ガンプラの中でも“究極”と呼ばれる存在、それがPG(パーフェクトグレード)シリーズ。その中でも特に注目を集めるのが「PGストライクフリーダムガンダム」です。今回は、その特徴や組み立ての魅力、完成後の迫力、そして作例レビューまで、実際の体験に基づいて徹底的に紹介していきます。
PGストライクフリーダムとは?圧倒的スケールと存在感
PGストライクフリーダムは、アニメ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場する主人公機を、1/60スケールで立体化した超高精度モデルです。完成時の全高は約31cm、翼を広げると幅は50cm近くにもなり、その迫力はMG(マスターグレード)やRG(リアルグレード)を遥かに凌駕します。
パーツ数は驚異の600点超。ランナー枚数も膨大で、組み立て説明書は分厚い冊子のよう。まさに“プラモデルという名の工芸品”といった印象です。重量感と精密感を両立したフレーム構造は、触れるたびにPGの名にふさわしい重厚さを感じさせます。
組み立ての魅力と難易度
PGシリーズの特徴は、単なる「大きなガンプラ」ではなく、内部フレームやメカニカル構造をリアルに再現している点にあります。PGストライクフリーダムも例外ではなく、脚部のシリンダー可動や肩部のスライドギミックなど、細部まで実機を感じさせる構成です。
ただし、組み立て難易度は高め。部位ごとにパーツが細分化されているため、慣れないうちはランナーの管理だけでも一苦労です。特にフレーム部分は精度が高い分、仮組みをせずに進めると噛み合わせが固くなる箇所もあります。とはいえ、ひとつひとつ丁寧に組み上げる過程は、PGならではの達成感を味わえる時間でもあります。
金メッキパーツの質感と仕上げ方
ストライクフリーダムといえば、特徴的なのが金色の内部フレーム。PG版でもメッキ仕上げが施され、組み立てただけでも豪華な印象を与えます。しかし、光の当たり方によっては若干プラスチック感が強く見えることもあり、リアルな金属感を出したい人は塗装仕上げを検討すると良いでしょう。
モデラーの間では、ゴールド部分をメタリック塗装で上書きする「部分リペイント」や、艶消しトップコートをかけて落ち着いたトーンにする手法が人気です。特にガイアノーツ スターブライトゴールドやアルクラッド クロームなどの塗料を使うと、金属的な深みが一気に増します。メッキの輝きを活かすか、重厚感を出すか。ここは好みが大きく分かれる部分ですが、仕上げ次第で完成後の印象が大きく変わります。
可動域とポージング性能
PGストライクフリーダムの可動域は広く、肩や脚の関節がしっかりと可動します。腕を大きく広げたり、膝立ちポーズを取らせたりすることも可能。大型のバックパックを装着した状態でも、腰のスイングや足首の接地性は比較的良好です。
ただし、ウイング展開時の重心バランスには注意が必要。バックパックとドラグーンシステムの重量が後方に偏るため、スタンドを使用した方が安定します。PGシリーズの中では比較的しっかりした関節設計になっているものの、保持力の経年劣化を防ぐためにも、飾る位置や角度に気をつけたいところです。
ギミックと発光システム
PGシリーズの醍醐味のひとつが、各部のギミック。PGストライクフリーダムガンダムも例に漏れず、コクピット開閉や内部ディテールの露出、ドラグーンの展開など、豊富な可動ギミックが搭載されています。LEDユニットを追加すれば、頭部カメラや胸部センサーを発光させることも可能で、ディスプレイ時の存在感が一段と引き立ちます。
また、ウイング基部にはスライド式の連動ギミックがあり、展開動作を滑らかに再現可能。背面のドラグーンユニットを全開状態にすると、劇中でキラ・ヤマトが見せた“光の翼”をイメージした迫力あるシルエットを楽しめます。
作例レビュー:塗装・改修で広がる完成度
ネット上には数多くの作例が投稿されていますが、その多くが素組みを超えた「カスタムビルド」。特に人気なのが、ゴールドフレームの塗装変更。ガイアノーツ スターブライトゴールドやアルクラッド クロームを使用することで、より深みのある金属質を再現する作例が増えています。
また、スミ入れでパネルラインを強調するだけでも立体感が向上します。肩やウイングのモールドを際立たせると、情報量が増してリアルな印象に。上級者の中にはLED配線を自作し、ドラグーン内部まで発光させる猛者もいます。改修の自由度が高く、「自分だけのストフリ」を完成させる満足感が味わえるのもPGならではです。
注意点と弱点
完成度の高いPGストライクフリーダムですが、いくつかの注意点もあります。まず重量バランス。ウイングを広げた際に後ろに倒れやすく、自立展示が難しいため、付属のスタンドを活用するのが安全です。
次に、パーツの保持力。可動部が多い分、繰り返しポージングを行うと関節が緩みやすくなる傾向があります。特に腰や肩の軸は一度外すと摩耗しやすいため、調整には慎重さが求められます。また、ランナー数が非常に多いので、組み立て途中の紛失防止も重要です。
PGストライクフリーダムガンダムをおすすめできる人
このキットは、単なる「ガンプラ好き」ではなく、完成までの過程を楽しめる人にこそ向いています。PGシリーズは“組み立てる体験そのもの”が作品の一部。作業にかけた時間がそのまま完成度に反映されるので、手を動かすことが好きなモデラーに最適です。
また、MG(マスターグレード)やRG(リアルグレード)でストライクフリーダムを作ったことのある人なら、その進化を肌で感じるはずです。可動範囲、フレーム構造、ディテール、どれを取ってもPGならではのスケール感。ガンプラの中で一度は挑戦しておきたい“到達点”といえるでしょう。
価格と入手情報
PGストライクフリーダムガンダムの定価は3万円台後半ですが、プレミア価格での流通も見られます。再販のたびに即完売するほど人気が高く、安定した供給は難しい状況。購入を考えている場合は、バンダイホビー PGストライクフリーダムガンダムなどの正規流通をチェックするのがおすすめです。
中古市場では未組立のものが4万円前後で取引されており、状態によってはさらに高騰するケースもあります。保存状態の確認は必須ですが、PGの品質は経年でも劣化しにくく、ランナーの状態が良ければ問題なく組み立て可能です。
まとめ:PGストライクフリーダムレビューの結論
PGストライクフリーダムガンダムは、ガンプラの中でも特別な存在です。そのスケール、可動、ディテール、すべてが“究極”の名にふさわしく、作る楽しさと飾る喜びを同時に味わえます。確かに組み立ては大変で、重量バランスや保持力といった弱点もありますが、それを補って余りある完成度があります。
組み上げた瞬間、ただのプラモデルではなく「一つのガンダム」という存在感を放つ。それがPGストライクフリーダムの魅力です。あなたの手で、ぜひその圧倒的スケールを体感してみてください。
