イヤホン選びって、正直迷いますよね。音の好みやデザイン、価格帯も人それぞれ。そんな中で最近注目を集めているのが「oto 樹（オトキ）」という名前で話題になっているイヤホン。実はこのモデル、オーディオブランドDUNUと日本の人気レビュアー「かじかじ」氏が手がけたコラボモデル「DUNU × KOTO ITO」なんです。この記事では、実際に使用した人たちのレビューや技術的な特徴を踏まえながら、その魅力をじっくり掘り下げていきます。
oto 樹（DUNU × KOTO ITO）とは？
まず「oto 樹」という名前について少し整理しておきましょう。正式な製品名は「DUNU × KOTO ITO」。KOTOというのは、日本のオーディオカルチャーを世界へ発信するために立ち上げられた新しいコラボレーションブランドで、「日本らしい音の美しさ」をテーマにしています。その第一弾として登場したのがこのITOで、和の情緒を意識した音づくりとデザインが特徴です。
監修を担当したのは、YouTubeやブログで人気のレビュアー「かじかじ」氏。彼の「音楽をもっと楽しく聴けるイヤホンを」という理念のもとに、DUNUの高い技術力と日本人の感性が融合した、まさに“和製Hi-Fiイヤホン”といえる存在です。
デザインと付属品のクオリティ
開封した瞬間に感じるのは、その上質なデザイン。フェイスプレートには木目調の模様があしらわれ、どこか落ち着いた雰囲気があります。名前の“樹（き）”を象徴するような温かみのあるデザインで、金属やプラスチック製の無機質なイヤホンとは明らかに一線を画しています。
シェルは透明感のあるレジン素材。耳の形に自然にフィットする小ぶりなサイズ感で、長時間の装着でも圧迫感が少ないのが好印象です。耳掛け式の形状で安定感もあり、通勤・通学など日常使いにも向いています。
付属品にもこだわりが感じられます。キャリングケース、複数のイヤーピース（バランス型・クリア型など）、3.5mmと4.4mmプラグの交換パーツ、クリーニングツールなど、必要なものがすべて揃っている構成。ケーブルは高純度単結晶銅（OCC）銀メッキリッツ線で、ノイズの少ないクリアな伝送を実現しています。コネクタは0.78mm 2pin仕様、プラグ部分にはDUNUの「Q-Lock」機構が採用されており、シングルエンドとバランス接続を簡単に切り替え可能です。
ハイブリッド構成が生み出す奥行きのある音
oto 樹の最大の特徴は、4ドライバー構成という贅沢な設計です。
搭載されているのは以下の通り：
- 10mm バイオセルロース複合振動板ダイナミックドライバー
- 8mm LCP（液晶ポリマー）ダイナミックドライバー
- 中高域用と超高域用のバランスドアーマチュアドライバー各1基
この構成により、低音から高音までの広いレンジを自然につなぐことに成功しています。低音の迫力とボーカルの伸び、そして高音域の抜け感。それぞれが過剰にならずに調和しており、聴き疲れの少ないサウンドバランスです。
実際の音質：低音の厚みとボーカルの存在感
レビューで最も評価されているのが、低音の質感と中域のボーカル表現。
まず低域は非常に豊かで、ベースラインの重量感をしっかり感じられます。それでいてボワつかず、芯のある低音。EDMやロック、HIP-HOPのようなジャンルでは特に心地よく響き、ライブハウスで聴いているような臨場感を味わえます。
一方でボーカル帯域も埋もれず、音の中心にしっかりと立ち上がるのがポイント。女性ボーカルは柔らかく伸びやかで、男性ボーカルは力強く温かみのある印象。過度にシャープではないため、長時間のリスニングでも疲れにくいのが特徴です。
高音域の繊細さと自然な余韻
高音域は「派手すぎず、自然に伸びる」方向で調整されています。ハイハットやシンバルが刺さらず、音の角が取れたような優しい響き。これはBAドライバーによる繊細なチューニングの成果で、解像感を保ちながらもリスニングの心地よさを損なわない絶妙なバランスです。
全体として、音の立ち上がりや余韻の消え方が非常に滑らか。クラシックやジャズのように空気感を大切にする音楽とも相性が良く、ジャンルを問わず楽しめる万能型イヤホンといえるでしょう。
音場表現と立体感
音の広がり方も印象的です。
密閉型イヤホンにありがちな“こもり感”がなく、左右方向の広がりと前後の奥行きがしっかり表現されています。特にライブ音源やアコースティック系では、ステージの奥行きや観客のざわめきまでリアルに感じられるほど。
この立体感は、ドライバー配置と音響設計のバランスによるもので、音が空間に溶け込むような自然な表現が魅力です。
使用感と装着感の快適さ
どんなに音が良くても、装着感が悪ければ台無しですよね。
oto 樹はこの点でも優秀です。レジン製シェルの軽さとフィット感が絶妙で、耳への圧迫感が非常に少ない。遮音性も高く、外出時の電車内やカフェでもしっかり音に集中できます。耳掛け部分の形状も自然で、ケーブルがずれたり引っ張られたりしにくい設計です。
oto 樹の弱点や注意点
もちろん完璧ではありません。
まず低音の量感が豊かすぎると感じる人もいます。特にクラシックやボーカル主体の静かな楽曲では、やや重たく感じる場面があるかもしれません。また高音域の煌びやかさは控えめなため、キラキラした音を好むリスナーには物足りない印象もあるでしょう。
さらに国内での販売ルートが限られており、主に輸入経由での購入となります。購入前には販売店のサポート体制や保証内容を確認しておくことをおすすめします。
oto 樹が合う人・合わない人
向いているのは、音楽の熱量やリズム感を重視する人。
特にロック、EDM、ポップスなど、エネルギッシュな楽曲をよく聴く人にはピッタリです。音の勢いや厚みを感じながら、自然で疲れにくいサウンドを楽しめます。
一方、スタジオモニター的なフラットな音を求める人や、楽曲の細部解析を重視するリスナーには不向きかもしれません。あくまで「音楽を楽しむ」ことを主眼に置いた設計だからです。
総評：oto 樹は“感性で聴くイヤホン”
oto 樹（DUNU × KOTO ITO）は、スペック以上に感性で楽しむイヤホンです。
低音の厚みとボーカルの温かみが絶妙で、ただ聴くだけで音楽の世界に引き込まれるような没入感があります。派手な演出ではなく、聴くたびにじわっと心に残るような“日本らしい音”を感じさせる仕上がりです。
デザインも上品で、所有欲を満たしてくれる質感。ハイブリッド構成による音の深み、自然な高音、快適な装着感と、総合的な完成度は非常に高いです。少しクセはあるものの、それもまた個性。音に感情を求める人には、これ以上ない選択肢かもしれません。
oto 樹の魅力を徹底レビュー！特徴や使用感を紹介
最後にもう一度。
oto 樹は、数字では語りきれない“音の温度”を持つイヤホンです。聴き込むほどに表情を変え、楽曲の中にある小さな息づかいまで感じ取れる。そんな丁寧な音づくりが、このモデル最大の魅力です。
イヤホン選びに迷っている人、音楽をもっと深く味わいたい人にこそ、ぜひ一度体験してほしい。oto 樹の音は、あなたの聴き慣れた曲に新しい発見をもたらしてくれるはずです。
