがしっかり出て、音の立ち上がりも速い印象です。
また、ノイズフロアが低く、静寂感のある背景が得られるのもJM21の強み。小音量再生時でも細部の解像感が損なわれにくいです。
デザインと操作感:軽量・薄型で持ち歩きやすい
本体は約156gと非常に軽く、厚さもわずか13mmほど。
ポケットに入れてもかさばらず、片手で持って操作できるバランスの良いサイズ感です。
外観はアルミとプラスチックのハイブリッド筐体で、見た目以上に高級感があります。角の処理も滑らかで、手に取ったときのフィット感が良いのも好印象。
ディスプレイは4.7インチHDタッチスクリーン。明るさ・発色ともに良好で、ジャケット写真なども鮮やかに表示されます。
UIはFiio独自のカスタムOSですが、動作はスマホに近い感覚で、スクロールやスワイプもスムーズ。Android端末に慣れている人なら違和感なく扱えます。
接続性:Bluetooth 5.0もUSB-Cも高音質で対応
JM21はBluetooth 5.0に対応し、送信・受信の両方が可能。
コーデックはLDAC、aptX HD、LHDCなどのハイレゾ対応規格もサポートしています。ワイヤレス再生でも音質がしっかりしており、有線との差が感じにくいレベルです。
さらに、USB-DAC機能も充実。
PCと接続すればJM21を外部DACとして利用でき、最大384kHz/32bit、DSD256まで対応。
逆にUSB出力を行えば、外部DACやアンプにハイレゾ音源を出力することも可能です。
この柔軟さは、オーディオ環境を広げたい人にとって大きな魅力といえます。
ストレージと対応フォーマット:ハイレゾ環境を幅広くサポート
本体のストレージ容量は32GBと控えめですが、microSDカードで最大2TBまで拡張可能です。
これにより、ハイレゾ音源を数百枚分まとめて保存しても余裕があります。
対応フォーマットはFLAC、WAV、AIFF、APE、DSDなど主要なハイレゾ形式をカバー。
ストリーミングサービスとローカル再生の両立ができるため、Wi-Fi環境がない場所でも快適に音楽を楽しめます。
バッテリーと発熱:日常使いにちょうど良いバランス
バッテリー持ちはおおむね12〜16時間前後。
バランス出力やWi-Fi接続を多用すると短くなりますが、それでも通勤・通学の往復やカフェでの長時間再生には十分です。
発熱はほとんど感じず、長時間の連続使用でも安定動作を維持。
冷却効率が高く、音質への悪影響もありません。充電もUSB-C経由で手軽に行えます。
実際のユーザー評価:コスパの高さに驚く声多数
レビューサイトやSNSを見ても、JM21の評価は全体的に高い傾向です。
「3万円台でこの音は反則級」「Androidアプリが使えるのが便利」「有線も無線も音が良い」といったポジティブな声が多く見られます。
一方で、「内蔵ストレージが少ない」「操作レスポンスはスマホほど速くない」といったマイナス意見もありますが、全体としては満足度が高い印象です。
特に、スマホの音質に不満を感じていた人や、初めてDAPを使う層からの支持が厚いようです。
「音楽を聴く時間そのものが楽しくなった」というコメントも多く、純粋に音を楽しむためのデバイスとして愛用されています。
JM21は誰におすすめか?
JM21は、次のような人にぴったりです。
- スマホより良い音で音楽を楽しみたい
- 初めてDAPを使うが、難しい操作は避けたい
- ストリーミングとローカル再生を両立させたい
- コスパ重視で高音質なサウンドを求めている
一方で、ハイエンド志向のオーディオマニアや、細かなEQ設定や端子の多さを求めるユーザーには少し物足りないかもしれません。
しかし、それを補って余りあるバランスの良さがJM21の魅力です。
まとめ:JM21の性能や特徴を利用者目線でレビュー解説
JM21は、コンパクトな筐体に高音質・高機能を詰め込んだ新世代DAPです。
デュアルDAC構成によるクリアなサウンド、Androidベースの自由度、そして高い携帯性。
これらが絶妙にかみ合い、音楽を「聴く時間」そのものを豊かにしてくれる存在です。
価格以上の価値を感じたい人、音楽との距離をもっと近づけたい人にとって、JM21は理想的な一台になるでしょう。
