ホンダが2024年に日本市場へ投入した新型コンパクトSUV「WR-V」。
今回はその走行性能や燃費を、実際の試乗レビューやユーザーの声をもとに徹底的に検証していきます。街乗りから高速道路、長距離ドライブまで、どんなシーンで本領を発揮するのかを掘り下げてみましょう。
WR-Vとは?コンパクトSUV市場に新風を吹き込む1台
WR-Vは、ホンダがグローバル市場で展開するサブコンパクトSUV。インドや東南アジアで人気を博したモデルの2代目が、ついに日本にも導入されました。
ボディサイズは全長4,325mm、全幅1,790mm、全高1,650mm。コンパクトSUVとして扱いやすいサイズ感ながらも、室内空間はゆとりがあります。
プラットフォームはホンダ・シティ系をベースにしており、街乗りに最適化された設計です。
搭載されるのは1.5L DOHC i-VTECエンジンとCVTの組み合わせ。
駆動方式はFFのみで、4WD設定はありません。
スペック上の最高出力は120PS前後、最大トルクは145Nm程度と、日常使いには十分なパワーを備えています。
街乗りで感じるWR-Vの走りやすさ
まず街中での運転感覚。
WR-Vの第一印象は「とにかく扱いやすい」です。ステアリングが軽く、最小回転半径も小さいため、狭い住宅街やショッピングモールの駐車場でも取り回しがスムーズ。
アイポイントが高く見切りも良いので、SUV初心者でも運転に自信が持てます。
エンジンは1.5L自然吸気ながら低速トルクがしっかりしており、信号待ちからの発進もストレスを感じません。
CVTの制御も滑らかで、街乗りではアクセル操作に素直に反応してくれます。
また、停車・発進を繰り返すような市街地走行でも、エンジンの静粛性が高く、アイドリング時の振動も控えめ。ホンダらしい上質な仕上がりが感じられます。
燃費面では、街乗り中心だと11〜13km/L前後が実測値として多く報告されています。エアコンを頻繁に使う夏場は若干落ち込みますが、一般的なコンパクトSUVと比べても悪くない数字です。
高速道路での安定感と燃費効率
次に高速道路での走行性能を見てみましょう。
WR-Vは車体剛性が高く、直進安定性に優れています。
高速巡航中でもステアリングがブレず、路面の段差をしなやかにいなしてくれる印象です。CVT特有の高回転域への引っ張り感も少なく、80〜100km/hの巡航ではエンジン回転数が抑えられ、静粛性も良好です。
燃費面では、高速走行時にもっとも良い結果が出る傾向があります。
実測値で17〜19km/Lに達するケースもあり、WLTCモード16.4km/Lというカタログ値を上回ることも珍しくありません。
この安定した燃費性能は、CVTの効率的な変速制御とエンジンの緻密なチューニングによるものです。
長距離ドライブでは、疲労を感じにくいシートポジションも高評価。背もたれや座面のサポートが自然で、2〜3時間連続で運転しても腰や背中への負担が少ないとの声が多く聞かれます。
乗り心地とサスペンションのチューニング
WR-Vのサスペンションは、やや硬めの味付け。
これは、カーブでの安定性や車体のロールを抑えるためのセッティングです。
そのため、舗装が荒れた道や段差を越えるときには少し突き上げ感がありますが、一般的なSUVとしては許容範囲内。
むしろ、しっかりとした足回りのおかげで、高速道路やワインディングでの安定感は抜群です。
ステアリングフィールも自然で、切り返しの応答もスムーズ。SUVでありながらコンパクトカーに近い軽快さがあります。
静粛性については、中速域までは十分に快適です。
ロードノイズや風切り音は完全には遮断されませんが、会話や音楽を楽しむにはまったく問題ないレベル。
特に100万円台後半〜200万円前後の価格帯を考えれば、コストパフォーマンスは高いと言えます。
燃費を左右するポイントと実測傾向
カタログ上の燃費はWLTCモードで16.2〜16.4km/L。
ただし、実際の燃費は走行環境によってかなり変わります。
市街地ではストップ&ゴーが多いため11〜13km/L、郊外走行では14〜16km/L前後、高速巡航では17〜19km/Lといった傾向です。
燃費を伸ばすコツとしては、アクセルを一定に保ち、CVTの効率を活かした滑らかな加速を意識すること。
また、エアコンやアイドリング時間の管理も重要です。
ホンダの1.5L i-VTECはエンジンブレーキの効きが穏やかなので、減速時に早めにアクセルを戻すことで燃費改善に繋がります。
WR-Vの魅力と惜しい点
WR-Vの魅力は、やはりバランスの良さにあります。
街乗りでは扱いやすく、高速では燃費と安定性を両立。SUVらしいデザインと高い視点による安心感もあり、日常の移動から週末ドライブまで万能に使える一台です。
一方で、いくつか気になるポイントも。
まず、スポーティさや俊敏な加速を求める人には物足りなさを感じるかもしれません。
また、4WD設定やハイブリッド仕様がないため、雪国やオフロード走行を想定するユーザーには選択肢が限られます。
内装の質感も機能的ではありますが、高級感を求めると少し物足りない印象です。
とはいえ、価格と性能のバランスを考えれば、非常に「賢い選択肢」。
競合となるヤリス・クロスやライズ、ヴェゼルよりもコストを抑えつつ、実用性と快適性をしっかり確保しています。
長距離ドライブでわかるWR-Vの真価
実際に長距離を走ると、WR-Vの本領が見えてきます。
安定感のある直進性能、シートの快適さ、そして静粛性。
1.5Lエンジンは高回転までスムーズに吹け上がり、追い越し加速も自然です。
CVTの制御が的確で、急な登坂や高速合流でも不安を感じません。
さらに、車体重量が1,200kg台と軽いため、コーナリングでの姿勢変化も穏やか。
ワインディングを走ると、SUVというよりハッチバックに近い感覚で曲がることができます。
燃費もこのシーンで15〜17km/Lを記録することが多く、長距離ドライブでも経済的です。
WR-Vの走行性能と燃費を検証して見えてきた結論
WR-Vは、ホンダが提案する「実用と快適のバランス」を体現したSUVです。
豪華さや圧倒的な出力ではなく、「普段使いで気持ちよく走れること」に重きを置いた設計。
その結果、街乗りでは取り回しやすく、長距離では安定感と燃費性能を発揮する万能車に仕上がっています。
燃費重視のユーザーにはハイブリッド不在が惜しいところですが、メンテナンスコストを抑えたい人や、シンプルに「気軽に乗れるSUV」を探している人には理想的な選択肢です。
WR-Vは、日常の移動をもっと楽しく、そして経済的にしてくれるコンパクトSUVだと断言できます。
WR-Vの走行性能と燃費を検証!街乗りから長距離まで徹底レビュー【まとめ】
最後に改めてまとめると、WR-Vの特徴は以下の通りです。
- 街乗りでは軽快で扱いやすいハンドリング
- 高速巡航では静かで安定した走り
- 実燃費はおおむね13〜16km/L前後、高速では最大19km/Lも可能
- 乗り心地はやや硬めだが安定性重視のセッティング
- 価格と性能のバランスが良く、初めてのSUVにもおすすめ
WR-Vは「派手さよりも実用性」を求める人にぴったりの一台です。
街乗りから長距離まで、走行性能と燃費の両面でしっかり応えてくれるホンダの新しい実力派SUVとして、これからの定番モデルになる可能性を秘めています。
