PGガンダムGP01FB。
この名前を聞いてピンとくる人は、きっとガンプラの“深み”を知っているはずだ。
今回は、PGシリーズの中でも特に人気の高い「ガンダムGP01FB」の組立難易度や完成後の魅力について、実際の使用感や評判をもとにまとめていく。
PGガンダムGP01FBとは?その魅力をざっくり紹介
PGガンダムGP01FBは、『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場する試作1号機「フルバーニアン」を1/60スケールで再現した大型プラモデル。
PGシリーズはバンダイの最高峰グレードであり、精密な内部フレームや電飾、ギミックなど“究極のリアル”を追求したシリーズとして知られている。
このガンダムGP01FBの最大の特徴は、地上用のGP01と宇宙用のフルバーニアン(Fb)の2形態を組み替えで再現できること。
一度のキットで2体分の構造を持つような贅沢な仕様だ。
組立難易度:PGの名に恥じない圧倒的ボリューム
まず最初に言っておくと、PGガンダムGP01FBの組立はかなりの根気と集中力が必要だ。
「パーツ数が多い」「ギミックが複雑」「ランナーが山のようにある」——これらはどのレビューでも共通して語られるポイントだ。
PGシリーズ全般にいえることだが、このキットも一日や二日では完成しない。
休日をフルで使っても仮組みが終わらないこともある。パーツのサイズ自体は大きいが、内部フレーム・装甲・関節ギミックなどが細かく設計されており、説明書の指示を正確に読み取る力が試される。
特に難所として挙げられるのが以下の部分。
- 肩や腰まわりの関節構造
- フルバーニアン形態でのバックパック装着部
- 電飾ユニットの配線取り回し
- 外装の噛み合わせと精度調整
内部構造が精密ゆえに、一度組み間違えると戻すのが大変。
一つひとつの工程を丁寧に進めることが大切だ。
組立で気をつけたいポイントとコツ
- 仮組みをおすすめする
特に変形ギミックを含む腰部や脚部は、すぐ接着せずに仮組みで動作確認を行った方がいい。可動域や干渉を確認しておくと後悔しない。 - パーツのゲート処理を丁寧に
大きなパーツほどゲート跡が目立つ。やすりやデザインナイフで滑らかに整えるだけで完成後の見栄えが大きく変わる。 - 説明書の矢印を信用しすぎない
古いPGでは、説明書のイラストがやや抽象的なことがある。角度や方向を自分の目で確認しながら慎重に進めよう。 - 組立途中での重量バランスに注意
背中の大型ユニットは重く、腰や股関節の負担が大きい。内部フレームの金属パーツを確実に固定することが重要だ。
こうした注意を守るだけで、組立後の安定感や完成度は格段に上がる。
完成後の外観とディテール:圧倒的な存在感
完成したPGガンダムGP01FBは、まさに**“飾るためのガンプラ”**。
1/60スケールならではのサイズ感と、PG特有の密度の高いディテールが圧倒的だ。
装甲の段差やメカ内部のモールド表現は非常にリアル。
フルバーニアン形態のバックパックとスラスターは特に存在感があり、光の当たり方でプラの質感が美しく映える。
また、LEDによるカメラアイの点灯ギミックも備わっており、電飾を入れるとぐっと“PGらしさ”が際立つ。
プロポーションはアニメよりも若干リアル寄りで、力強さを感じる造形。
足首の関節構造がしっかりしているため、どっしりと立たせることができる。
フル装備での全高は約30cmを超え、他のMGやRGと並べると圧倒的な存在感を放つ。
可動とギミック:大型ながらよく動く
PGガンダムGP01FBは、サイズのわりに可動域も優秀だ。
肩・肘・膝の二重関節により、自然なアクションポーズも取れる。
ただし、全体が重いため、長時間ポーズを維持すると緩みが出ることもある。
特筆すべきは、GP01⇔GP01Fbの換装ギミック。
バックパックを中心に一部パーツを交換することで、地上仕様と宇宙仕様を再現できる。
この変形工程が非常に手応えがあり、組立の醍醐味の一つだ。
しかし、シールドの保持力が弱い・指の関節が外れやすいといった声もある。
ポーズを決めたらスタンドで支えるなど、展示方法に工夫を加えると安定する。
塗装・カスタムの楽しみ方
PGガンダムGP01FBは素組みでも十分な完成度だが、塗装派にとっては格好の素材だ。
成型色は少し明るめのホワイト系で、スミ入れやつや消し仕上げを行うだけで一気に引き締まる。
海外モデラーの中には、100時間以上かけて全塗装&メタリック仕上げを行った例もあり、PGならではの「手を加える楽しさ」がある。
デカールを追加したり、メタルパーツを埋め込んだりするだけでも情報量が増し、リアルさが格段に上がる。
組立後の飾り方と保管のポイント
完成後のサイズはかなり大きく、奥行きもあるため、専用のディスプレイスペースを確保しておくのがおすすめだ。
ホコリ対策としてアクリルケースを使うと、長期間の展示でも美しさを保てる。
また、LED点灯機構を長持ちさせるために、電池は使わないときは抜いておくのが基本。
飾る際には、GP01とFb形態を交互に展示するのも楽しい。
角度や照明を変えるだけで、スラスターや装甲の陰影がぐっと際立ち、印象が変わる。
購入前に知っておきたいこと
PGガンダムGP01FBは、現在でも再販のたびに人気が集中する。
価格は定価で3万円台後半〜4万円程度。中古市場では未組立品が3万円前後で流通していることもある。
パーツ数やボリュームを考えるとコスパは悪くないが、初めてPGを組む人にはややハードルが高い。
初心者にはMG(マスターグレード)から慣れるのもおすすめだ。
ただし「いつかPGを組んでみたい」と思うなら、PGガンダムGP01FBはまさにその挑戦にふさわしいキットだ。
PGガンダムGP01FBのレビュー総まとめ
改めて、PGガンダムGP01FBの特徴を整理するとこうだ。
- 組立は非常に難易度が高いが、その分達成感も大きい
- 内部フレームや変形ギミックが精密で作りごたえ抜群
- 完成後は圧倒的な存在感とディテールで満足度が高い
- パーツ保持や関節強度にはやや注意が必要
- 塗装やカスタム次第で見栄えが大きく変わる
まさに「時間をかけて向き合う価値のあるPG」。
組立中の試行錯誤も含めて、完成した瞬間の感動は他のグレードでは味わえない。
フルバーニアンのスラスターを背負わせた瞬間、その迫力に思わず息をのむだろう。
まとめ:PGガンダムGP01FBを組むという贅沢な時間
PGガンダムGP01FBの組立は、決して楽ではない。
しかし、完成した瞬間に感じる達成感と存在感は格別だ。
プラモデルというより、一つの“作品”を作り上げる体験に近い。
ガンプラ歴が長い人ほど、このキットの奥深さを味わえるはずだ。
時間をかけてじっくり組み上げ、飾り、眺め、何度でも愛でる。
そんな贅沢な楽しみ方ができるPGガンダムGP01FB——
もしあなたが次に挑戦するPGを探しているなら、このキットが間違いなくその候補になるだろう。
